株式会社フリークアウト(以下、フリークアウト社)は、RTB (リアルタイムビッディング) による広告枠の買付を行う DSP (デマンドサイドプラットフォーム) を展開しています。2012年現在、オンライン広告業界における国内唯一のDSP専業プロバイダーとして広告枠のリアルタイム取引の基盤の開発を行うと同 時に、広告代理店様への自社プラットフォームのOEM提供、広告媒体を支援するSSP(サプライサイドプラットフォーム)をはじめとするテクノロジーパー トナー様との技術連携を行っています。広告出稿・掲載の最適化を実現する RTB、 DSP、 SSP という仕組みは、以下のようなものとなります。

  • RTB (Real Time Bidding) とは
    ディスプレイ広告を1インプレッションごとに、媒体をまたいでリアルタイムに販売/買い付けをすることのできる取引の仕組みです。媒体社にとっては販売単 価が向上する点、広告主にとっては媒体をまたいだ広告配信の最適化・効果の最大化を図れることがメリットです。DSP と SSP という2つのプレイヤーが RTB によって取引をします。
  • DSP (Demand Side Platform) とは
    広告主や代理店から予算をあずかり、RTB で広告の買い付けを行うプラットフォーム/サービスです。リアルタイムに1インプレッションごとの入札を行うため、非常に高速な処理が要求されます。より 多くの取引を成立させるために、高度かつリアルタイムに広告のターゲティング・最適化が要求されます。
  • SSP (Supply Side Platform) とは
    媒体社から広告枠をあずかり、RTB で DSP へ販売を行うプラットフォーム/サービスです。こちらも同様に非常に高速な処理が要求されるシステムです。複数の DSP から同時に入札を受け付けるための並列性の高いシステムが求められます。

フリークアウト社では、国内唯一の専業 DSP としてサービスを展開していましたが、さらに海外事業構築を行っていくために現地にシステムを配置する必要が生じたことから、クラウド利用の検討を開始することとなりました。


フリークアウト社がクラウドの検討を行う際、接続先広告サーバーとの通信レイテンシーが低くできるかが最大の争点でしたが、AWS であれば、レイテンシーが低くできると分かったことから、次は既存のオンプレミスをそのまま延長して展開出来るかどうかの技術的な検証を行い、まず Amazon CloudFront によるコンテンツ配信から利用を開始いたしました。

Amazon CloudFront によるコンテンツ配信を開始した後、海外事業では AWS を主軸に構築していくことを決定しました。この際、既にあるオンプレミスのシステム基盤で Linux、 Perl、 MySQL、 KyotoTycoon を利用していたため、この構成と同じ内容で運用可能なサーバー構成を AWS で再現していきました。結果的には、AWS を選択したことにより、2週間程度の各種機能検証と、サーバ展開周りで1週間程度ほどの構築期間で基本的な運用体制を構築しました。オンプレミスとの併用 が必要なため、 AWS とのゲートウェイには、Amazon VPC を活用しセキュアな環境とオンプレミスのデータセンターを接続しており、Amazon EC2、 Amazon RDS、 Elastic Load Balancing、 SES、 CloudFront、 S3 を利用しています。

 

 

 

「株式会社フリークアウト様システム構成図」

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AWS を利用することにおける大きな利点としてあげられることは、インフラ調達のことを一切考えずに済む点です。
また、AWS ではシステムを任意に拡大/縮小できる点が不確定要素の多い新規サービス展開には良くマッチしており、今後も伸びに応じて拡張していしたいと考えています。

フリークアウト社におけるビジネスを拡大していく上で、AWS ではサーバの増強が即時できるという点が、サービスレベル改善に一役買っています。また、小さい初期投資支出で新事業のためのインフラを構築することがで きる点、既存のオンプレミスを拡張するようにインフラ環境を AWS で構築することができ、既存のオンプレミス環境との並行運用を行う際も親和性が高い状態を作ることができる点も、スピードを重視した際のメリットといえま す。その結果、AWS クラウドへの移行後も違和感なくオペレーションが行えるため、オペレーションコストの大幅な増加も見られないという点も魅力です。

AWS では、世界各地のデータセンターを利用することができるため、オンプレミスに比べて調達速度、海外でのインフラ構築を行う際に、圧倒的に速く行える点が強いアドバンテージになっていると思います。

 

 

- 株式会社フリークアウト 開発担当 久森様