AWS パートナーである Databricks が Rivian の電気輸送の未来への取り組みをサポート
エグゼクティブサマリー
Rivian は、革新的な Electric Adventure Vehicles (EAV) で未来の世代のために自然界を保護しています。道路上の 11,000 台以上の EAV が 1 日あたり何テラバイトものモノのインターネット (IoT) データを生成している同社は、Amazon Web Services (AWS) 上で稼働している Databricks のデータインサイトと機械学習 (ML) を活用して、車両の状態とパフォーマンスを向上させています。しかし、従来のクラウドツールでは、Rivianはパイプラインを費用対効果の高い方法でスケールするのに苦労し、メンテナンスに多大なリソースを費やしていたため、真にデータ主導型になる足かせになっていました。Databricks Lakehouse Platform に移行して以来、Rivian は車両の性能と、車両を使うドライバーにどのような影響を与えるかを把握できるようになりました。これらのインサイトをもとに、Rivian はより迅速にイノベーションを起こし、コストを削減して、最終的には顧客により良いドライビングエクスペリエンスをもたらしています。
レガシープラットフォームでデータを民主化する苦労
将来の世代が引き続き楽しめる世界を構築するには、世界を動かす方法を変える必要があります。この動きの最前線にいるのが、電気自動車メーカー Rivian です。同社は、地球のエネルギーと輸送システムを化石燃料から完全に移行することに重点的に取り組んでいます。今日、Rivian が提供する車両には個人用乗用車などがあり、Amazon とのパートナーシップにより 10 万台の商用バンを提供しています。各車両は IoT センサーとカメラを使用して、車両の運転方法からさまざまな部品の機能に至るまで、PB 単位のデータを収集します。Rivian はこのすべてのデータと ML を使用して、予測メンテナンスを行い、問題となり得る事象がドライバーに影響を及ぼす前に対処することで、全体的なカスタマーエクスペリエンスを改善しています。
Rivian は最初の EAV を出荷する前から、データの可視性とツールの制限に直面しており、その結果、生産性が低下し、コラボレーションが妨げられ、運用コストが増大していました。同社には、運用が複雑な大規模コンピューティングクラスターが常時 30~50 個存在し、コストがかさんでいました。システムの管理が難しいだけでなく、クラスターの停止も頻繁に発生し、
チームはデータ分析よりもトラブルシューティングに多くの時間を費やさざるを得ませんでした。さらに、ばらばらのシステムによってデータサイロが生み出されたことにより、データの共有が遅くなり、生産性の問題がさらに悪化しました。必要なデータ言語と、ツールセットの特定の専門知識が参入障壁となり、デベロッパーは利用可能なデータを最大限に活用することができずにいました。Rivian の Principal Data Scientist である Jason Shiverick 氏は、最大の問題はデータアクセスであると述べています。「技術に詳しくない、より幅広いユーザーにデータを公開して、これらのユーザーも簡単にデータを活用できるようにしたいと考えました」。
Rivian は、EAV が市場に投入されれば、取り込まれるデータの量が爆発的に増加することを認識していました。約束した信頼性とパフォーマンスを実現するために、Rivian はデータアクセスを民主化するだけでなく、信頼性が高く、楽しいドライビングエクスペリエンスを実現するのに役立つ革新的なソリューションを構築するための共通プラットフォームを提供するアーキテクチャを必要としていました。この分野での専門知識を高く評価して、Rivian は AWS パートナーである Databricks と AWS をパートナーおよびクラウドプロバイダーとして選びました。

当社は Databricks Lakehouse を利用することで、組織全体でデータアクセスの参入障壁を下げ、世界でも極めて革新的で信頼性の高い電気自動車を構築できるようになりました”
Wassym Bensaid 氏
Rivian、Vice President of Software Development
Databricks Lakehouse を利用したメンテナンスの問題の予測
Rivian はデータインフラストラクチャをモダナイズするために、AWS と Databricks が連携して生み出した Databricks Lakehouse プラットフォームを選びました。この強力なプラットフォームにより、Rivian はすべてのデータを共通のビューに統合して、下流の分析と ML で使用できるようになりました。現在、独自のデータチームは、AWS Direct Connect、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)、Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS)、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) などのツールを通じて、予知保全からよりスマートな製品開発まで、さまざまなユースケースのために実用的なインサイトを提供するさまざまなツールを使用できます。
Rivian の先進運転サポートシステム (ADAS) チームは、すべての EAV の動作を理解するために、テレメトリ加速度計データを簡単に準備できるようになりました。このコア記録データには、ピッチ、ロール、速度、サスペンション、エアバッグの動作に関する情報が含まれており、Rivian が車両のパフォーマンス、運転パターン、コネクテッドカーシステムの予測可能性を理解するのに役立ちます。これらの主要なパフォーマンスメトリクスに基づいて、Rivian はスマート機能の精度とドライバーによる制御を改善できます。 長距離ドライブや渋滞時の運転のストレスを軽減するように設計された、アダプティブクルーズコントロール、車線変更サポート、自動緊急運転、前方衝突警告などの機能は、時間が経過する中でその性能を高め、顧客のドライビングエクスペリエンスを継続的に最適化できます。
また、安全なデータ共有とコラボレーションも、Databricks Unity Catalog によって促進されました。Shiverick 氏は、レイクハウスの統合ガバナンスが Rivian の生産性にどのような利点をもたらすのかについて説明しています。「Unity Catalog により、さまざまなすべてのチームにわたって真に一元化されたデータカタログを実現できます」と同氏は述べています。「これにより、適切なアクセス管理とコントロールを実現できました」。 Venkat 氏はさらに次のように述べています。「当社は Unity Catalog を利用して、さまざまなチームやワークスペース間でデータカタログとアクセス管理を一元化しています。これにより、ガバナンスが簡素化されました」。 エンドツーエンドのバージョン管理されたガバナンスと、機密データソース (自動運転システムで使用されるものなど) の監査可能性により、特徴量エンジニアリングのためのシンプルでありながら安全なソリューションを実現できます。これにより、Rivian は、自動運転市場で大きな利益を上げるための競争で競争上の優位性を獲得しています。

電動化された持続可能な世界に向けた加速
Databricks と AWS のコラボレーションにより、Rivian は、迅速に、高い効率とコスト効率で、有益なデータインサイトを提供する能力をスケールできました。Rivian は、より多くのデータを活用して運用と車両のパフォーマンスを改善し、カスタマーエクスペリエンスを改善する準備ができています。Venkat 氏は次のように述べています。「Lakehouse が提供してくれる柔軟性により、クラウドの観点から多くのコストを節約でき、これは当社にとって大きな利点です」。 AWS での Databricks Lakehouse はデータと分析に対する統一されたオープンソースアプローチを提供するため、Vehicle Reliability Team は人々が車両をどのように使用しているのかをより良く理解できます。このことは、次世代の車両の設計が十分な情報に基づいてなされるようにするのに役立ちます。Databricks Lakehouse Platform を活用することで、実行時のパフォーマンスが 30%~50% 改善し、インサイトの取得とモデルパフォーマンスの高速化につながりました。
Shiverick 氏は次のように説明しています。「信頼性の観点から、当社は、コンポーネントが適切なライフサイクルに確実に耐えられるようにできます。ドアハンドルが継続的な使用に耐えられるほど十分に頑丈であるようにする、という程度のシンプルさであることもあれば、現場での故障の可能性を排除するための予測的および予防的メンテナンスのように複雑であることもあります。一般的に言えば、当社はより良いカスタマーエクスペリエンスを実現するために、車両に関する主要なメトリクスに基づいてソフトウェアの質を改善しています」。
設計最適化の観点から見ると、Rivian の制約のないデータビューは、車両の正常性、安全性、安定性、セキュリティを改善できる新しい診断情報も生成しています。Venkat 氏は次のように述べています。「リモート診断を実行して問題を迅速にトリアージしたり、モバイルサービスを導入したり、場合によっては OTA を送信してソフトウェアの問題を解決したりできます。これらのすべてで、データについての高い可視性が必要となりますが、これは当社のパートナーシップとプラットフォーム自体の統合によって可能となりました」。 デベロッパーはアクティブに車両ソフトウェアを構築して、その過程で問題を改善しています。
今後に向けて、Rivian ではさまざまなチームで Databricks Lakehouse が急速に導入されており、プラットフォームユーザー数はわずか 1 年で 5 人から 250 人に増加しています。これにより、AWS の ML を使用して低温時のバッテリー効率を最適化する、自動運転システムの精度を高める、車両状態ダッシュボードを商用デポに提供して、早期および継続的なメンテナンスを行うなど、新しいユースケースが可能となりました。より多くの EAV が出荷され、使用される商用バンが増える中で、Rivian は EAV によって生成された膨大なデータを活用し、持続可能な輸送に革命を起こす新しいイノベーションとドライビングエクスペリエンスを提供し続けます。

Rivian について
Rivian は、地球がカーボンニュートラルなエネルギーと輸送手段に移行するのに役立つ製品とサービスを生み出すために存在します。同社は、新たなカテゴリを生み出す電気自動車とアクセサリを設計、開発、製造し、消費者市場と商業市場の顧客に直接販売しています。Rivian は、車両のライフサイクル全体に対応し、顧客との関係を深める独自の付加価値サービスの完全なスイートで車両を補完しています。
利用している AWS のサービス
利点
- 速度、効率、コスト効率に優れた有益なデータインサイトを提供するためにキャパシティをスケールします。
- 柔軟性
- 信頼性
- 設計の最適化
AWS パートナーである Databricks について
Databricks は、データウェアハウスとデータレイクをレイクハウスアーキテクチャに統合します。Comcast や Condé Nast、Fortune 500 企業の 50% 超を含む世界中の 9,000 を超える組織が、データ、分析、AI の統合に Databricks Lakehouse Platform を活用しています。Databricks はサンフランシスコに本社を置き、世界中にオフィスを構えています。Apache Spark™、Delta Lake、MLflow を生み出した人々によって設立された Databricks のミッションは、データチームが世界でも極めて困難な問題を解決できるようにサポートすることです。
公開: 2023 年 5 月