AWS コストを管理する

チュートリアル

概要

このチュートリアルでは、AWS 無料利用枠を使用して AWS のサービスを試しながら、コストを管理する方法を説明します。さらに、AWS Budgets を使用してコスト予算を設定し、使用量に関連するコストをモニタリングする方法も説明します。

AWS 無料利用枠は、無料で AWS の製品とサービスを実際に体験できる割引プログラムです。すべての新しい AWS アカウントには無料利用枠が含まれています。このため、無料利用枠にサインアップしなくても、1 日目からワークロードを構築するために必要なサービスを試すことができます。無料利用枠は 100 以上のサービスで提供されており、手ごろなコストまたは無料でさまざまなサービスを試すことができます。

多くのお客様にとって、サービスの使用量と関連するコストをモニタリングしながら、AWS を試したり、AWS の使用を拡大したりすることが最たる懸念事項となっています。無料利用枠の使用量のしきい値や全体的な予算を超えないようにするには、AWS Budgets を使用することをお勧めします。AWS Budgets のコスト管理機能を使用すると、予算のしきい値を超えたときに警告するカスタムコスト予算を作成できます。このチュートリアルでは、AWS 無料利用枠の内容や、AWS Budgets でどのように無料利用枠の使用量がデフォルトでモニタリングされるのか、また予算を超えた場合 (または超えることが予想される場合) に警告する月間総コスト予算を作成する方法を説明します。

ベストプラクティスとして、使用する AWS アカウントごとに月間総コスト予算を作成することをお勧めします。AWS 予算の無料利用枠は 1 か月あたり 62 の予算日であるため、AWS 無料利用枠内で 1 つの予算を作成できます。名前のとおり、AWS 無料利用枠の対象となるサービスは、無料で利用できます。

実行する内容

このチュートリアルでは、以下の方法を学びます。

  • 無料利用枠の仕組み
  • 支出と使用状況の確認
  • コスト予算の設定

前提条件

このチュートリアルを開始する前に、以下のものが必要です。

  • AWS アカウント: まだお持ちでない場合は、AWS 環境の設定チュートリアルに従って概要を確認してください。

 AWS の使用経験

初心者

 所要時間

10 分

 完了までのコスト

無料利用枠の対象

 必要なもの

  • AWS アカウント
  • 推奨ブラウザ: Chrome または Firefox の最新バージョン

[**] 過去 24 時間以内に作成されたアカウントは、このチュートリアルに必要なサービスへのアクセス権限がまだ付与されていない可能性があります。

 最終更新日

2022 年 8 月 23 日

ステップ 1: AWS 無料利用枠を調べる

a.AWS 無料利用枠のページにアクセスする

無料利用枠のページを開きます。このステップバイステップガイドは開いたままにしておいてください。[AWS Free Tier] (AWS 無料利用枠) ページの [AWS Free Tier Details] (AWS 無料利用枠の詳細) 見出しの下にある [12 months free] (12 か月間無料) リンクを選択します。

b.12 か月間の無料利用枠を詳しく見る

これらの無料利用枠は、AWS の新規のお客様のみが対象であり、AWS にサインアップした日から 12 か月間ご利用いただけます。12 か月間の無料利用の有効期限が切れた場合、またはアプリケーション使用量が無料利用枠を超えた場合は、標準の料金、つまり従量制料金をお支払いください (料金の詳細については、各サービスのページをご覧ください)。

AWS アカウントにサインアップしてから最初の 12 か月間、ある程度の使用量を無料で利用できるサービスには、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)Amazon Elastic Block Store (Amazon EBS)Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) などのさまざまなサービスがあります。

c.[Always free] (常に無料) ページにアクセスする

常に無料で利用できるサービスを確認するには、[AWS Free Tier] (AWS 無料利用枠) ページで [Always Free] (常に無料) リンクを選択します。

d.無期限無料サービスを詳しく見る

名前のとおり、これらの AWS 無料利用枠は、12 か月間の AWS 無料利用枠の期間が終了しても自動的に期限切れになることはありません。AWS のすべてのお客様がご利用いただけます。
 

人気の無期限無料サービスには、AWS LambdaAmazon DynamoDBAmazon CloudWatch、その他多くの便利なサービスをある程度無料で利用できることが含まれます。

e.[Free trials] (無料トライアル) ページにアクセスする

無料トライアルを提供しているサービスを確認するには、AWS 無料利用枠ページで [Free trials] (無料トライアル) リンクを選択します。

f.トライアルを利用できるサービスを詳しく見る

トライアルでは、指定の期間または指定のオペレーション数に達するまでサービスを使用できます。
 
人気のトライアルには、 Amazon SageMakerAmazon GuardDutyAmazon Redshift などのさまざまなサービスが含まれます。

ステップ 2: AWS にサインアップする (またはサインインする)

このチュートリアルでは AWS 請求コンソールを使用しますが、それに関して追加料金は発生しません。このチュートリアルで作成するリソースは無料利用枠の対象です。右側のボタンとリンクをクリックすると、AWS コンソールでこのチュートリアルを続行するための新しいタブが開かれます。

アカウントをお持ちですか? サインイン

ステップ 3: コストと無料利用枠の使用量を確認する

このステップでは、AWS 請求コンソールを使用して全体的な AWS のコストと無料利用枠の使用量を確認します。

a.請求ダッシュボードにアクセスする

アカウントにログインしたら、アカウントのメニューから [Billing Dashboard] (請求ダッシュボード) を選択します。

b.請求ダッシュボードを確認する

[AWS Billing Dashboard] (AWS 請求ダッシュボード) ページに移動すると、[AWS Summary] (AWS の概要) セクションに 1 か月間の費用の概要が表示されます。また、[Cost trend by top five services] (上位 5 件のサービスごとのコストの傾向) セクションでは、最近クローズされた 3~6 回の請求期間の上位 5 つのサービスのコスト傾向を確認できます。

c.無料利用枠のすべての使用量を確認する

無料利用枠の対象となる使用量の詳細を確認するには、左側のナビゲーションペインから [Free Tier] (無料利用枠) を選択します。

d.無料利用枠のすべての使用量を分析する

[AWS Free Tier] (AWS 無料利用枠) ページの [Summary] (概要) セクションには、無料利用枠のすべてのサービスの使用量が一覧表示されています。[Current usage] (現在の使用量) に加えて、月末までに予測されるサービス使用量の詳細が [Forecasted usage] (予測使用量) 列に表示されます。

スクリーンショットの例では、EC2 の予測使用量は 2 GB/月です。無料利用枠を超えた分の使用量は、通常、請求対象となります。

e.AWS 無料利用枠の使用量制限の E メールアラートを変更する

デフォルトでは、ほとんどのアカウントでは、サービスの使用量が無料利用枠の使用量制限の 85% を超えた場合に AWS 無料利用枠の使用量制限 E メールアラートを受信することを自動的にオプトインしています。
 
この E メールアラートを受信するユーザーを変更するには、ナビゲーションバーから [Billing Preferences] (請求設定) を選択します。
 
無料利用枠の使用量アラートを受信することを他のユーザーでオプトインするには、 [Email Address] (E メールアドレス) フィールドにそのユーザーの E メールアドレスを追加し、 [Save preferences] (設定の保存) を選択します。

 

ステップ 4: コスト予算を設定する

このステップでは、AWS Budgets を使用して AWS 請求コンソールでコスト予算を設定します。コスト予算の一部として、3 つの通知を設定します。1 つ目の通知はコストが予算の 80% に到達した場合、2 つ目の通知はコストが予算を超えることが予想された場合、3 つ目の通知はコストが予算を超えた場合に送信されるように設定します。

a.予算を作成する

左側のナビゲーションメニューから [Budgets] (予算) を選択し、次に [AWS Budgets console] (AWS Budgets コンソール) ページで [Create a budget] (予算の作成) を選択します。 

b.予算タイプを選択する

[Choose budget type] (予算タイプを選択) ページの [Budget types] (予算タイプ) で [Cost budget] (コスト予算 ) を選択します。

c.予算の詳細を設定する

[Set your budget] (予算を設定) ページで、 [Budget name] (予算名) フィールドを 「MyMonthlyBudget」と編集します。
 
[Set budget amount] (予算額を設定) セクションでは、 [Period] (期間)、[Budget renewal type] (予算更新タイプ)、[Start month] (開始月)、および [Budgeting method] (予算設定方法) をデフォルトのままにします。 [予算額 (USD) を入力してください] フィールドに 100 USD と入力します。
 
[Budget scope] (予算の範囲) セクションでは、これらの機能を使って、AWS のサービス、連結アカウント、タグ、その他の使用ディメンションの特定の組み合わせに関連するコストを追跡する予算を作成できます。このチュートリアルでは、デフォルト値のままにしておき、 [Next] (次へ) を選択します。

 

d.実際のコストが予算の閾値の 80% を超過したときのアラートの設定をする

[Configure alerts] (アラートの設定) ページでは、予算条件が満たされたときにお客様や他のユーザーが AWS Budgets から E メールを受け取るように設定できます。
 

[Add an alert threshold] (アラートしきい値を追加) を選択します。

スクリーンショットに示すように、実際のコストが予算額の 80% を超えたときにアラートが発されるように設定します。自分の E メールアドレスとこのアラートを受け取る必要がある他のユーザーの E メールアドレスを [Email recipients] (Email 受信者) フィールドに追加します。

e.実際のコストが予算を超えた場合のアラートを設定する

[Configure alerts] (アラートの設定) ページから、[Add alert threshold] (アラートしきい値を追加) を選択します。

スクリーンショットに示すように、予測コストが予算額の 100% を超える場合にアラートが発されるように設定します。自分の E メールアドレスとこのアラートを受け取る必要がある他のユーザーの E メールアドレスを [Email recipients] (Email 受信者) フィールドに追加します。

f.実際のコストが予算を超えた場合のアラートを設定する

[Configure alerts] (アラートの設定) ページから、 [Add alert threshold] (アラートしきい値を追加) を選択します。

実際のコストが予算額の 100% を超えた場合に通知を受け取れるようにアラートを設定します。自分の E メールアドレスとこのアラートを受け取る必要がある他のユーザーの E メールアドレスを [Email recipients] (Email 受信者) フィールドに追加します。

g.アクションをアタッチするする (オプション)

[Attach actions] (アクションをアタッチ) ページを表示するには、[Next] (次へ) を選択します。

 

予算アクションを作成することで、コスト削減策を定義して実行し、コスト意識の高い文化を強化できます。アラートしきい値を超えたときに実行されるアクション (EC2 インスタンスを停止して追加コストが発生しないようにするなど) をアタッチすることもできます。アクションをアタッチするアラートを選択し、アクションを定義できます。 

[Review] (確認) ページで予算の詳細を確認するには、[Next] (次へ) を選択します。

予算を確認し、 [Create budget] (予算を作成) を選択して予算とアラートを作成します。
 
予算が作成されたら、作成した AWS Budgets のリストが表示されます。ベストプラクティスとして、使用する AWS アカウントごとに月間総コスト予算を作成することをお勧めします。
 
AWS 予算サービスの無料利用枠内で 1 か月あたり最大 62 の予算日を作成できます。その後、この制限を超えて作成した予算については、従量制料金でお支払いいただきます。

 

h.新しい予算を調べる

予算の詳細をさらに掘り下げるには、新しい予算を選択します。

ここでは、予算詳細の表示、予算実績サマリーの入手、過去の予算実績を詳しく調べることができます。

まとめ

おめでとうございます。 これで、「AWS コストの管理」のチュートリアルは終了しました。 

無料利用枠の使用量を分析し、AWS Budgets を使用して月間総コスト予算を作成できました。AWS 請求コンソールを使用すると、AWS 無料利用枠の使用量制限 E メールアラートや AWS Budgets など、コストと使用量をよりよく理解するのに役立つさまざまなツールを利用できます。AWS 無料利用枠では、AWS の製品やサービスを無料で実際にお使いいただけます。

以下に記載された次の手順のセクションに従って、AWS でのジャーニーを続けましょう。

このページはお役に立ちましたか?

次のステップ