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スマートニュース株式会社は、スマートフォン向けニュースアプリ「SmartNews」の開発ならびに運用を行っています。 SmartNews は 2012 年 12 月に iOS 版をリリース、2013 年 4 月にはAndroid 版をリリースいたしました。2014年12月時点においてMAU(月間アクセスユーザー数)が400万人を突破するなど(※1)、多くのユーザーに継続してご利用いただいているサービスになります。
また 2013 年度に Apple、Google それぞれのプラットフォーム事業者より「2013 年のベストアプリ」として表彰をしていただく(*2,*3)など、各方面からご評価をいただいております。また、2012 年のリリース当初は⽇本向けにのみサービスを展開しておりましたが、2014 年 10 月に US 版をリリース(*4)し、US の App Store ランキングにてニュース部門で 1 位を獲得する(*5)など、⽇本国内のみならず海外においても広くご支持をいただいております。

スマートフォンに最適化されたニュースアプリとして、ページめくりの快適さやオフライン時でもニュース記事が読める工夫など UI・UX について最大限に配慮をした作りを目指しておりますが、自然言語処理や機械学習といった人工知能系の技術要素を最大限に活用し、世の中で話題になっているニュース、重要なニュースをコンピューターの手によって自動的に判断をしユーザーの皆様にお届けしている、といった点がこのアプリの最も特徴的な点となります。

組織としては 2014 年 12 月現在で 30 名ほどの社員が東京ならびにアメリカの拠点に在籍し、世界を舞台により多くの方々に最適な情報を届けるために日々努⼒をしています。

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SmartNews、ならびに SmartNews の前身となるソーシャルニュースリーダー「Crowsnest(*6)」のサービス開始にあたって、我々はエンジニアが 1 名という体制でスタートをいたしました。そういった小規模な組織で迅速にサービスの提供を行うにあたり、インフラ管理にリソースを割くことが難しいという背景がありました。

このため、サービス立ち上げにあたっては、柔軟にサーバーリソースが使用できること、そしてマネージドサービスが充実していることを条件に、インフラ環境の検討を行いました。

AWS のサービスについては、SmartNews ならびに Crowsnest のサービス開始時から活用させていただいています。AWS であれば先に述べたような課題をすべて解決でき、少人数であってもインフラを成長に応じて効率的に拡張していくことができることが、採用の決め手となりました。

現在、SmartNews では、以下の 4 つのユースケースにて AWS を活用しています。

  • スマートフォン向けのAPI <api>
  • ニュース解析用のエンジン(Crawler,Classifier、Recommender 等)<engine>
  • KPI 等の数値解析用のシステム <insights>
  • アドホックな分析用のシステム <analytics>

api ならびに engine では、一般的な Web アプリケーションや弊社内で開発したサーバーアプリケーション群が稼働しており、これらは Amazon EC2上に構築されています。 insights では、Amazon S3 に蓄積されれたデータを Amazon Elastic MapReduce ならびに Presto にて解析をし、その結果を MongoDB に格納をしています。そして、それらのデータを社内ツールを用いて可視化することで日々の KPI をチェックしています。 analytics では、Amazon Redshift に加工済みデータを保存し、tableau やchartio などの BI ツールを用いてアドホックな分析作業を行っています。

また、全てのユースケースを横断する形で Amazon S3 を活用し、収集した情報の保存や、それを用いた情報の解析を行っています。

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弊社での AWS のサービスの使用形態にはいくつかのフェーズがあり、そのフェーズごとで様々なメリットを享受することができています。

  1. 事業草創期(2012 年~)
    草創期にはAmazon EC2 や Amazon S3 などのクラウドコンピューティングとして基本的なサービスを中心とした活用を行っていました。この時期には柔軟なマシンリソースの確保という観点での使用が主となり、その点での利便性を享受することができました。
  2. マネージドサービスの活用による事業の拡張(2013年3月~)
    サービス規模が拡大するにつれてインフラの管理コストが非線形で増加していきましたが、先述の通り弊社は小さな組織のためすべての管理を自前で行うには限界がありました。そのため、この時期からマネージドサービスとして提供され運用コストの低い Amazon RDS や Amazon ElastiCache などのストレージサービスや、Amazon Elastic MapReduceのような管理された Hadoop サービスをフル活用するようになりました。これらの AWS の機能を活用することにより、小さい組織を維持しつつ、増え続けるトラフィックやデータサイズに対してもサービスを安定して届ける事ができました。
  3. AWS だからこそ出来る機能を活用(2013年10月~)
    この時期からオンプレミス環境で実現してきた機能をクラウド環境でも実現するというレベルを超えて、「AWS でのみ実現可能な機能」を数多く採用をし活用をしています。DWH 製品としての圧倒的なスケールメリットがある Amazon Redshift などはその代表例で、弊社においても Fluentd で収集した各種ログを準リアルタイムで書き込むことにより即時性の高い解析を行うなど、かけがえのないデータ解析基盤として活用をさせていただいています。また Amazon DynamoDB についても数々のアップデートを経てスケーラブルでかつ非常に使い勝手の良いストレージ製品へと進化を続けていますので、弊社内でも一部サービスにて活用をはじめています。
  4. 世界規模のサービスを実現するためのインフラ作り(2014年7月~)
    先に述べた通り 2014 年 10 月より US 版の提供を始めましたが、世界市場へのサービス提供の計画が本格化した段階で、海外においてもユーザーに快適にサービスをお使いいただくためのアーキテクチャ変更に乗り出しました。そのひとつとして CDN サービスである Amazon CloudFront の採用がありました。
    CDN 事業者の選定にあたって、世界の各拠点でグローバルにサービスを提供している事が必須の条件だったのですが、Amazon CloudFront はそれに加えて Amazon EC2 や Amazon S3、Elastic Load Balancing など、弊社でも活用している各種サービスとシームレスに連携をすることが可能で、移行のコストや管理コストも低く、設定も AWS マネジメントコンソールから手軽に行うことができます。このことが Amazon CloudFrontを採用した大きな理由となりました。
    2014 年 10 月以降、US 版を提供した際にもユーザーの方々から「遅くて使いづらい」という反応は少なく、海外でも日本国内で提供していたものと同様の快適さを提供することに成功をしています。


今後について

現在は海外展開は端緒に着いた段階ですが、世界中のユーザーに最適な情報を届けるためにより本格的な海外展開を行う必要があり、いくつかの施策を考えています。システムの全体のマルチリージョン化や、データの最適な分散配置などはそのひとつの例ですが、それらの施策も AWS の提供する高度なプラットフォーム上で実現が可能と考えているため、引き続き AWS を活用していく予定です。

 

- スマートニュース株式会社 代表取締役社長 共同CEO 浜本 階生 様

 

 

*1: http://about.smartnews.com/ja/2013/12/04/smartnews-google_play_best_apps_2013-app_of_the_year/
*2: http://about.smartnews.com/ja/2013/12/04/smartnews-google_play_best_apps_2013-app_of_the_year/
*3: http://about.smartnews.com/ja/2013/12/18/smartnews-app-store-best-of-2013/
*4: http://about.smartnews.com/ja/2014/10/02/20141002/
*5: http://jp.techcrunch.com/2014/10/07/jp20141007smartnews/
*6: http://www.crowsnest.tv/