サプライチェーン全体でのコラボレーション

2021 年 4 月、Bayer と Bushel は、農場単位で収集された炭素データをサプライチェーンの下流のメンバーが利用できるようにして、規制遵守と持続可能な調達およびビジネス慣行を示すというコンセプトで AWS にアプローチしました。

Bayer、Bushel、AWS は、Amazon の Working Backwards (目的から遡って考える) イノベーションプロセスを使用して、農産物であるトウモロコシがサプライチェーンを移動する際にそのトウモロコシによって「運ばれる」炭素の包括的なビューをエタノール生産者に提供できるソリューションを生み出しました。 

このプロセスは、グループが具体的な顧客である米国のエタノール生産者の調達チームを特定し、このチームが望むであろうソリューションとエクスペリエンスを想像することから始まりました。その後、AWS Digital Innovation チームは、Bayer と Bushel のリーダーとともに、そのビジョンを用いて、将来のソリューションとそれが顧客にどのように体験されるかを説明する模擬プレスリリース、よくある質問、およびビジュアルを作成しました。

チームは 10 週間のプロセスを実行して、プレスリリースの約束の実現に資する概念実証を構築しました。同時に、Bayer、Bushel、AWS は、エタノール生産者に、最初の顧客として参加し、そのソリューションに関するフィードバックを提供してもらうよう依頼しました。

Project Carbonview は 2021 年 12 月に発表されました。このソリューションにより、米国のエタノール生産者は、トウモロコシが作付けされた瞬間から、サプライチェーン全体に沿って炭素排出量を追跡できるようになります」Bayer は、各フィールドのカーボンフットプリントを特定します。これは、はるかに広い期間に及び、開始点 (種まきの時点など) で区別されません。

Working Backwards (目的から遡って考える) プロセスの一環として作成されたプレスリリースは、全体的なプロジェクトで、全員が同意した結果に焦点を合わせたものとしました。その後、複雑さと課題が必然的に発生するにつれて、このプレスリリースは全体的な目標 (顧客が希望するもの) を常に思い出させるものとして機能し、チームの進むべき方向がぶれないようにするのに役立ちました。また、試験運用に参加したステークホルダーや顧客と Project Carbonview のビジョンを共有するための効果的な手段ともなりました。

農家は、下流のサプライチェーンでの排出を最小限に抑えることで、気候変動との戦いに貢献できます。Carbonview は、農家が生産、収穫、輸送の慣行を変更して、実装の初年度から Scope 3 の排出量を削減する機会を特定するのに役立ちます。エタノール生産者と持続可能な生産を行う農家を結びつけます。また、農家、穀物会社、エタノール生産者、食品メーカーが自社のサプライチェーンを理解し、顧客により優れたサービスを提供するのに役立ちます。

Carbonview は、2022 年のシーズン中に米国のトウモロコシ生産者の協力を得て試験運用される予定です。これは、エタノール生産者が、自社で購入したトウモロコシの排出量の寄与を報告するのに役立ちます。