早い段階で質問をサポートに投げ、そこから問題を掘り下げていくことができます。それで大きな問題になる前に解決できることも。そんなやり取りを気軽にできる AWS のサポートは、我々の開発スタイルにかなり合っていると思います。ビジネスサポートを利用してから、AWS との関係性が以前より密になり向上しています。 
松田 和樹 氏 株式会社インティメート・マージャー 開発本部 テックリード

株式会社インティメート・マージャーは、DMP(データ・マネージメント・プラットフォーム)の専業会社として 2013 年 6 月に設立されました。DMP は蓄積したオーディエンスデータを使い、適切な人に適切な広告をタイムリーに配信するための仕組みです。インティメート・マージャーの DMP には、日本最大級を誇る約 4 億ユニークブラウザのオーディエンスデータがあり、この豊富なデータを高い技術で分析し、クライアントや代理店のデータ・マーケティング活動の支援を行っています。

他の多くの DMP では、登録されているオーディエンスをあらかじめカテゴリー分類し、その中から広告対象となりそうなカテゴリーを選択します。一方インティメート・マージャーでは、オーディエンスをその場で検索し、ターゲットとなるオーディエンスがどのくらいいるかを確認しながら配信対象を決めることができます。このターゲット選択の柔軟性の高さは、同社のサービスの大きな特長となっています。

また端末の識別情報も持っているので、マルチデバイスを利用するユーザーに対し、特定の時間帯にスマートフォンにだけといったきめ細かい配信も可能です。さらに、DMP を活用するためのコンサルティング・サービスも一緒に提供できるのも、他社にはない優位性となっています。

2013 年 6 月から DMP の提供を開始し、インティメート・マージャーのビジネスは順調に拡大しています。
そのため DMP に蓄積されるオーディエンスのデータもどんどん増えています。サービスの提供を始めた当初は、DMP のシステムはオンプレミスで運用されていました。「自前のインフラではなく、グループ会社から間借りしてその上で運用する状況でした」と振り返るのは、インティメート・マージャー 開発本部 テックリードの松田和樹氏です。

インティメート・マージャーではビジネスが拡大していたこともあり、システムインフラを刷新したいと考えるようになりました。しかしながら当時は社員も少なく、IT システムの面倒を見るエンジニアは 2 人しかいませんでした。つまりインティメート・マージャーには、信頼性の高い IT インフラを少ないエンジニアで迅速に構築しなければならない課題があったのです。さらに増加する開発案件に、少人数でもスピードを落とさずに対処する必要もありました。

インティメート・マージャーの IT システムに対する基本方針です。その上でそれらをなるべく手間なく運用したい。そう考えた時に、自前のオンプレミス環境で実現するのは、現実的ではないとの判断がありました。そこでクラウドサービスの活用を考えることになり、選択したのが AWS でした。

選んだ理由の 1 つには、松田氏に AWS の経験が既にあったことがあります。「AWS であれば、Amazon EC2 だけではなくさまざまなサービスが用意されており、それらを組み合わせれば容易にやりたいことが実現できると分かっていました。コンピュータリソースの費用だけを考えれば、オンプレミスのほうが安くなることも考えられます。しかし、エンジニアのコストまで考慮すれば、フルで AWS のサービスを活用することでトータルコストは安くできると判断しました。」(松田氏)

インティメート・マージャーでは、自社サービスが拡大しそれを動かすためのサーバーなどがどんどん増えることが予測されていました。そのため少ないエンジニアでも大規模な IT インフラを運用できる AWS のマネージドサービスの存在は大きなメリットだと考えたのです。運用負荷を軽減できるマネージドサービスの充実は、AWS 採用の大きな理由となりました。

インティメート・マージャーでは、2013 年 6 月より AWS への移行を開始しました。最初の 2 ヶ月で Web サーバーなどを Amazon EC2 ベースの環境に移行し、 3 ヶ月後には既存オンプレミス環境全ての AWS 化を終了しました。AWS 化にあたり、Amazon EC2 については AutoScaling を採用することで、柔軟な拡張性を確保しました。さらに Amazon S3 と Amazon SQS を組み合わせた、拡張性のあるジョブワーカーシステムなども新たに構築しました。

安全性、セキュリティ性の確保では、Amazon VPC を用い AWS クラウドの他の仮想ネットワークから論理的に切り離すようにしました。また Elastic Load Balancing の活用で、サービスの可用性を確保し耐障害性を上げる工夫も行っています。

「当然ですが、オンプレミスの時代より AWS になって拡張性は格段に向上しています。さらに、AWS に用意されているマネージドサービスを使うことで、開発スピードもかなり速くなっています。この開発のスピードの速さは、少人数で開発している際には極めて重要です。」(松田氏)

最近ではさらに AWS の活用を進めており、これまで Amazon EC2 を利用していた部分で可能なものは Amazon EC2 Container Service を利用して徐々にコンテナ化しています。これにより、さらに柔軟性、可用性の向上も図っており、さらなるアプリケーション開発、デリバリの迅速化も進めています。

インティメート・マージャーでは、Amazon EC2 の利用においてはなるべく AutoScaling を利用しています。マネージドサービスについても、使えるものは積極的に取り入れています。「マネージドサービスの利用は、開発のスピードを速くすることにも大きく貢献します。さらには運用管理コストの削減にもつながっています。マネージドサービスを使わないのなら、AWS を使っている意味はないと感じるほどです。」(松田氏)

もう 1 つ開発スピードを速くしているのが、AWS のコミュニティの存在です。AWS はコミュニティ活動が盛んで、そこからさまざまな知見を得られます。コミュニティの知見は、実際に AWS のサービスを使った上でのものが多く、それらを事前に確認しておくことで自社がサービスを使う際にはトライ・アンド・エラーを減らすことができ、開発スピード向上に繋がっています。

さらにインティメート・マージャーでは、AWS のビジネスサポートも活用しています。AWS サポートを利用するきっかけは、Elastic Load Balancingの暖機運転を申請するためでした。そこから AWS サポートは使いやすいとの印象を持ち、ビジネスサポートを積極的に利用するようになりました。

「以前は何か疑問が出てきたら、自分たちで調べて解決していました。ビジネスサポートを利用するようになってからは、とりあえずどんどんサポートに質問して、答えが返ってくる間に別の作業を進めます。このほうが結果的には効率的だと分かったのです。ビジネスサポートの追加費用はありますが、サポートサービスのメリットはコスト的に十分ペイできるものです」(松田氏)

マネージドサービスは便利な反面、裏側でどう動いているかが見えないところもあり、自分たちの使い方が本当に正しいのか分からないこともあります。こんな使い方をしてこのような結果になっているけれど正しいのか、この機能はどのような使い方をしている人が多いのかと言った、障害対応や不具合の解決のための質問でなくても AWS のサポートは答えを返してくれるのもメリットとなっています。抽象的な形で質問をしてそこから AWS のサポート担当者とやり取りをした結果、自分たちのミスに気付くこともあります。

「早い段階で質問をサポートに投げ、そこから問題を掘り下げていくことができます。それで大きな問題になる前に解決できることも。そんなやり取りを気軽にできる AWS のサポートは、我々の開発スタイルにかなり合っていると思います」(松田氏)

質問に対し Yes か No で答えるのではなく、キャッチボールをしながら問題解決ができることに加え、マネージドサービスを使いこなすためにも、インティメート・マージャーではサポートサービスを活用しています。またサポートへの問い合わせ時には Chat をメインにやり取りしています。スクリーンショットなどを簡単に渡せ、リアルタイムのやり取り結果がテキストデータで残るのもメリットです。

もう 1 つ、AWS 以外の質問にも答えてくれる点を評価しています。「たとえば他のサードパーティサービスとの連携では、「AWS の外部インターフェイスはこうなっています」で終わるのではなく、サードパーティーサービスの設定資料にまで踏み込んでアドバイスしてくれるのです。Linux OS の設定などもアドバイスがもらえ、これらは他のサポートサービスにはないものです。ビジネスサポートを利用してから、AWS との関係性が以前より密になり向上しています。」(松田氏)

インティメート・マージャーでは今後、リアルタイムでストリームデータを処理する Amazon Kinesis Streams や、インタラクティブなクエリサービスである Amazon Athena の利用を検討しています。これら新しいマネージドサービスも積極的に利用し、さらなる開発スピードの向上などを目指します。

「さらに今後は、サービスの海外展開も視野に入っており国外リージョンをどう活用していくかなども課題となります。これら新たな展開を少ないエンジニアでスムースに行うためにも、AWS のサポートサービスにはさらに大きく期待しています。」(松田氏)

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- 松田 和樹 氏(株式会社インティメート・マージャー 開発本部 テックリード)

AWS サポートのビジネスサポートプランに関する詳細は、ビジネスサポートの詳細ページをご参照ください。