ブレイン株式会社は、SaaS 型メール配信システム「ブレインメール」の開発、運営を行う、12 年間メール配信に特化したサービスを提供している企業です。サービス開始からの導入実績は 6700 社以上で、5 年連続(2009~2013年)法人導入実績数 No.1 となっております。

メール配信を行う際、通常のウェブアプリケーションなどと違いブラックリスト登録されていない「クリーンなグローバル IP アドレス」が多く必要になります。しかしながら、世界的な IPv4 アドレスの枯渇の影響などもあり、大量の IP アドレスの確保が難しい状況がありました。

また多くのお客様にお使いいただくようになったことで、トラフィックが増大しオンプレミス環境ではサーバーの増強などが追いつかない状況もあり、クラウド導入への舵取りを進めました。

AWS の導入検討を行う際、一番のキモになるグローバル IP アドレスが我々の基準を満たす「クリーンなアドレス」であるかどうかを実際にメールを配信して確認しました。また、必要なときに必要な数の IP アドレスを確保できるかどうかも重要な部分でしたが、こうした要望を満たせると判断した後、AWS へのサービス環境移行を実施しました。

移行にあたっては、AWS 上でサービスを動かすことができるのかどうかの確認から始めました。2014 年 2 月から検証を実施ししましたが、2014 年 4 月にはサービスの一部を AWS 上で稼働開始することができました。

2014 年 8 月現在では、既存サービスの 7 割を AWS 上で動かしています。システム構成は、Elastic Load Balancing や Multi-Az などを使って冗長化構成した LAMP 環境上で、JAVA と PHP を利用してアプリケーションを運用しています。

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以前は、ある程度余剰なスペックのサーバーを調達して負荷上昇などに備える運用をしていましたが、AWS へ移行後は、常に適正なスペックのサーバーを利用することができています。その結果、初期投資の支出を抑えることができただけでなく、オンプレミス時代と比較して、サーバー費用や運用コストなどを含めて約 50 % のコスト削減を実現しています。また、サーバースペックやネットワーク周りなどの環境全体のスペックが向上したため、サービスのパフォーマンス面においても、約 3 倍に改善されました。

こうしたメリットに加え、Elastic Load Balancing を使い、Multi-Az で冗長化構成をとるようにしているため、オンプレミス運用と違い、物理的に機器が故障することもなくなり、障害復旧の時間も大幅に短縮できるようになったため、サービス提供においてとても助かっています。

サーバー調達についても、オンプレミスの頃は数営業日掛かっていたものが AWS であれば数分で用意出来るため、パフォーマンスが足りなくなったらスペックをすぐに上げることが出来るようになりました。これにより、サーバー調達で削減できた時間をサービス全体の最適化などに回すことができるようになりました。

AWS を利用するにあたっては、当初セキュリティ面で不安だという声が社内でもあったのですが、実際は AWS で詳しく明確な資料が用意されていたため、安心して使うことができています。

サービスについての些細な疑問点からパフォーマンスの改善案の提案などで困ったことがあれば、AWS サポートを利用しています。現在「ビジネスプラン」を利用していますが、電話やフォーラムへの返信も迅速で明確な回答をいただくことができるだけでなく、Elastic Load Balancing のプレウォーミングなど、単純な問い合わせ以外にも優遇措置があり、とても助かっています。また、AWS は頻繁に大小さまざまなバージョンアップが行われますので、最新の情報を得る意味でも AWS サポートに入る価値はあると思います。

「AWS が実用に耐えないケース」というのはほとんどないと思いますので、まずは試してみるといいと思います。また今までと勝手が違う部分があると思われるかもしれませんが、AWS の流儀と割り切って乗っていった方が結果的には良い方向にいくと考えています。

現在では主要サービスの AWS 移行がほぼ完了しましたので、今後は別サービスの AWS への移行も検討しています。

 

- ブレイン株式会社 ブレインメール事業部 細井 達人 様