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公共分野のイノベーション加速に向けて AWS Startup Ramp を日本で開始します

アマゾン ウェブ サービス(AWS)は、行政、スマートシティ、シビックテック、ヘルスケア、サステナビリティ、宇宙などの公共分野において、課題解決に取り組むスタートアップを支援する新プログラム AWS Startup Ramp を日本で開始することを発表しました。現在、日本全国の公共機関が、地域のコミュニティが直面する課題に迅速に対処するために、スタートアップと連携して公共サービスのデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた取り組みを加速させています。

アーリーステージのスタートアップが、多様な利用者のニーズに応えるソリューションを開発し、迅速に事業をスケールさせることによって公共DXの実現に近づくことができます。しかし、公共分野において事業展開するスタートアップは、スピーディに大胆なソリューションを構築する中で、複雑な調達手続き、膨大な量の提案書の作成、時間のかかる販売サイクル、特定の認証を必要とする厳しいセキュリティ・技術要件など、さまざまな課題に直面しています。AWS Startup Ramp は、技術支援・トレーニング、コミュニティ、コネクション・Go-To-Market 支援、クレジットを提供することで、スタートアップの事業成長を支援し、公共分野のイノベーションを加速させることを目的としています。

日本での AWS Startup Ramp 提供開始にあたり、GovTech 分野の先駆者であり、全国100団体(2022年2月現在)に自治体・官公庁向けクラウドサービスを提供する Graffer, Inc. に初期メンバーとしてご参加いただいています。Graffer の CEO である石井 大地氏は次のようにコメントを寄せてくださっています。「国民を取り巻くIT環境はこの十数年で大きく変わりました。今ではほとんどあらゆるサービスが、スマートフォンを入り口としてネットワーク経由で提供されています。他方、日本における国・自治体によるIT支出は、旧来型のシステムの保守・運用費用にその大半が費やされていることが長らく問題視されてきました。クラウドの活用によって、インフラの保守・運用にかかるトータルコストを減らしながら、国民一人ひとりにとって最適な行政サービスを迅速にデリバリーできるようになるでしょう。AWS Startup Ramp を通じ、より多くのスタートアップが公共領域に参画することで、より良い行政サービスを高いコストパフォーマンスで提供できるようになることを期待しています」

アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 執行役員 パブリックセクター 統括本部長 宇佐見 潮は次のように述べています。「AWS Startup Ramp の日本での提供開始は、行政、スマートシティ、シビックテック、ヘルスケア、サステナビリティ、宇宙などの分野でスタートアップを支援し、地域や都市のイノベーションを加速させるでしょう。日本におけるスタートアップの資金調達額は年々増加しており、起業家に対する期待値の高まりを表しています。AWS Startup Ramp は、公共機関がスタートアップと共にイノベーションを起こし、課題に対するソリューションを迅速に構築、展開する機会を提供します。日本の公共DXの担い手としてスタートアップに期待が高まる中、クラウドを活用するスタートアップが公共機関と連携することで、市民のニーズに応えることができると考えています」

AWS Startup Ramp の参加条件とベネフィットについて

AWS Startup Ramp は、行政、スマートシティ、シビックテック、ヘルスケア、サステナビリティ、宇宙などの公共分野において事業展開する、創業10年以内、年間売上高1,000万USD以下のスタートアップを対象としています。

  • 技術支援・トレーニングコンテンツ: AWS ソリューションアーキテクトとの個別技術相談、テクニカルアーキテクチャーレビュー、人工知能・機械学習(AI/ML)スペシャリストによるセッション、アマゾンの製品開発プロセス(Working Backwards)ワークショップなど、技術・ビジネスにフォーカスした支援やトレーニングコンテンツをご提供します。
  • コミュニティ:日本では、Innovation Dojo Japan と共に、公共分野のスタートアップをサポートする人々や組織を集めたコミュニティを形成し、AWS Startup Ramp メンバーに参加していただきます。コミュニティはアクセラレーター、インキュベーター、投資家、アントレプレナーシップセンター、テクニカルパートナー、マーケティング、ブランド、デザイン、法務などのコンサルタントなどで構成される予定です。また、スタートアップチーム相互のピアラーニングの機会をご提供します。
  • コネクション・Go-To-Market 支援Code for Japan 、 Urban Innovation Japan などのコラボレーターや AWS のグローバルネットワークとの連携により、AWS Startup Ramp メンバーの Go-To-Market をご支援するコネクションの機会や、AWS 主催のマーケティング活動と連動した認知度向上の機会をご提供します。
  • クレジット: 最大10万USDの AWS 無料利用クレジットをご提供します。プロダクトの実証実験やイノベーションのためにご利用いただけます。

日本の公共分野のスタートアップコミュニティの皆様から、次のようにコメントをいただいています。

Innovation Dojo Japan CEO ジョシュア・フラナリー氏
「AWS Startup Ramp は、世界水準のサービスを起業家が利用できるようにするとともに、スタートアップが行政と協業する機会を提供するという Innovation Dojo Japan のミッションと合致しています。AWS Startup Ramp は、スタートアップ コミュニティのためにリソースとコネクションを構築することを目的としており、私たちにとってこれ以上有意義な取り組みはありません」

Code for Japan CivicTech Accelerator Program プログラムディレクター 山崎 清昭氏
「AWS Startup Ramp は、CivicTech 並びに GovTech の領域を手掛けるスタートアップが、更に加速する良いきっかけになると期待しています」

Urban Innovation Japan 代表理事 吉永 隆之氏
「AWS Startup Ramp によって、スタートアップが自治体向けソリューションを構築しやすくなり、より多くのスタートアップが公共分野の課題解決に取り組めるようになることを期待しています」

Graffer CEO 石井 大地氏
「AWS Startup Ramp メンバーが、公共分野にクラウドサービスを展開する際のインフラやアプリケーションのアーキテクチャに関するベストプラクティスを各社で共有できるようになることを期待しています」

これまでの AWS のスタートアップ支援

AWS はスタートアップが創業初期の段階からその成功にコミットし、サポートしてきた歴史があります。AWS Startup Ramp は昨年、7月にインド、9月に東南アジア・韓国で開始され、メンバーの公共部門向けソリューションの開発と事業の成長をサポートすることに注力してきました。AWS は2013年より、スタートアップが迅速に AWS を使い始めるためのツールやリソースを提供する AWS Activate を提供しています。AWS Startup Ramp と Activate の両方に関心があり、公共分野担当からのサポートをご希望される場合は、Activate にお申込みの際に、対象顧客として「公共部門の組織」を選択することができます。AWS Startup Ramp が日本で開始されることで、スタートアップや公共機関の熱意を持った方々が、公共分野の課題解決に取り組めるようになることを期待しています。

AWS Startup Ramp への参加お申込み

まずは、AWS Startup Ramp お申込みリクエストフォームにオンラインでご記入ください。フォームご記入後に表示される、「AWS Startup Ramp 申込書」を指定のアドレスにメールでご提出いただくことで、ご応募が完了します。AWS Startup Ramp プログラムでの活動にご興味のあるスタートアップは、通年でプログラムに応募することができます。

AWS Startup Ramp 1st Batch セッション (2022年 4月 7日締め切り)

AWS Startup Ramp 1st Batch セッションとして、2022年前半に任意でご参加いただけるバーチャル形式の様々なセッションを実施します。公共部門のセキュリティ、AI/ML、アーキテクチャの基礎などの技術系セッションや、メッセージング、顧客開発、マーケティングなどのビジネスセッションに、スキルやご関心に応じてご参加いただけます。AWS Startup Ramp 1st Batch セッションに参加をご希望される場合は、2022年 4月 7日 までにお申し込みを完了してください。

プログラム説明ウェビナーにご参加ください

AWS Startup Ramp の詳細にご興味がある方は、2022年 3月 18日 に予定されているプログラムの説明ウェビナー「スタートアップが公共分野に参入するには?AWS Startup Ramp の活用方法」こちらからご登録ください。

ソーシャルメディアで、#StartupRamp のハッシュタグをフォローして Startup Ramp コミュニティとつながり、日本の未来を一緒に作っていきましょう。ご不明な点がございましたら、こちらからお問い合わせください。ご応募をお待ちしております。

このブログは、AWS パブリックセクター 事業開発マネージャー(Startup)である岩瀬 霞と、AWS Startup Ramp の Global Business Development Lead である Renee Berry が寄稿しています。