Amazon Web Services ブログ

LGWAN経由でAWSサービスを活用する方法

アマゾン ウェブ サービス ジャパンが2019年に公開した調査レポート「自治体におけるクラウド活用の現状」によると、自治体によるクラウド活用は「業務効率化システム」「市民向けサービス」が先行していますが、一部の自治体では「基幹系システム」での活用も始まっており、あらゆる業務領域で活用されるようになってきています。
しかしながら、現状各自治体で施行されている3層分離(インターネット系、内部情報系(LGWAN)、番号事務系(基幹系)でネットワーク層を分離する)を踏まえると、依然として多くの自治体はインターネットに接しない内部情報端末で主たる事務をされておりSaaSやクラウドが利用しづらい環境があります。2020年5月に総務省から公表された「自治体情報セキュリティ対策の見直しについて」において、3層ネットワーク分離の見直しの方向性が示されており、SaaSやクラウドが利用しやすくなる方向と期待されています。一方で、見直しに含まれるβモデル等に切り替えるには運用設計を踏まえた変更が伴うため実現には数年かかる自治体も多いでしょう。また、財政面が厳しい自治体にとっては、地方からクラウドへのネットワーク費用も課題として挙げられます。そこで、全国自治体が接続している既設の閉域ネットワーク網であるLGWANを活用したデータ連携、SaaS利用が1つの選択肢となります。

LGWAN-ASP経由でAWSサービスを活用する方法として、複数のAPNパートナーが提供している接続サービスを選択することが可能です。2020年11月には、株式会社BSNアイネット様によるiNET Cloud Gateway for LG「AWS 接続サービス」がリリースされました。
iNET Cloud Gateway for LG 「AWS接続サービス」は、全国自治体が利用するLGWANを介してAWSのマネージドサービスへ迅速、セキュアに接続するサービスです。 利用者となる自治体は、AWSアカウントを用意するだけで、一定期間、専用線、LGWAN接続、ゲートウェイ費用を負担することなく、オブジェクトストレージ「Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)」、ビジネスインテリジェンスサービス「Amazon QuickSight」、インタラクティブなクエリサービス「Amazon Athena」、デスクトップストリーミングサービス「Amazon AppStream 2.0」などのLGWAN-ASP承認を得たAWSサービスを利用することが可能であり、庁内データレイクとして閉域経路で機微なデータの保管および分析といった取り組みを推進することが容易になります。AWS上に保管するデータの所有権は利用者にありますから、利用終了時には利用者自身でデータを消去または移行することが可能です。
※AWSの利用料金はAWSアカウント所有者に請求されます。

LGWAN経由でAWSマネージドサービスの利用

 

AWSパブリックセクターでは、自治体様および開発会社(SIer)様がクラウド導入において検討が必要となる自治体特有のセキュリティ面の整理や、LGWAN-ASPと連携した設定方法などAWSサービスについての最適な利用方法に関わる技術サポートについて、お問い合わせ窓口をご用意いたしました。益々注目が高まる行政サービスのデジタル化と国民の利便性の向上に寄与できる取り組みとして、AWSのパブリックセクターで培ったノウハウと経験を提供していきます

問い合わせ窓口: lg-smartcity@amazon.co.jp

このブログは、アマゾンウェブサービスジャパン株式会社 パブリックセクター ソリューションアーキテクト 豊原 啓治が執筆しました。