ローランドは電子楽器の総合メーカーです。 シンセサイザー、ピアノ、ドラム、オルガン、ギター用エフェクター、アンプ、コンピューター・ミュージック製品など、数多くの楽器を開発・製造しており、そのプロダクトは世界中のアーティストにお使いいただいています。
http://www.roland.co.jp/about/

ローランドでは、Webやネットワークへの取り組みはユーザーとの接点として早くから重要視しておりホームページは当然のこと、最近では電子ドラム用のネットワーク型アプリケーション『V-Drums Friend Jam』で「ドラム用練習曲のプッシュ配信」や「採点~世界ランキング表示」「Twitterとの連携」などの機能を搭載。世界180カ国以上のお客様が現在もこのアプリケーションを利用中です。

こういった新たな取り組みをグローバルで提供するにあたり、サーバー及びインフラ・サイドでも応用性や即応性を求められている現状があります。

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ローランド様における AWS クラウド活用

これまでのシステムは、データセンターに設置した一般的なハウジングを中心に、コスト面で有利なホスティングや、グローバル配信に不可欠なCDN サービスなどを組み合わせて利用してきました。この為、様々な案件に柔軟に対応できる適応力は備えていましたが、関わるベンダーや冗長性の確保の為の構成 はより複雑になり、比例してコストも増加していきました。また、導入した大規模システムを刷新することもかなりの負担となっていました。

結果的に、以下のような課題が挙がり、対策を取る必要がありました。

  • 新規案件や発生した問題へ取り組むオペレーションをシンプルにしたい
  • グローバル規模へのスケールアウトの難易度を下げたい
  • コストを抑えながら冗長性、可用性を確保したい
  • 老朽化した顧客管理システムを刷新し、デジタルマーケティングを強化したい

前述の課題を総合的に解決する為には従来の考え方では難しく「クラウド・テクノロジーで解決できないか」という仮説を立て、検証していくことにしました。

クラウドの中でも、

既存システムからの移行がシームレス

ワンストップで世界レベルのスケーリングが可能

という点において、AWSが我々に最も適していると判断しました。 また当社としては、AWSクラウドの構築、管理、監視に長けているパートナーが不可欠であったため、AWSから数社のご紹介を受け、実績や見積などを考慮 し cloudpack(アイレット社) を選定しました。

その後、導入に関しては以下のフェーズに分けて行いました。

第1フェーズ(AWSの実績・経験を積む、第2フェーズに向けた見積・試算)

全体の構成を話し合い費用を見積もり、今後数年間必要な予算を策定しました。と、同時に簡易なシステムをAWSに移転し実績を積んでいきました。

2011年2月 規模や費用の策定(相見積、既存インフラからの移転にかかる費用の予算化、新規CRMシステム開発コストの試算など)
2011年6月 AWSの試用(アメリカ西部リージョンへのAmazon EC2の作成/Amazon S3とAmazon CloudFront)

第2フェーズ(全システムを移行)

2011年12月 老朽化したシステムを刷新するため、新しいCRMシステムの開発を開始
2012年6月 全システムをAWSに移行する計画に着手
2012年10月 オンプレミスからの全環境の移行が完了。全システムがAWS上で稼働開始

AWS上のシステム構成:

※LAMP構成に加え、従来システムから引き続き必要なAdobe ColdFusionとOracle (Multi-AZ)なども問題なく組み込まれています。

 

 

 

「ローランド株式会社様 システム構成図」


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まず、一つ目と二つ目の「オペレーションをシンプルにしたい」「クローバル規模へのスケールアウトを容易に」という課題は、AWSのサービスと cloudpackという組合せで大幅に改善しました。従来、インフラに関しては5社と関連していましたが、実質cloudpackワンストップ体制にな りました。また、AWSのアメリカ西部リージョンや東京リージョンをフレキシブルに組合せ、グローバル規模の展開が非常に簡潔に実装できました。

三つ目の課題「コストを抑えながら冗長性、可用性を確保」に関しては、オンプレミス環境と変わらない冗長性/可用性を保ちながら、AWSで はハードウェアの取得が今後発生しないことから従来とのコスト比で65%の削減を達成しました。ランニング費用ベースでも約50%の削減ができています。

この費用的改善により、四つ目の新たな挑戦である「デジタルマーケティングを強化」を実現しました。具体的には『Roland BRIDGE』というCRMシステムを開発しました。実施内容としては、

  • デザインの徹底的な改善により顧客の不満を解消
  • Amazon S3を使った登録ユーザー専用ダウンロードサービスの提供
  • メールマガジンシステムを社内からAmazon SESに切り替え
  • 顧客データ分析のパフォーマンス改善

などが挙げられます。 これらにより、顧客からのご意見はウェブサイトへのナビゲーションへの不満から製品そのものへの真剣な内容に変化し、メールマガジン発信時の活動上の制約 からも開放され、分析パフォーマンスが約5倍に向上したことで社員の活動も活発化しています。

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こうして、AWS導入による様々な改善のおかげで、IT資源のコンソリデーションと共にデジタルマーケティングの強化を実現することが出来ました。今後は、さらにグローバルに向けたサービス展開でAWSを活用したいと考えています。

最後に、導入の際、AWSの国内担当の方から積極的にAWSパートナーをご紹介いただけました。おかげで当社にとって最適なAWSパート ナーを見つけ、大きな成果を上げることができました。導入を検討している方は、気軽にまずAWS関係者の方に相談することをおすすめします。

 

 

- ローランド株式会社 マーケティング部 土屋 敏彦 様