投稿日: Dec 11, 2020

コンタクトセンター・エージェントの問題解決に必要な情報をリアルタイムで提供する「Amazon Connect Wisdom」

パーソナライズされたサービス提供に向けて、エージェントに一元化した顧客プロファイルを提供する「Amazon Connect Customer Profiles」

通話中でもコンタクトセンターのマネージャーがお客様対応をサポートできる新機能を提供する「Real-Time Contact Lens for Amazon Connect」

コンタクトセンター・エージェント業務の自動化、フォロー・管理によりエージェントの生産性を最大30%向上する「Amazon Connect Tasks」

機械学習を活用した音声解析により、リアルタイムで発信者認証を行う「Amazon Connect Voice ID」

Best Western、John Hancock、富士通など多くの企業が Amazon Connect の新機能を採用

(シアトル発、2020年12月1日発表)Amazon.com, Inc.(NASDAQ:AMZN)の関連会社である Amazon Web Services, Inc. (AWS)は、「AWS re:Invent」にて、急成長中のコンタクトセンター向けサービス「Amazon Connect」の 5 つの新機能を発表しました。これらの新機能により、コンタクトセンター・エージェントの生産性とエンドユーザーの顧客体験が大きく向上します。Amazon Connect は、使いやすく、迅速な導入と高い拡張性(最大数万人のエージェントに対応)を特長としており、あらゆる規模の企業が卓越したカスタマーサービスを低コストで実現できるよう支援します。Amazon Connect を採用している企業は、John Hancock、Capital One、Intuit、Best Western、富士通、Origin Energy、GE Appliances、Square、Mutual of Omaha、National Australia Bank、New York Times、Dow Jones など数千社に上り、お客様へのサービスやサポート体験の大幅な向上に役立てられています。今回発表した機能は、適切な情報を適切なタイミングでエージェントに提供する機能、よりパーソナライズされたサービスを提供する機能、通話中にマネージャーがお客様対応をサポートする機能、お客様の本人確認をより安全かつ素早く行う機能、お客様へのフォローアップ業務を管理しやすくする機能の5つです。これらの機能は、AWS の機械学習技術を基盤としており、技術的な専門知識がなくても利用可能です。これらの新機能は、Amazon Connect の搭載機能として利用できます。Amazon Connect について詳しくは、https://aws.amazon.com/connect/ をご覧ください。

コンタクトセンター・エージェントは、カスタマーサービスの前線にいるものの、旧来のコンタクトセンター向けソリューションでは、エージェントが真に優れた顧客体験を提供することをサポートするのは困難でした。さらに、今日のソリューションは、高額で設定が難しく、拡張性もあまり高くありません。企業は多くの場合、複雑な独自のハードウェアやソフトウェアシステムに投資する必要に迫られますが、こうしたシステムの多くは、導入に数カ月あるいは数年を要し、設定に専門知識を必要とするほか、問い合わせ件数の変動に合わせた拡張や縮小もできない仕様でした。旧式のオンプレミス型システムや自社製システムを構築できたとしても、基本的な変更にも複雑なコーディングが必要なことが多いため、すぐに時代遅れとなり、維持が困難になってしまいます。こうした課題や機会を、Amazon は自社の事業を通じてよく理解していたため、自社の小売事業の急激な成長と規模を管理するため、世界で最も拡張性が高く、機能性に優れ、コスト効率の高いコールセンターサービスを構築しました。長年、お客様から、Amazon 向けサービスの DNAを活かした、Amazon 社外向けのコールセンターサービスの構築はできないか、というお問い合わせを AWS にいただいておりました。Amazon Connect は、Amazon のコールセンターソフトウェアを汎用化することにより実現し、クラウド化と機械学習の実装により、コンタクトセンターの顧客体験に抜本的な変革をもたらすサービスです。Amazon Connect の利用により、企業は数分間の初期設定や調整で、コンタクトセンターの立ち上げが可能になります。導入や管理のためのインフラは不要で、簡単な操作性、そして問い合わせ件数の変動に応じた規模の拡張や縮小にも柔軟に対応可能です。さらに、エージェントが実際にお客様対応を行った時間に対してのみ料金が発生するため、コスト効率の面でも非常に優れています。

本日より提供開始となる Amazon Connect の 5 つの新機能は、「エージェントの生産性向上」と「より良い顧客体験の提供」という、AWS を利用いただいているお客様の主要なご要望にお応えするものです。

• エージェントアシスト(プレビュー利用可)Amazon Connect Wisdom は、エージェントが問題を解決するうえで必要な情報をリアルタイムで提供します。最高の顧客体験を提供するためには、エージェントが製品やサービスに関する幅広い情報を、いつでも見つけ出せる状態であることが必要です。残念ながら、こうした情報はさまざまなデータベースや社内の各部署、サードパーティソフトウェアに分散していることが多く、結果としてエージェントは、お客様対応に必要な情報にアクセスするために多くの時間を浪費しています。Wisdom には Salesforce および ServiceNow への連携機能が備わっており、サードパーティの情報リポジトリと自社製データベースの両方からエージェントが必要とする情報(FAQ や参考記事、PDF など)を取り込み、整理します。また、自然言語処理(NLP)によって通話の最中にお客様の問題を検知し、それをもとに情報リポジトリに蓄積されたコンテンツの中から関連する内容を提示します。例えば、お客様が「壊れたものが届いた」と言えば、Wisdomはそれを検知できます。そのプロンプトを受けると、具体的な回答と関連コンテンツへのリンクなどを含め、商品の交換に関する案内が Amazon Connect のエージェント向けアプリケーションに自動表示されます。さらに機械学習を活用した検索機能を使えば、エージェントはお客様が口にした通りの表現や質問に対する回答を得られます。例えば、「商品購入後、交換できるのはどれくらいの期間か」とエージェントが入力すると、Wisdom がすべての蓄積情報を検索し、的確な回答とリンクを出力します。それをもとにエージェントは、さらに詳しく調べることも可能です。Wisdom は、適切な情報を適切なタイミングで提供することでエージェントをサポートし、お客様が抱える問題をより素早く、効果的に解決へと導きます。
• カスタマープロフィール(利用可)Amazon Connect Customer Profiles は、各お客様のプロフィールを一元化し、エージェントが通話をしながら一人ひとりのお客様に合ったサービスを提供できるようにします。製品やサービスの情報といったお客様の行動や体験に関するコンテンツは、多くの場合、さまざまな自社製アプリケーションやサードパーティサービス内のデータベースやユーザーインターフェースに散在しています。時には、お問い合わせ内容の詳細や購入履歴、チケットの状況などの顧客情報を見つけ出すために、エージェントは10個ものアプリケーションを交互に確認する必要があります。お客様に関する情報やそれぞれの状況に関する全体像を一元化することで、カスタマーサービス・エージェントは、よりきめ細かい案内やサービスをエンドユーザーに提供できます。Customer Profiles では、お客様から着信を受けると、電話番号やアカウントIDなどの識別情報をもとに、複数のアプリケーションからお客様に関する記録をスキャンして照合します。また、Amazon Connect 上のお問い合わせ履歴情報(保留の回数や通話内容、お客様の感情など)と、カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)や e コマース、注文管理アプリケーションから得られる顧客情報を統合して顧客プロフィールとして一元化し、電話やチャットが始まる瞬間に Amazon Connect のエージェント用アプリケーションに表示します。例えば、ホテルのカスタマーサービス・エージェントがお客様から電話を受け、宿泊中にひどい思いをしたと苦情を言われた場合に Amazon Connect を活用し、同じお客様が経営幹部の 3 日間にわたる社外ミーティング会場として同じホテルに見積もりを依頼していたことを把握できたとします。こうした追加情報が得られたことにより、(同じお客様が次回宿泊される際にエグゼクティブスイートに変更させてほしい、など)エージェントの電話対応の仕方を変えることができます。また、Amazon Connect のソフトウェア開発キット(SDK)やアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)の活用により、AWS を利用するお客様は、他の自社製アプリケーションとの連携も可能です。さらに Marketo、Salesforce、ServiceNow、Zendesk などのサードパーティアプリケーションとの連携機能はあらかじめ搭載されており、Amazon Connect のコンソールから直接利用できます。
• リアルタイム分析(利用可)Real-Time Contact Lens for Amazon Connect は、通話の最中にお客様とのやりとりに活用できる新たな機能を提供します。Contact Lens for Amazon Connect(昨年の re:Invent で発表)は、エージェントとお客様の会話内容を書き出した通話トランスクリプトの提供、プラスかマイナスのスコアで結果が出る感情分析の実行、キーワードやフレーズ、沈黙や発言タイミングの重複などの分析基準の検知によって通話の分析を支援します。提供開始以来、Contact Lens の利用により、完了した通話を簡単に分析できるため、AWS を利用するお客様から高い満足度を得ていました。さらに、ネガティブな体験を未然に防ぐため、通話中にもお客様とのやりとりに活用できる機能が欲しいとの声を受け、Real-Time Contact Lensでは、コンタクトセンターのマネージャーがこのような分析を行えるようにしました。マネージャーは、キーワード(「不満」「製品の質が悪い」「キャンセル」など)や感情分析(ネガティブな感情、声を荒げているなど)により、お客様との問題を知らせるルールを作成できます。特定の条件が揃うとリアルタイムでマネージャーにアラートが届くため、対応方針を示したり、エージェントに電話の転送を指示するといったことが可能です。なお、電話の転送時には、エージェントはリアルタイムの通話内容とあわせて、感情などの会話の詳細を次のエージェントやマネージャーに引き継げるため、次の担当者と会話する際にお客様が同じ内容を繰り返す必要はありません。Real-Time Contact Lens を活用することで、マネージャーは、お客様とのやりとりに不穏な空気が流れだした時にそれを察知し、ブランドに傷が付く前に対策を講じることができます。
• タスクの自動化と管理(利用可)Amazon Connect Tasks はコンタクトセンターのエージェント業務を自動化するとともに、フォロー、管理し、エージェントの生産性を最大 30% 向上させます。現在、エージェントの時間の半分程度が、CRM や社内独自のソリューションなどの外部アプリケーション上でのフォローアップサービス業務に費やされています。例えば、保険会社のコンタクトセンターのエージェントが新規の保険請求についてフォローアップを行う時には、メールを通じたお客様の書類収集や、申請処理アプリケーションでの案件チケットの発行、アジャスターとの面会のスケジュール調整のほか、申請の進捗状況についてお客様に知らせる必要もあります。こうした作業やフォローアップ業務の進捗を管理する際、エージェントは記憶や手書きのメモに頼ることが多々ありますが、それでは生産性が下がるだけでなく、お客様に影響のあるタスクを完全に忘れてしまうリスクもあります。Tasksは、エージェントの効率向上や、反復作業の自動化、コスト削減において企業を支援します。また、CRMアプリケーション(Salesforce、Zendeskなど)との連携機能があらかじめ搭載されているほか、自社製アプリケーションとの統合のための API も提供します。Tasks によってマネージャーは、各エージェントの能力やスキルセットをもとにタスクの分担や優先順位付けを行えます。なお、それらのタスクは、エージェントが通話やチャットのやりとりを閲覧するインターフェースと同じAmazon Connectのインターフェースに表示されます。タスクを担当するエージェントには、タスクの内容に加え、タスクの実行に必要となりえるアプリケーションへのリンクが記載された通知が届きます。また、エージェントは自身のフォローアップ業務(お客様プロフィールの更新など)を管理するためのタスクを自ら作成できます。一方、マネージャーは、エージェントの関与を必要としないタスク(申請が処理されたことをお客様に知らせる通知の送信など)を自動化するワークフローを作成し、エージェントがより多くの時間をお客様対応に割くことを可能にします。
• 発信者の認証(プレビュー利用可)Amazon Connect Voice ID は、機械学習を活用した音声解析により、発信者の本人確認をリアルタイムで行います。従来のコンタクトセンターでは情報をもとにした認証プロセスが用いられ、発信者は社会保障番号や生年月日、母親の旧姓などの個人情報に基づき、複数の質問への回答が求められていました。これは、時間が浪費される上に個人情報が悪用される懸念もありました。Voice ID は、自然な会話の流れを遮ることなく、発信者自身の声で発信者の本人確認をリアルタイムに行えます。Voice ID によって、発信者は自身の声による認証を選択することができるようになり、これにより、情報の不正利用に対するセキュリティを一層強化できることに加え、認証のためにいくつもの質問に答えるという面倒なプロセスを省略できます。電話の発信者がかかる認証を許可(オプトイン)すると、Voice ID が通話開始から数秒間のうちに発信者の話し方の特性(リズム、声の高さ、トーンなど)を解析し、発信者のデジタル声紋を作成します。その発信者が再び電話をかけた時には、申告された身元と発信者の声紋を比較し、Voice ID の確度スコアをもとに発信者を認証します。この一連の動きはすべて、エージェントが電話に出てから、発信者に身元と問い合わせ内容を聞くまでの数秒間のうちに行われます。企業があらかじめ設定した確度スコアの最低ラインを発信者が満たさなかった場合は、エージェントは、個人情報をもとにしたスクリーニングを追加で行う、あるいは不正行為の専門家に電話を転送する、といったことから本人確認を行えます。Voice ID は、リアルタイムの発信者認証によってコンタクトセンターのセキュリティを向上させるとともに、顧客体験の改善やエージェントの生産性向上を実現します。

Amazon Web Services, Inc. の Amazon Connect でジェネラルマネージャーを務めるパスクワレ・デマイオ(Pasquale DeMaio)は、次のように述べています。「Amazon Connectは、これまでの AWS の事業のなかで最も急成長しているサービスの 1 つであり、確実にお客様の支持を得ています。 Amazon Connect は、柔軟性や拡張性、コスト効率の面で最も優れ、かつ創意工夫に満ちたコールセンターサービスと言えます。その理由の1つは、機械学習が深く組み込まれた形で、完全にクラウド上で構築されているため、自動音声応答システム(IVR)やチャットボット、通話解析、感情分析などの機能を自動で管理できるためです。本日発表した Amazon Connect の 5 つの新機能は、この基盤をもとに構築されており、カスタマーサービスのエージェントは、より包括的な顧客体験を素早く提供するために必要な情報を簡単に取得できるようになります。それと同時に、優先順位をもとにエージェントの時間を最適化するほか、ブランドを毀損するような対応を未然に防ぐためにカスタマーサービスのマネージャーがリアルタイムで行動することを可能にします。」

富士通は、革新的な情報技術とサービスをグローバルに提供する企業です。最先端のデジタル技術を通じて、新しい価値を創出することで、幅広い業界や企業に対し最新のデジタル技術を提供し、グローバルに成功する事を支援しています。富士通のグローバル GDC ネットワークの代表を務めるアレックス・サンチェス(Alex Sanchez)氏は、次のように述べています。「富士通は、お客様の事業推進および事業継続のためにITサービスを通じてご支援させて頂いております。お客様により良いサービスを提供するために、当社では 5,300 名のコンタクトセンター・エージェントが Amazon Connect を活用しています。当社のエージェントは月間 30 万件のお客様対応を行いますが、それに加えて、開封済みのメールやチケットの処理などの追加作業に毎日何時間も費やしています。こうした作業は手作業で行われており、時間を要するだけでなく、重要なタスクが未完了のまま放置されることもありました。Amazon Connect Tasks の利用により、当社のエージェントは、あらゆるタスクの優先順位付けや分担、進捗管理を行えるほか、Salesforce や Amazon Lex のチャットボット、Amazon Pinpoint などの外部アプリケーションとの連携機能を使い、お客様へのフォローアップなどのタスクを自動化することができます。Amazon Connect Tasks によって、エージェントの生産性は 30% 向上すること、また、その他の Amazon Connect のイノベーションの利用により、顧客体験がさらに強化されることを期待しています。」