料金体系の仕組み

Amazon AppStream 2.0 は、Software-as-a-Service (SaaS) アプリケーションのストリーミング、デスクトップアプリケーションの SaaS への変換、および仮想デスクトップのユースケースに最適化された AWS エンドユーザーコンピューティング (EUC) サービスです。

Amazon AppStream 2.0 では、プロビジョニングするサービスとしてのデスクトップ (DaaS) リソースに対する料金と、選択したオペレーティングシステムに応じて、エンドユーザー 1 人あたりの少額の月額料金のみ課金されます。Amazon AppStream 2.0 の使用には、初期投資や長期契約は不要です。

ストリーミングリソースは、AppStream 2.0 の常時稼働フリートインスタンス、オンデマンドフリートインスタンス、Elastic フリートインスタンス、イメージビルダー、App Block ビルダーインスタンスで構成されます。以下の料金は、消費されるインスタンス時間ごとに設定されています。消費されるインスタンス時間の各部分は、Amazon Linux2 オペレーティングシステムを使用する Elastic フリートインスタンスに対して 1 秒ごとに課金されます。料金は、選択したインスタンスタイプ、サイズ、オペレーティングシステムによって異なります。インスタンス料金には、コンピューティング、ストレージ、ストリーミングプロトコルによって使用されるあらゆるネットワークトラフィックが含まれます。AppStream 2.0 は、フリートの使用率を監視し、フリート容量を自動的に調整して、可能な限り低コストでユーザーの需要に対応します。容量の調整は、現在の使用率またはスケジュールに基づいて定義したスケーリングポリシーに基づいて行われます。Auto Scaling は、常時稼働およびオンデマンドの両方のフリートに適用されます。詳細については、Amazon AppStream 2.0 管理ガイド Amazon AppStream 2.0 のフリートの Auto Scaling を参照してください

ユーザー料金は、ユーザーが Microsoft Windows Server オペレーティングシステムをベースとした AppStream 2.0 フリートインスタンスからアプリケーションをストリーミングする各 AWS リージョンで、ユーザーごとに毎月課金されます。 

常時稼働フリートインスタンス

Windows 常時稼働フリートインスタンスは、時間単位で課金されます。Linux 常時稼働フリートインスタンスは、1 秒単位で課金され、最低 15 分間となります。インスタンス料金には、コンピューティング、ストレージ、ストリーミングプロトコルによって使用されるあらゆるネットワークトラフィックが含まれます。常時稼働フリートでは、ユーザーが接続していない場合でも、すべての実行インスタンスに対して、インスタンスのタイプとサイズに基づいて、該当する実行インスタンス料金が発生します。

オンデマンドフリートインスタンス

Windows オンデマンドフリートインスタンスは、時間単位で課金されます。Linux オンデマンドフリートインスタンスは、1 秒単位で課金され、最低 15 分間となります。インスタンス料金には、コンピューティング、ストレージ、ストリーミングプロトコルによって使用されるあらゆるネットワークトラフィックが含まれます。オンデマンドフリートでは、インスタンスがストリーミングセッションに使用されている場合にのみ、インスタンスに対して、インスタンスのタイプとサイズに基づいて、該当する実行インスタンス料金が発生します。オンデマンドフリート内のインスタンスに対しては、ストリーミングセッションに使用されていなくても、1 時間単位で小額の料金がインスタンス停止中にも発生します。これはすべてのインスタンスタイプとサイズで共通です。Linux オンデマンドフリートインスタンスの場合、停止時間の各部分は 1 秒ごとに課金されます。

イメージビルダーインスタンス

Windows イメージビルダーインスタンスは、時間単位で課金されます。Linux イメージビルダーインスタンスは、1 秒単位で課金され、最低 15 分間となります。イメージビルダーインスタンス料金には、コンピューティング、ストレージ、ストリーミングプロトコルによって使用されるあらゆるネットワークトラフィックが含まれます。実行中のすべてのイメージビルダーインスタンスに対しては、管理者が接続していない場合でも、インスタンスのタイプとサイズに基づいて、該当する実行インスタンス料金が発生します。

Elastic フリートインスタンス

Elastic フリートのストリーミングインスタンスは 1 秒単位で課金され、最低 15 分間、ストリーミングセッションの間課金されます。料金は 1 時間あたりのインスタンス単位です。インスタンス料金には、コンピューティング、ストレージ、ストリーミングプロトコルによって使用されるあらゆるネットワークトラフィックが含まれます。

マルチセッションフリートインスタンス

AppStream 2.0 のマルチセッション機能により、1 つのインスタンスで複数のユーザーセッションを実行できます。マルチセッション機能は、常時稼働フリートとオンデマンドフリートの Windows 設定でのみサポートされます。マルチセッションインスタンスは、インスタンスごとに実行されているユーザーセッションの数に関係なく、時間単位で料金が発生します。料金には、ストリーミングプロトコルで使用されるコンピューティング、ストレージ、ネットワークトラフィックが含まれます。

App Block ビルダーインスタンス

App Block ビルダーインスタンスは、1 秒単位で課金され、最低 15 分間となります。App Block ビルダーインスタンス料金には、コンピューティング、ストレージ、ストリーミングプロトコルによって使用されるあらゆるネットワークトラフィックが含まれます。実行中のすべての App block ビルダーインスタンスに対しては、管理者が接続していない場合でも、インスタンスのタイプとサイズに基づいて、該当する実行インスタンス料金が発生します。

ユーザー料金

ストリーミングセッションが発生した当月に対して、Microsoft Windows Server オペレーティングシステムを実行しているフリートインスタンスでストリーミングセッションを開始した各ユーザーに Microsoft Remote Desktop Services Subscriber Access License (RDS SAL) 料金が課金されます。シングルセッションフリートの場合、ユーザーごとに 1 か月あたり 4.19 USD、マルチセッションフリートの場合は 6.42 USD が請求されます。ユーザーが特定の月内にマルチセッションとシングルセッションの両方を使用する場合、マルチセッション RDS SAL 料金が請求されます。ユーザーは、ストリーミングセッションへの接続に使用する認証タイプとユーザー名、およびその基盤となるフリートインスタンスがホストされている AWS リージョンによって一意に識別されます。Amazon AppStream 2.0 は、ユーザープール、SAML 2.0、ストリーミング URL (API) の 3 つの異なる認証タイプをサポートします。RDS SAL 料金は、当月にストリーミングセッションを開始した各ユーザーについて全額課金され、按分計算はされません。ユーザーが最初にストリーミングセッションを開始したのが当月の何日であったかは考慮されません。イメージビルダーまたは App Block ビルダーに接続する場合、RDS SAL 料金は請求されません。 

学校、大学、特定の公共機関では、使用するフリートの種類がシングルセッションかマルチセッションかにかかわらず、Microsoft RDS SAL ユーザー料金がユーザーごとに 1 か月あたり 0.44 USD の割引料金を享受できる可能性があります。資格要件については、Microsoft のライセンス規約およびドキュメントを参照してください。割引対象となると思われる場合は、お問い合わせください。

Microsoft ライセンスモビリティをお持ちの場合は、ご自分の Microsoft RDS Client Access License (CAL) のライセンスを持ち込んで Amazon AppStream 2.0 で使用できます。ご自分のライセンスによってカバーされるユーザーについては、月額のユーザー料金が発生しません。お持ちの Microsoft RDS CAL ライセンスを Amazon AppStream 2.0 で使用する方法の詳細については、このページをご覧になるか、Microsoft 社の担当者にご相談ください。イメージビルダーまたは App Block ビルダーに接続する場合、RDS SAL 料金は請求されません。

Amazon Linux 2 オペレーティングシステムを使用するフリートインスタンスからのストリーミングは、ユーザー料金が発生しません。

Amazon WorkSpaces シンクライアント

AppStream 2.0 は Amazon WorkSpaces シンクライアントと連携して、コスト効率が高く、管理しやすく、仮想デスクトップへの安全なアクセスを実現し、エンドユーザーと IT スタッフの生産性を向上させます。 WorkSpaces シンクライアントの料金には、WorkSpaces シンクライアントデバイスの前払い料金と、シンクライアントフリートの管理、監視、保守にかかる月額サービス料が含まれています。詳細については、WorkSpaces Thin Client の料金ページをご覧ください。

Amazon AppStream 2.0 の料金例

米国東部 (バージニア北部) リージョンを使用して stream.standard.medium イメージビルダーを起動し、アプリケーションをインストールしてイメージを作成します。そこから 2 つの stream.standard.medium フリートインスタンスから成るオンデマンドフリートをプロビジョニングします。その当月にユーザーの 1 人が SAML 2.0 認証タイプとストリーミング URL 認証タイプの両方を使用して、オンデマンドフリートからストリーミングセッションを開始します。また、同じ月に、別のユーザーが SAML 2.0 を使用してオンデマンドフリートからストリーミングセッションを開始します。 

Windows イメージビルダーとフリート

米国東部 (バージニア北部) リージョンの場合、Windows stream.standard.medium の 1 時間あたりの料金は 0.10 USD です。オンデマンド停止中インスタンス料金は 1 時間あたり 0.025 USD です。また、その当月に AppStream 2.0 Windows フリートからストリーミングセッションを開始する認証されたユーザー 1 人あたり 4.19 USD (Microsoft Remote Desktop Service Subscriber Access License (RDS SAL)) のユーザー料金が AppStream 2.0 で課金されます。管理者がイメージビルダーに接続し、イメージビルダーを使用してイメージを作成する場合は、ユーザー料金が発生しません。

100 人のユーザーが 1 日に 5 時間、週に 5 日、月に 4 週間、On-Demand AppStream 2.0 インスタンスをストリーミングし (ユーザー 1 人あたり 100 時間/月)、インスタンスがユーザー 1 人あたり 20 時間/月でプロビジョニングおよび停止すると仮定すると、月の合計コストは 1,469 USD (ユーザー 1 人あたり 14.69 USD) となります。合計コストは、(ユーザー 1 人あたり 100 時間 × 100 ユーザー × 0.10 USD/時の stream.standard.medium フリートインスタンス) + (ユーザー 1 人あたり 20 時間 × 100ユーザー × 0.025 USD/時の停止されたインスタンス料金) + (100 ユーザー × 4.19 USD の RDS SAL ユーザー料金) = 1,469 USD/月として算出されます。管理者がイメージビルダーを月に 5 時間使用する場合、5 時間 × 0.10 USD/月 = 0.50 USD の追加コストが発生します (RDS SAL ユーザー料金は適用されません)。これにより、合計コストは 1,469.50 USD/月 (ユーザー 1 人あたり 14.70 USD/月) となります。

Linux イメージビルダーとフリート

米国東部 (バージニア北部) リージョンの場合、Linux stream.standard.medium の 1 時間あたりの料金は 0.084 USD です。オンデマンド停止中インスタンス料金は 1 時間あたり 0.025 USD です。Linux インスタンスからのストリーミングはユーザー料金が発生しません。

イメージビルダーインスタンスは 3.5 時間実行されたとします。2 つのオンデマンドストリーミングインスタンスがそれぞれ 1 営業週 (45 時間) にわたって 1 日 4.5 時間ストリーミングされ、その営業週の残り (195 時間) では停止された場合、合計料金は約 8.85 USD になります。合計コストは、(45 時間 x 0.082 USD/時 の stream.standard.medium フリートインスタンス) + (195 時間 x 0.025 USD/時の停止されたインスタンス料金) + (3.5 時間 x 0.082 USD/時 の stream.standard.medium イメージビルダー) = 8.85 USD として算出されます。Amazon Linux 2 ベースのフリートインスタンスからのストリーミングには、ユーザー料金はかかりません。

AWS 料金見積りツール

AWS 料金見積りツール

Amazon AppStream 2.0 とアーキテクチャのコストを一回の見積もりで算出する

AppStream 2.0 は、合計コストの見積もりに使用できるシンプルな料金設定ツールも提供します。詳細については、AWS のデスクトップおよびアプリケーションのストリーミングに関するブログ Amazon AppStream 2.0 がシンプルな料金設定ツールをリリースを参照してください。

AppStream 2.0 Pricing Tool をダウンロード: Microsoft Excel ファイル  |  OpenOffice Calc ファイル

Amazon AppStream 2.0 料金 – 常時稼働インスタンス、オンデマンドインスタンス、イメージビルダーインスタンス

  • Windows インスタンス
  • グラフィック最適化
  • Linux インスタンス
  • グラフィック最適化

* 実行中のインスタンスにのみ課金される時間あたりの料金。イメージビルダーおよび常時稼働フリートでは、インスタンスが利用可能であれば、ユーザーが接続していなくても実行中とみなされます。オンデマンドフリートでは、インスタンスは、ユーザーが接続し、アクティブなストリーミングセッションがある場合にのみ実行中とみなされます。

Elastic フリートストリーミングセッションと App Block ビルダーの価格

  • Windows インスタンス
  • Linux インスタンス

* Elastic フリートは、ストリーミングセッションの間、1 秒単位で課金され、最低利用時間は 15 分間です。料金は 1 時間あたりのインスタンス単位です。ユーザーが Microsoft Windows Server オペレーティングシステムを使用しているストリーミングインスタンスからアプリケーションをストリーミングする場合、追加のユーザー料金が発生する場合があります。 実行中のインスタンスにのみ課金される料金。App Block ビルダーでは、ユーザーが接続していなくても、インスタンスが利用可能であれば実行中と見なすことができます。

料金の例

以下の例はすべて米国東部 (バージニア北部) の料金に基づいています。

例 1:

stream.standard.small インスタンスのタイプとサイズを使用している Microsoft Windows Server オペレーティングシステムから 3 人のユーザーにアプリケーションをストリーミングします。お客様のユーザーの当月のストリーミング時間は 32.5 時間です。この場合、料金は以下のように計算されます。

(Microsoft Windows stream.standard.small ストリーミングインスタンスの場合 32.5 時間 × 0.12 USD/時) + (Microsoft Windows RDS SAL ライセンスの場合 3 ユニークユーザー × 1 ユーザーあたり 4.19 USD) = 16.47 USD

例 2:

stream.standard.small インスタンスのタイプとサイズを使用している Amazon Linux 2 オペレーティングシステムから 1 人のユーザーにアプリケーションをストリーミングします。お客様のユーザーのストリーミングセッションの継続時間は変化します。この場合、ストリーミングセッションの料金は次のように計算されます。

ストリーミングセッション 1: アプリケーションを 5 分間ストリーミングしました。

(Amazon Linux 2 stream.standard.small ストリーミングインスタンスの場合、最低課金時間 15 分/1 時間 60 分) × 0.076 USD/時 = 0.019 USD

ストリーミングセッション 2: アプリケーションを 65 分間ストリーミングしました。

(Amazon Linux 2 stream.standard.small ストリーミングインスタンスの場合、65 分/1 時間 60 分) × 0.076 USD/時 = 0.082 USD

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