AWS は、先駆的にコンプライアンスに焦点を合わせてきたことで、ライフサイエンス企業が連携できる最も戦略的な技術パートナーになりました。AWS を活用すれば、24 時間年中無休の環境で最も安全なプラットフォームおよび最先端テクノロジーを使用しながら大量のデータを分析することができます。
Pep Gubau 氏 最高経営責任者
  • Bigfinite の概要

    Bigfinite は、バイオテクノロジーおよび製薬業界の複雑な産業プロセス分析用のシンプルな製品を提供しています。同社のソリューションは、研究開発から医薬品の患者への供給まで、サプライチェーン全体への対処に使用でき、製造プロセスに対する制御をより洗練させることができます。

  • AWS の利点

    • 規制の厳しい製薬業界向けに規制に準拠したビッグデータ分析を提供
    • 複雑な製造設備とプロセスをクラウドに接続
    • 大規模なコンピューティングリソースを使用して高度な分析技術を適用
    • 予知保全、プロセスの最適化、製品の改良を実現
    • コンプライアンスを改善して高額な罰金を回避する顧客を支援
  • 使用するサービス

先進的な医薬品によって人間がより健康に生きられるようになることが期待されています。しかし、複雑でコストのかかる製造プロセスと強まる規制があいまって、ビジネス環境は厳しいものになっています。コストを抑えられない、またはコンプライアンステストに合格できない企業は、すぐに撤退を余儀なくされることもあります。

サンフランシスコに拠点を置くスタートアップである Bigfinite は、データの力を実証することで、こうした課題を解決し、人生を変えるようなソリューションを提供できるよう顧客を支援して、利益を増やし、コンプライアンスを徹底し、製造効率を高めてきました。「業界には効率性の課題を解決できる大量のデータが存在します」と、Bigfinite の最高経営責任者、Pep Gubau 氏は言います。「残念なことに、そのデータは別々の場所に閉じ込められています。たとえば、相互運用性に欠けるために効率的な使用が困難なレガシーアプリケーションなどにです」 2016 年、Gartner Research は、ライフサイエンス企業から生成される製造データの 70% が使用されていないと報告しました。Bigfinite はその価値を解放し業界を発展させる支援を行っています。

同社は 2014 年、SaaS (Software-as-a-Service) 分析プラットフォームである Bigengine への取り組みを開始しました。同プラットフォームでは、異種データソースを分析し、医薬品製造現場で生産性とコンプライアンスを改善するインサイトを取得できます。

同社は Bigengine をアマゾン ウェブ サービス (AWS) で構築することを決定しました。製薬企業のコンプライアンスニーズを満たしつつ、急速なイノベーションを実現できるためです。同社は当初、別のクラウドプラットフォームで Bigengine を構築する予定でした。しかし、AWS ヘルスケアおよびライフサイエンスチームとのミーティングとコラボレーションの後、幅広いコンプライアンス、特に GxP として知られる一連のベストプラクティスに対するニーズを満たす能力が実証されていることが決め手となり、同社は AWS を選択しました。GxP は、優良試験所基準 (GLP、Good Laboratory Practice)、優良臨床試験基準 (GCP、Good Clinical Practice)、優良製造所基準 (GMP、Good Manufacturing Practice) といった広範なコンプライアンス関連アクティビティを包含しています。AWS は GxP コンプライアンスに関するホワイトペーパーを発行し、こうした問題に対処するお客様を支援しています。

「AWS は、先駆的にコンプライアンスに焦点を合わせていることで、ライフサイエンス企業が連携できる最も戦略的な技術パートナーになっています」と Gubau 氏は言います。「AWS を活用すれば、24 時間年中無休の環境で最も安全なプラットフォームおよび最先端テクノロジーを使用しながら大量のデータを分析することができます」

AWS を利用することで、Bigengine では大量の医薬品製造データを保存および分析できます。これには、機械学習、人工知能、ニューラルネットワークといった先進的な分析技術が使用されています。その結果得られるリアルタイムの予測とモデルによって広範な課題を解決できます。

たとえば、Bigengine は製造企業を支援して、設備に清掃またはメンテナンスが必要になるタイミングや、設備が機能不全に陥る時期の予測を実現させ、損失の大きい製造の中断を防ぎ、サービスの寿命を伸ばします。同プラットフォームを使用すれば、プロセスを最適化してコストやエネルギー使用量を削減したり、異常を検出および処理して製品の品質を向上したりできます。Bigfinite の顧客はこれらのソリューションを編集および設定したり、組み込みのソリューションデザイナーを使用して新機能を作成したりできます。

Bigengine プラットフォームは、複数の AWS のサービスによって稼働します。同プラットフォームは、ラボラトリー情報管理システムから AWS IoT を介してクラウドに接続された製造設備まで、幅広いさまざまなソースからデータを取り込みます。データは、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) の制御されたデータレイクにネイティブな形式でキャプチャおよび保存されます。キャプチャされたデータは、AWS Lambda サーバーレスコンピューティングや AWS Step Functions によって連携する広範な技術を使用して解釈され、分散型アプリケーションコンポーネントの管理に利用されます。このソリューションでは、サーバーレスクエリによるデータ分析に Amazon Athena が、モデル構築および予測に対する API ベースのアプローチのセットアップに Amazon Machine Learning が、Apache Spark のビッグデータワークロードのサポートに Amazon Elastic MapReduce (Amazon EMR) が使用されます。Bigfinite は Spark クラスターを使用して、Python と Scala で開発されたプロプライエタリアルゴリズムを実行します。

Bigfinite は、コスト削減、コンプライアンスの改善、イノベーションの推進を実現できる Bigengine の実効性を繰り返し実証してきました。たとえば、欧州に拠点を置く多国籍製薬企業とのコラボレーションで、Bigfinite は、並行して化合物を混合する 50 のリアクターを複雑な医薬品開発「上位システム」に接続するシステムをデプロイしました。 そのバイオリアクターでは、反応中に揮発性有機化合物 (VOC、volatile organic compound) が発生します。同化学物質は厳しく規制されており、大気に放出する前に処理する必要があります。

年に何度か、同製薬企業は VOC 放出制限を超過していました。同社は規制機関から多額の罰金を課されるうえ、環境にも悪影響をおよぼします。放出量が削減されずこの状況が続いていれば、生産拠点の閉鎖もありえました。さらに、VOC を処理した後は、すぐに施設の炉を冷却する必要もありました。冷却には大量の電力を消費します。

Bigengine が使用され始めて最初の 2 か月間、同プラットフォームは、生の生産データを推奨事項に変換できるようトレーニングされました。推奨事項は、現場における同社の製造プロセスを再編成するのに活用できます。その翌月、同社は VOC の放出制限を超過しませんでした。加えて、冷却システムの電力消費量は以前の 17% にまで削減されました。

「これはすべて、顧客がすでに保有していたデータによって実現されました」と Gubau 氏は言います。「同社は規制で定められた罰金を回避するだけでなく、大量のエネルギーの節約も達成しました」 Bigfinite は、組織のリスク低減、効率化、コンプライアンスの最大化を支援することで製薬業界を支援し、より多くのリソースをイノベーションに利用できるようにすることで、より健康に生きられる社会の実現に向け、その可能性を大きく切り拓いています。

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