アセスメントサービスである “AWS クラウドエコノミクス” を活用することで、
システム面に加え、運用面での工夫の余地にも気づくことができました。

AWS の安全性・可用性、豊富な実績と信頼性に加え、
プロフェッショナルによる親身なアドバイスと技術支援も提供いただき、予定通り移行が完了しました。

和泉 正幸 氏 ドコモ・ヘルスケア株式会社 代表取締役社長

ドコモ・ヘルスケア株式会社は、健康・医療にまつわる“新しい文化”を創造することを目的に、お客様一人ひとりが自分らしく生きるための健康を維持することを応援しています。お客様の生活に密着し、健康を支援するためには、お客様の健康情報というセンシティブなデータを扱う必要があり、セキュリティが最重要事項です。AWS への移行に際して、セキュリティが現在より強化されるだけでなく、トータルコストも削減することも判明し、安心して移行を進めることができました。 

ドコモ・ヘルスケアは 2012 年、株式会社NTTドコモとオムロン ヘルスケア株式会社によって設立されました。両社の通信技術とセンシング技術の連携によって「からだと社会」をつなぎ、お客様一人ひとりが自分らしく生きるための健康を維持することを応援します。

「私どもが目指すのは、日々のライフスタイルを妨げない健康維持です。ダイエットで食事を過剰に制限したり、ムリな運動でケガをしたりしては、努力も長続きしません。日々の生活にプラスαの気づきを与え、ムリなくできる範囲でできることをしていただくためのサービスを提供したいと思っています。」と語るのはドコモ・ヘルスケア 代表取締役社長の和泉正幸氏です。

同社が提供するサービスの中核となっているのが、お客様の「バイタルデータ」です。日々の生活・健康を支え、かつ非常にセンシティブな個人データであるため、機密性と完全性・可用性が求められます。

ドコモ・ヘルスケアでは、これまで個々のサービスは AWS クラウドを全面的に活用して開発していたものの、バイタルデータをサービス共通基盤として管理するプラットフォームはオンプレミスで運用していました。プラットフォーム構築から複数年が経って更改時期が近づき、同社ではオンプレミスを継続するか、クラウドへシフトするか、選択を迫られていました。

コーポレート本部 プラットフォーム部 部長の清水強氏は、「従来型のオンプレミスシステムで、約 500 万人ものバイタルデータを預かり、高い安全性を確保しながら低コストで基盤運営を行うことは困難でした。一方、多くの実績がある AWS であれば、最適なコストでの運営に加え、より高度なセキュリティ対策も施すことができますし、将来的な拡張や技術進化の面でも優位だと判断しました。」と語ります。

すでに NTTドコモでも AWS を積極的に採用しており、安全性や可用性の面で不安がないことはわかっていました。清水氏は、「運用面で AWS の要件に合わせる必要があったものの、インフラの設計、準備を意識する必要がないのでアプリケーション開発やリリースに注力した運用業務フローの最適化を進められると考えました。」と振り返ります。

ドコモ・ヘルスケアでは、Amazon EC2 を中心にバイタルデータ管理のほか、会員情報管理、課金管理、認証などのサービス共通基盤を担うシステムを移行しました。マネージドサービスも積極的に取り入れ、オンプレミスで運用していた MySQL を Amazon Aurora へ、memcached を Amazon ElastiCache へ移行しました。また、AWS 環境を健全に維持するために、リソース監視として Amazon CloudWatch を、悪意のある操作や不正な動作など脅威検出のために Amazon GuardDuty を用いています。

「クラウドへの移行を検討・実施するにあたって、AWS の技術支援があったからこそ、ここまでスムーズに進めることができました。」とプラットフォーム部 課長の武部修司氏は話します。「AWS 個別説明会」に参加して、ソリューションアーキテクトから具体的な構成等の技術に関するアドバイスを受けました。また、AWS Well-Architected フレームワークの 5 つの柱(運用上の優秀性、セキュリティ、信頼性、パフォーマンス効率、コスト最適化)に基づいてインフラストラクチャ設計の支援を受けることができました。さらに、技術的な不安も定期的なミーティングに加え、問い合わせ回数に制限がない AWS サポートを通じて、構築・検証時の問題切り分けや、設定に関する支援を早期の段階から受けることによって、自信を持って移行を進めることができました。「当初はコンサルタント会社と契約すべきかと考えていたのですが、AWS のプロフェッショナルかつ親身な技術支援があったために不要でした。」(清水氏) 

シンプルなクラウドシフトを採用したにもかかわらず、AWS への移行によって、インフラ関連コストは約 40 % 減と、高いコスト削減効果が得られました。ドコモ・ヘルスケアでは、「AWS クラウドエコノミクス」というアセスメントサービスを利用し、システム面だけでなく運用保守面での定量的なコスト効果を計測しました。

「AWS クラウドエコノミクスを活用することで、システム面の削減余地に加えて、計算しにくい運用コストが算出でき、想定していなかった改善の余地があることが把握できました。現在のところ運用業務まで含めたトータルコストの低減効果は 15 % 程度ですが、この情報を活用することで運用効率をさらに高め、最終的には 30 ~40 % のトータルコスト削減を目指したいです。」と、武部氏は話します。また、運用効率が向上したことによって、運用担当者を別のビジネス部門にアサインできたのも、AWS への移行効果の 1 つです。

「オンプレミスシステムのミドルウェアやOS、サーバーなどのインフラを全面的に更改するのであれば 2 年以上の歳月が必要だったところを、マネージドサービスの活用によるインフラ構築や、Snowball や Direct Connect 活用によるデータ移行で、移行期間が短縮でき費用も低減できました。」(武部氏)  

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ドコモ・ヘルスケアは、AWS の広範なサービスに期待しており、必要に応じて機能強化を図っていく意向です。例えば、Amazon Connect を活用してコールセンター業務の効率化を図ったり、機械学習を活用して新しいサービスを開発したりすることが期待できます。ドコモ・ヘルスケアの中で先行してAWS でのシステム構築をしていたプラットフォーム部 課長 中村友則氏はこう語ります。「私が担当していたシステムをオンプレミスから AWS へ移行をした際、オンプレミスではゼロから開発していた機能が AWS ではサービスとして提供されており、それを積極的に利用することで早く安く移行することができたということがありました。その後も AWS では新しいサービスが次々に登場しており、それをどのように活用していくか考えるのは個人的にも楽しみです。」

また、今後のビジネスの展開として和泉氏は次のように語ります。「これからもお客様を増やしながら一人ひとりのニーズに応える、より付加価値の高いサービスを提供していきたいと考えています。そのためには、先進的なテクノロジーを採り入れることが不可欠です。AWS は、業界の垣根を越えて活用されているプロフェッショナルによるサービスであり、オンプレミスにはない将来性と安心感を得られるインフラだと感じています。」  

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左から:清水 強 氏、武部 修司 氏、和泉 正幸 氏、中村 友則 氏 

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