株式会社GSユアサ

株式会社GSユアサ

オンプレミスの 70% を VMware Cloud on AWS に移行
5 年単位のサーバー更新と運用負荷を軽減し
情報システム部のリソースを DX 戦略に集中

2022

自動車用バッテリーや産業用電池などの製造・販売を手がける株式会社GS ユアサ。業務系、情報系の各種システムをオンプレミス環境で運用してきた同社は、サーバー機器のリプレースを機にアマゾン ウェブ サービス(AWS)への移行を決断。VMware vSphere® 上の仮想サーバーをそのままクラウド移行できる VMware Cloud™ on AWS を採用し、順次移行を進めています。クラウド移行により、サーバーリプレースの負荷から解放され、コア業務に集中することが可能になりました。

株式会社GSユアサ
kr_quotemark

採用の決め手は、既存のアプリケーションに変更を加えることなく、vSphere 環境を移行できることです。メジャーサービスの AWS であれば信頼性も高いと判断しました"

吉岡 明義 氏
株式会社GSユアサ 情報システム部 担当部長 情報インフラグループ グループマネージャー 

5 年おきのインフラ更改が負担に
柔軟なリソース増強が可能なクラウドへ

“Creating the Future of Energy”をコーポレートスローガンに、自動車やオートバイ用の鉛蓄電池、電気自動車やプラグインハイブリッド車の車載用リチウムイオン電池、有人潜水調査船や人工衛星向けのリチウムイオン電池等の製造を手がける GSユアサ。電池で培った先進のエネルギー技術を駆使しながら、革新的な挑戦を続けています。

ビジネスを支える IT システムは、外部のデータセンターに物理サーバーを設置し、VMware vSphere の仮想化環境で運用してきました。しかし、オンプレミス環境のサーバー運用は、約 5 年でサポート切れを迎え、そのたびに大規模な更新が発生します。そこで同社は、物理サーバーの更新のタイミングでクラウドへの移行を検討しました。

「オンプレミスで運用していた時は、5 年の間にサーバーリソースが足りなくなることもあり、その都度追加してきました。その際には、さまざまな社内手続きが発生し、追加コストもかかります。そこで、5 年ごとの更新が発生せず、リソースを好きなタイミングで増設できるクラウドへの移行を決めました」と語るのは、情報システム部 担当部長 情報インフラグループ グループマネージャーの吉岡明義氏です。

vSphere 環境をそのまま移行できる
VMware Cloud on AWS を採用

システムのクラウド移行を検討した同社は、vSphere の仮想化環境上で稼働するシステムをリフトによって AWS に移行する VMware Cloud on AWS の採用を決めました。

「採用の決め手は、既存のアプリケーションに変更を加えることなく、vSphere 環境を移行できることです。AWS のネイティブ環境に移行する場合、アプリケーションやミドルウェアの検証作業が必要で、コストや時間がかかりますが、VMware Cloud on AWSであればそれらを省くことができます。検討した 2019 年 12 月当時、私たちが認識していたvSphere 環境をクラウドに移行できるサービスは VMware Cloud on AWS のみで、メジャーサービスの AWS であれば信頼性も高いと判断しました」(吉岡氏)

その後、移行パートナーの選定に向けて、複数のベンダーに RFP を送付。提案を受けた中から、既存システムの運用支援を担当している TIS株式会社を採用しました。情報システム部 情報インフラグループ リーダーの時森友樹氏は次のように語ります。

「当時、VMware Cloud on AWS への移行支援の経験があるベンダーは少なく、その中で TIS は実績が豊富で、安心感がありました。提案を受けて感じたのは、担当エンジニアの技術レベルの高さです。VMware Cloud on AWS に関する私たちからの質問に対して的確な回答をいただき、信頼できるパートナーと判断しました」

環境構築では、災害対策(DR) がポイントになりました。従来環境は、本番環境を大阪のデータセンター、DR環境を東京のデータセンターに置いていました。VMware Cloud on AWS への移行では、本番環境を AWS の東京リージョン、DR 環境をシンガポールリージョンに置き、復旧時間を短縮できるように構築しました。情報システム部 情報インフラグループ リーダーの朝倉寛氏は次のように語ります。

「DR 環境は、サーバーの保護レベルに合わせて 2 つのタイプで構成しています。重要度が高いものは、VMware の VMware Site Recovery Manager™ で仮想マシンがすぐに稼働できるようにしてシンガポールリージョンで待機させています。重要度が低いものは、AWS 上に構築した SaaS 型のバックアップサービスでバックアップを取得し、シンガポールリージョンでバックアップデータから復元する構成としています」

インフラコストの軽減が実現
運用・保守にかかる負荷も軽減

今回、VMware Cloud on AWS に移行する対象システムの数は 50 ~ 60 個、仮想マシンの数で約 130 台です。具体的には、製造システムや人事システムなどの業務系システムと、メールやグループウェアなどの情報系システム、さらに基幹システム(SAP ERP)と連携する物流システムや会計伝票システムなども含まれます。

環境構築を終えた後、第 1 弾として2021 年 9 月に情報系の10 システムを移行しました。その他は、物理サーバーの保守期限を迎える 2022 年 8 月中に移行を終える予定です。

「移行時はダウンタイムにこだわり、ユーザーに影響を及ぼさないこと、システムを使わない時間帯に移行することを目指しました。情報系システムの移行を先行したのはリスクを軽減するためです。難易度の低いシステムでノウハウを蓄積し、その後に難易度の高い業務系システムを移行することにしました」(吉岡氏)

プロジェクトにおいて TIS は、ネットワークの設計・構築と、システム移行の 2 方向から支援しました。TIS の野口敏久氏は「VMware Cloud on AWS ではオンプレミスのネットワークをそのままクラウド環境へ伸ばすL2延伸の機能を提供しています。今回のプロジェクトでは、L2 延伸が既存のネットワークに影響を及ぼさないように事前の分析を実施したり、オンプレミスと AWS 間の L2 延伸を構築したりしました」と語ります。VMware Cloud on AWS へのシステム移行により、当初の試算どおりインフラコストの軽減が実現する見込みです。さらに、5 年に 1 度のサーバー更新がなくなり、運用・保守にかかる負荷も軽減されました。

「運用負荷の軽減で大きいのは、vSphere基盤のバージョンアップ作業や、パッチ適用の作業がなくなったことです。2022 年 2 月に最初のバージョンアップ作業がありましたが、仮想マシンの停止もなくスムーズに終了しました」(時森氏)

運用負荷の軽減により、エンジニアはシステム関連のコア業務や DX 戦略等に集中することが可能になりました。

VMware Cloud on AWSと
AWS ネイティブのハイブリッド運用へ

今回、VMware Cloud on AWS に移行したシステムは、オンプレミス環境の一部であり、現時点のクラウド化率は約 70% です。今後は、制限のある一部システムを除き、物理サーバーの更新時期に応じて VMware Cloud on AWS に移行していく計画です。さらに、新規で構築するシステムは AWS のネイティブサービスの利用を検討しています。

「既存のアプリケーションを利用する安定性重視のサービスは VMware Cloud on AWS、データレイクや分析環境などの革新的なシステムは AWS ネイティブと、ハイブリッドでの運用を考えていきます」(吉岡氏)

DR 環境についても、シンガポールリージョンから、2021 年 3 月に開設された大阪リージョンへの切り替えを検討しており、国内環境に置くことでネットワーク遅延の影響解消を目指す方針です。朝倉氏は「AWS には DR 環境の大阪リージョンへの切り替えに向けて、支援体制を充実させていただけたらと思います」と語ります。

吉岡 明義 氏

吉岡 明義 氏

時森 友樹 氏

時森 友樹 氏

朝倉 寛 氏

朝倉 寛 氏


カスタマープロフィール:株式会社GSユアサ

  • 設立: 2004 年 6 月 1 日
  • 資本金: 100 億円
  • 事業内容:自動車用・産業用各種電池、電源システム、受変電設備、その他電気機器の製造・販売

AWS 導入後の効果と今後の展開

  • サーバー更改や運用・保守の負荷軽減
  • インフラコストの削減
  • vSphere 環境の自動バージョンアップ・パッチ適用の実現
  • 情報システム部の要員リソースの DX戦略への集中

AWS プレミアティア サービス パートナー

TIS株式会社

TIS は、会社全体で AWS エンジニアの育成を強化し、1000 を超える AWS 認定資格取得数を擁し、最上位の AWS プレミアティアサービスパートナーに認定されている。AWS 上のセキュリティ対策テンプレート提供、高可用性が求められるシステムのAWS移行支援、AWS を活用した内製化支援、DevOps・サーバレス活用支援等を実現する多彩なマネージドサービスを武器に、お客様の企業価値の最大化に貢献している。

TIS株式会社

ご利用中の主なサービス

VMware Cloud on AWS

VMware と AWS は組織のために高速で安全なクラウド移行を実現します。現在のスキル、プロセス、およびガバナンスを使用して、仮想デスクトップインフラストラクチャ (VDI) ソリューションで安全な仮想アプリとデスクトップを提供します。

詳細はこちら »



今すぐ始める

あらゆる業界のさまざまな規模の組織が AWS を活用してビジネスを変革し、日々ミッションを遂行しています。当社のエキスパートにお問い合わせいただき、今すぐ AWS ジャーニーを開始しましょう。