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Amazon Aurora PostgreSQL への移行で「データベース改善」へ
ライセンスコスト削減に加えパフォーマンスや運用性、開発速度の向上も実現

2021

不動産情報サービス業のパイオニアとして、膨大な物件情報やノウハウを提供するアットホーム株式会社では、システム基盤のクラウドシフトを段階的に進めています。複数のアプリケーションをアマゾン ウェブ サービス(AWS)へと移行した後、オンプレミスで運用されていた Oracle RAC を Amazon Aurora PostgreSQL へと移行。「データベースの基盤」を含めた AWS 移行によって、スケーラビリティや開発速度の向上、ライセンスコストの削減を実現しています。

AWS 導入事例  | アットホーム株式会社
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最先端の豊富なサービスを組み合わせることで、スピード感を持ってサービスを開発できるのが AWS の魅力です。AWS を活用することで、今後もユーザーのニーズを先取りしたサービスを提供していきたいと考えています

山本 治 氏
アットホーム株式会社
取締役 情報システム部 部長

アプリケーションの AWS 移行でビジネスサイドのニーズに合ったサービスを短期間で提供

アットホームは国内最大級の不動産情報ネットワークを通じ、物件情報やノウハウを不動産会社に提供するとともに、消費者向けの『不動産情報サイト アットホーム』やスマートフォンアプリを展開し、膨大な物件情報を提供しています。これらのサービス提供に重要な役割を果たす同社の IT 戦略の変化について、取締役 情報システム部 部長の山本治氏は次のように語ります。
「10 年前は本社ビルにハードウェアを設置していましたが、その後データセンターへと移設し、さらに数年前からクラウドシフトを進めています。オンプレミスとクラウドを適材適所で組み合わせることで、高い可用性を維持しつつも、エンドユーザーのニーズを先取りしたサービスをいち早く提供し、ビジネスへの貢献を高めるためです」

クラウドシフトで重要な役割を果たしているのが AWS です。「初めて AWS を利用したのは、不動産物件の画像配信システムでスケーラビリティが課題となったタイミングでした」と、システム基盤統括室で室長を務める菅原秀昭氏は振り返ります。扱う物件数の増加に伴い、データベースやストレージといったオンプレミスのリソース拡充が課題になったため、2015 年に AWS への移行を実施しました。コストに関しても、オンプレミスでは繁忙期のピークに合わせて IT リソースをサイジングしていたため、時期によっては半分以上のリソースが無駄になっている状態でした。そこでクラウドに移行したところ、需要に合わせて必要な分のリソースを用意すれば良くなり、コストの最適化につながりました。AWS への移行は予想以上にスムーズに進み、スケーラビリティやリソース確保の柔軟性といった利点を改めて実感したことから、その後も主要サービスの AWS 移行を継続して進めてきました。

データベースを Oracle RAC から Amazon Aurora に移行

2020 年には、消費者向け『不動産情報サイト アットホーム』を AWS に移行しました。その際には、高額なライセンス費用を削減し、クラウドのメリットを最大限活用できるよう、Oracle RAC から Amazon Aurora PostgreSQL への移行を実現。MySQL ではなく、PostgreSQL を選択した理由としては、Oracle と PostgreSQL ではストアドプロシージャの記述が類似していて、プログラム変換ツールを活用でき、開発工数が削減できると考えたことが挙げられます。特に今回のアットホームのバッチ処理プログラムは、およそ 8 割が PL/SQL で書かれており、それらをどれだけスピーディーかつ低コストに移行できるかが極めて重要なポイントでした。移行プロセスについて、C システム開発統括室 室長の栗本祐作氏は次のように説明します。
「まずは Phase 1 としてアプリケーション部分を先行して AWS へと移行しつつ、Phase 2 でのデータベース・バッチシステムの移行を含めると約 3 年かけて慎重に移行する計画を立てました。既存の環境で稼働していた PL/SQL のアプリケーションは約200本でしたが、AWS SCT(Schema Conversion Tool)などのツールを活用することでその 7~8 割を PL/pgSQL のストアドファンクションへと自動変換することができました。2019 年 9~12 月に Aurora PostgreSQL で新たなデータベース環境を構築した後、数ヶ月間並行稼動し、2020 年 7 月に移行が完了しました」

また、データ移行には AWS DMS(Database Migration Service)を活用。並行稼動期間中に Oracle RAC から差分データを抽出・変換し、Aurora PostgreSQL へと流し込みました。これによりデータベース切り替え時のダウンタイムも最小限に抑えることができたといいます。

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コスト削減だけではなくパフォーマンスや運用性、開発速度も大きく向上

Aurora PostgreSQL への移行から 2 ヶ月後、Oracle RAC を完全停止してライセンス費用が不要になりました。ハードウェアはまだ他の用途で利用していますが、これもクラウド化で撤去できれば、データセンターのラック費用や電気料金、ハードウェアの保守費用も不要になるため、さらなるコスト削減が期待されています。パフォーマンスについても、Oracle RAC と比べてクエリの速度が向上しているといいます。ただ、それ以上に重要なことは運用負担の軽減にあると、C メディア開発グループの白石透氏は語ります。
「AWS のデータベースサービスには Performance Insights という機能が用意されており、負荷の高い SQL やその原因を簡単に可視化できます。また AWS 全体の状況も Amazon CloudWatch メトリクスで把握でき、運用に必要な作業もすべてコンソールから行えますし、API による操作も可能で、運用自動化も積極的に行っています。過去のデータを調査したい場合も、ポイントインタイムリカバリ機能で指定した時刻のデータを簡単に復元可能です。いずれも、オンプレミス環境ではできなかったことです」

加えて栗本氏は、開発速度が向上したメリットについても評価しています。
「AWS への移行を進めてきた結果、インフラと開発の垣根が低くなり、組織のあり方も変化しました。最近では、開発者自らが最適なインフラを検討するケースも増え、適切な AWS のサービスを組み合わせることで、新規サービス導入までに掛かる時間が 10 分の 1 以下になりました」

AWS の充実したサポートと内製化を支援するプログラムで

短期間での「データベースの移行」を実現

今回、短期間で「データベースの移行」を成し遂げた背景には、AWS のサポートも役立っています。
「AWS 上で発生した問題はサポートチームが迅速に解決してくれます。2019 年からはエンタープライズサポートを契約していますが、テクニカルアカウントマネージャーは毎週のアップデートをわかりやすく提供してくれますし、新規システムの実現方法などはソリューションアーキテクトに相談できます。今回の Oracle RAC のデータ移行でも、移行方針の作成やレビューに参加していただきました」(白石氏)

アットホームは今後も AWS を積極的に活用していく計画です。すでに Amazon ECS(Elastic Container Service)や Amazon EKS(Elastic Kubernetes Service)によるコンテナ化や、コールセンターでの Amazon Connect の活用などが検討されています。
「最先端の技術を活用し、開発の負担を大きく削減できるサービスが揃っている点がAWSの魅力です。今後もそのメリットを活かしながら、まだ世の中にない新しいサービスを、さらにスピード感を持って提供できる組織に変えていきたいと考えています」(山本氏)

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山本 治 氏

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菅原 秀昭 氏

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栗本 祐作 氏

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白石 透 氏


カスタマープロフィール:アットホーム株式会社

  • 設立:1967 年 12 月
  • 資本金:1 億円
  • 従業員数:1,575 人 (2021 年 2 月末現在)
  • 事業内容:不動産会社間情報流通サービス、消費者向け不動産情報サービス、不動産業務支援サービス 

AWS 導入後の効果と今後の展開

  • ライセンス料を含むコスト削減
  • ユーザーやデータの増加に耐えうるスケーラビリティの確保
  • 新規アプリケーションの開発速度を 10 分の 1 に削減
  • 運用負荷の軽減 

ご利用中の主なサービス

Amazon EC2

Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) は、安全でサイズ変更可能なコンピューティング性能をクラウド内で提供するウェブサービスです。ウェブスケールのクラウドコンピューティングを開発者が簡単に利用できるよう設計されています。

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Amazon Aurora PostgreSQL

Aurora の PostgreSQL 互換エディションでは、同じハードウェアで実行する標準的な PostgreSQL と比較して最大 3 倍のスループットが実現されているため、変更を加えることなく既存の PostgreSQL アプリケーションやツールを活用できます。

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Amazon RDS for PostgreSQL

PostgreSQL は、最先端のビジネスアプリケーションおよびモバイルアプリケーションを実行する オープンソースの リレーショナルデータベースとして、多くのエンタープライズ開発者やスタートアップ企業に選ばれてきました。Amazon RDS により、クラウド内で PostgreSQL のデプロイを簡単にセットアップ、運用、スケールできます。

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AWS Schema Conversion Tool

AWS Schema Conversion Tool は、ソースデータベーススキーマ、およびビュー、ストアドプロシージャ、関数といったデータベスコードオブジェクトの大部分を自動的にターゲットデータベース互換フォーマットへと変換することにより、異種データベース間の移行を計画的なものにします。

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