投稿日: Dec 10, 2021

新しい AWS Graviton3プロセッサー搭載の Amazon EC2 C7g インスタンスは、AWS Graviton2 プロセッサー搭載の現行世代 C6g インスタンスと比較して、演算負荷の高い処理において 25% 性能が向上

AWS Trainium チップ搭載の Amazon EC2 Trn1 インスタンスは、Amazon EC2 での機械学習モデルのトレーニングで、最高のコストパフォーマンスと最速を実現

Amazon EC2 Im4gn/Is4gen/I4i インスタンスは、新しい AWS Nitro SSD を搭載し、I/O 負荷の高いワークロードに最適なストレージパフォーマンスを発揮

※本プレスリリースは、2021 年 11 月 30 日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳版です。

(ラスベガス- 2021 年 11 月 30 日発表)Amazon.com, Inc. の関連会社である Amazon Web Services, Inc. は本日、自社設計チップを搭載した 3 つの新しいAmazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)インスタンスを発表しました。これにより、Amazon EC2 で実行するワークロードのパフォーマンス、コスト、エネルギー効率を大幅に向上させることができます。次世代 AWS Graviton3 プロセッサーを搭載した新しい C7g インスタンスは、AWS Graviton2 プロセッサーを搭載した現行世代の C6g インスタンスよりも、最大 25% 高いパフォーマンスを発揮します。AWS Trainium チップを搭載した新たな Trn1 インスタンスは、Amazon EC2 を利用したほとんどの機械学習モデルにおけるトレーニングで最高のコストパフォーマンスと最速のトレーニング時間を実現します。また、AWS が設計した AWS Nitro SSD(ソリッドステートドライブ)をベースにした、I/O に最適化した新たな Im4gn/Is4gen/I4i インスタンスは、Amazon EC2 で実行される I/O 負荷の高いワークロードに最適なストレージパフォーマンスを発揮します。これらのインスタンスは、AWS による自社設計のチップをベースにした新たな Amazon EC2 インスタンスの登場を告げるものであり、お客様のビジネスに不可欠なアプリケーションをさらに強化するものです。

Amazon Web Services, Inc.のAmazon EC2 担当バイスプレジデント David Brown(デビッド・ブラウン)は、次のように述べています。「AWS の自社設計のチップへの投資により、お客様の今日のビジネスに不可欠なワークロードでコストパフォーマンスの大きな改善を実現しています。お客様は新世代の EC2 インスタンスに、さらに高い性能を求めています。当社の継続的なイノベーションにより、お客様は非常に重要なワークロードを実行するための、新しくこれまでの流れを変えるようなインスタンスを他のどこよりもはるかに優れたコストパフォーマンスで利用できるようになります」

新たな AWS Graviton3 プロセッサーを搭載した C7g インスタンス: AWS Graviton2 プロセッサーを搭載した現行世代の C6g インスタンスと比較して 25% 高いパフォーマンスを発揮

DirecTV、Discovery、Epic Games、Formula 1、Honeycomb.io、Intuit、Lyft、MercardoLibre、NextRoll、Nielsen、SmugMug、Snap、Splunk、Sprinklr などのお客様は、2020 年に AWS Graviton2 ベースのインスタンスが発表されて以来、当該インスタンスを本番環境で使用することで、パフォーマンスを大幅に向上させ、コストも大幅に削減することができています。Graviton2 インスタンスシリーズでは、汎用、コンピューティング最適化、メモリー最適化、ストレージ最適化、バースト汎用、高速コンピューティングインスタンスなど、12 種類のインスタンスが提供されているため、クラウドにおけるコスト効率と電力効率に優れた演算には最適なシリーズです。ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、ゲーム、機械学習推論など、演算負荷の高いワークロードがクラウドに導入され、コンピューティング、ストレージ、メモリー、ネットワークの需要が増大するにつれ、負荷の高いワークロードを実行するために、より優れたコストパフォーマンスと電力効率が求められています。

次世代の AWS Graviton3 プロセッサーを搭載した C7g インスタンスは、AWS Graviton2 プロセッサーを搭載した現行世代の C6g インスタンスと比較して、演算負荷の高い処理で 25% の性能向上を実現します。 AWS Graviton3 プロセッサーは、前世代の AWS Graviton2 プロセッサーに比べ、科学・機械学習・メディアファイルのエンコード処理に適した浮動小数点性能が最大 2 倍、暗号化処理における性能が最大 2 倍、機械学習処理における性能が最大 3 倍向上します。AWS Graviton3 プロセッサーは、同クラスの EC2 インスタンスと比較して、同じ性能で最大 60% 省エネルギーであるため、エネルギー効率も向上します。C7g インスタンスは、最新の DDR5 メモリーを搭載したクラウド初のインスタンスで、AWS Graviton2 ベースのインスタンスと比較して 50% のメモリー処理能力が高く、科学的コンピューティングなどのメモリーを多用する用途における性能が向上しています。C7g インスタンスは、AWS Graviton2ベースのインスタンスと比較して、ネットワーク処理能力が 20% 向上しています。C7g インスタンスは、EFA(Elastic Fabric Adapter)に対応しており、アプリケーションからネットワークインターフェースカードと直接通信できるため、レイテンシーが短くなり、安定します。これにより、 HPC や映像のエンコーディングなどの並列処理を必要とする用途における性能が向上します。C7g インスタンスは、現在プレビュー版をご利用いただけます。C7g インスタンスの詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。aws.amazon.com/ec2/instance-types/c7g
(※)抄訳版注釈:DDR5 はメモリなど半導体の標準規格を策定する団体である JEDEC による次世代 DRAM の標準規格

AWS Trainium チップを搭載 Trn1 インスタンス: Amazon EC2 でのほとんどの機械学習モデルのトレーニングで、最高のコストパフォーマンスと最速のトレーニング時間を実現

ビジネスや顧客体験を変革する可能性のあるアプリケーションを強化するため、機械学習モデルを構築、トレーニング、導入するお客様が増えています。しかし、機械学習の精度を向上させるには、機械学習モデルに膨大な量のデータを学習させる必要があるため、トレーニングにかかるコストがますます高騰しています。このジレンマにより、導入する機械学習モデルの数を減らしているお客様もいます。AWS は、NVIDIA A100 Tensor Core GPU を搭載した EC2 P4d インスタンスや、Habana LabsのGaudi アクセラレーターを搭載した EC2 DL1 インスタンスなど、機械学習向けの幅広いコンピューティングに向けたサービスを提供しています。しかし、現在利用可能な最速のインスタンスを使用しても、大規模な機械学習モデルを本番環境に導入する前のトレーニングにおいては、とてつもないコストと時間がかかることがあります。

AWS Trainium チップを搭載した Trn1 インスタンスは、Amazon EC2 での機械学習モデルのトレーニングにおいて最高のコストパフォーマンスを実現するだけでなく、トレーニング時間が最速であるため、最近リリースされたP4dインスタンスと比較して、ディープラーニングモデルのトレーニングにかかるコストを最大 40% 削減できます。Trn1 インスタンスは、EFAネットワーク処理能力が 800 Gbps(最新の EC2 GPU ベースのインスタンスの 2 倍)であり、高性能ストレージの Amazon FSx for Lustre との組合せにより、EC2 UltraClusters の機能で Trn1 インスタンスを起動できます。開発者は EC2 UltraCluster を使用することで、機械学習のトレーニングを、ペタビット規模のネットワークと相互接続した 1 万以上の Trainium トレーニングアクセラレータに拡張できます。これにより、お客様がスーパーコンピュータークラスのパフォーマンスにオンデマンドでアクセスできるようになり、大規模で複雑なモデルにおいても、トレーニング時間を数か月から数日に短縮できます。Trn1インスタンスは、現在プレビュー版をご利用いただけます。Trn1 インスタンスの詳細は、以下のウェブサイトをご覧ください。aws.amazon.com/ec2/instance-types/trn1

Im4gn/Is4gen/I4i インスタンス: 新しい AWS Nitro SSD を搭載し、I/O 負荷の高い処理に最適なストレージパフォーマンスを発揮

現在、お客様はスケールアウト・トランザクションデータベースやリレーショナルデータベース(MySQL、PostgreSQLなど)、NoSQL データベース(Cassandra、MongoDB、Redisなど)、ビッグデータ(Hadoopなど)、データ分析処理(Spark、Hive、Prestoなど)といった、ローカルストレージ上のデータセットに直接アクセスする必要があるアプリケーションに、I/O に最適化した i3/I3en インスタンスを使用しています。I3/I3en インスタンスは、低レイテンシー、高 I/O パフォーマンス、および低コストでのスループットに最適化された、NVMe の SSD ベースのインスタンスストレージを提供しています。I3/I3en インスタンスのトランザクションが速いことは評価されていますが、データセットはますます増加しトランザクションも複雑化しているため、ワークロードも増大しています。このような状況において、コストを増加させないまま、さらに高い演算性能と高速なデータへのアクセスが求められています。Im4gn/Is4gen/I4i インスタンスは、I/O 負荷の高い処理のストレージパフォーマンスを最大化する設計となっています。Im4gn/Is4gen/I4i インスタンスでは、AWS が設計する AWS Nitro SSD からの最大 30TB の NVMeストレージ、前世代の i3 インスタンスと比較して最大 60% 低い I/O レイテンシーと 75% 低いレイテンシー変動を実現しており、アプリケーションパフォーマンスを最大限に高めます。AWS Nitro SSD は、ストレージスタック、ハイパーバイザー、ハードウェアの最適化により、AWS Nitro システムと緊密に統合されています。AWS は、AWS Nitro SSD のハードウェアとファームウェアの両方を管理しており、市販の SSD と比較して SSD のアップデートを迅速に提供できます。Im4gn インスタンス(本日から利用可能)は AWS Graviton2 プロセッサーを搭載しており、I3 インスタンスと比較して、コストパフォーマンスが 40% 向上しており、TB ストレージ当たりのコストを最大 44% 削減します。また、I3en インスタンスと比較した場合は、TBストレージあたりのストレージコストを最大 15% 削減し、演算性能は最大48%向上しています。Im4gn/Is4gen インスタンスの使用を開始するには、aws.amazon.com/ec2/instance-types/i4g にアクセスしてください。I4i インスタンス(近日提供予定)は、第 3 世代 Intel Scalable プロセッサー(Ice Lake)を搭載しており、現行世代の i3 インスタンスよりも、最大 55% 高いコンピューティングパフォーマンスを発揮します。I4i インスタンスの詳細は、以下のウェブサイトをご覧ください。aws.amazon.com/ec2/instance-types/i4i

Twitter は、世界で「いま」起きていることや、人々が話題にしていることで人々をつなげています。Twitter のプラットフォーム責任者である Nick Tornow(ニック・トルノー)氏は、次のように述べています「Twitter は、AWS Graviton ベースの EC2 インスタンスを活用して Twitter のタイムラインを提供するために、複数年にわたるプロジェクトに取り組んでいます。現在、さらなる効率化を実現するためのエンジニアリングの一環として、新しい Graviton3 ベースの C7g インスタンスをテストしました。Twitterのワークロードの性能を端的に示す多数ベンチマークを確認し、Graviton3 ベースの C7g インスタンスは、Graviton2 ベースの C6g インスタンスと比較して、パフォーマンスが 20~80% 向上し、テールレイテンシーも 35% も削減されていることが分かりました。今後は、Graviton3 ベースのインスタンスを活用して、大幅なコストパフォーマンスの向上を実現していきたいと思います」

1950 年に始まった F1(フォーミュラ1)は、世界で最も権威のあるモータースポーツ競技であり、最も人気のある年次スポーツイベントです。Formula 1 Management の CTO である、Pat Symonds(パット・シモンズ)氏は、次のように述べています。 「Graviton2 ベースの C6gn インスタンスによって、数値流体力学(CFD)解析処理の一部で最高のコストパフォーマンスを実現できています。また、Graviton3 C7g インスタンスは、Graviton2 C6gn インスタンスと比較して同様のシミュレーション処理において 40% 高速であることも確認できています。EFA は、このタイプのインスタンスにおいてスタンダードになると考えています。コストパフォーマンスが大幅に向上していることを考えると、Graviton3 ベースのインスタンスは、あらゆる CFD のワークロード実行にあたって最適な選択肢となっていくでしょう」

1991 年に設立された Epic Games は、フォートナイト、Unreal、Gears of War、Shadow Complex、Infinity Blade シリーズなどのゲームを制作しています。EpicのUnreal Engine テクノロジーは、PC、ゲーム専用機、モバイル、AR、VR、ウェブに、高精度でインタラクティブな体験を提供します。Epic Games のエンジニアリング担当シニアディレクター Mark Imbriaco(マーク・インブリアコ)氏は、次のように述べています。「今後、プレイヤーにますます没入感が高く魅力的な体験を提供していくため、AWS Graviton3 ベースの EC2 インスタンスを使用するのが楽しみです。当社で実施したテストの結果、非常に性能要求が高く、遅延に厳しいワークロードに適しているだけでなく、コストパフォーマンスも非常に高いため、フォートナイトや Unreal Engine で制作したあらゆるゲーム体験を拡大できることが分かりました」

Splunk は業界をリードするデータプラットフォームプロバイダーであり、データをあらゆる規模で調査、監視、分析、活用することができます。Splunk のクラウドプラットフォームおよびインフラストラクチャ担当バイスプレジデントである Brad Murphy(ブラッド・マーフィー)氏は、次のように述べています。「私たちはイベントデータの索引付けと検索に、C/C+ ベースのワークロードを実施しています。当社のワークロードは CPU の制約を受けるものであり、大容量で低レイテンシーの SSD ストレージのメリットを活かしています。AWS Graviton2 を搭載した新しい Im4gn/Is4gen インスタンスを評価したところ、現在使用している i3/I3en インスタンスと比較して、検索時間が最大 50% 減少しました。Im4gn および Is4gen インスタンスは、コストパフォーマンスを大幅に向上させ、TCO を下げることができるため、ストレージインテンシブなワークロードを実行するのに最適な選択です」