ソネット・メディア・ネットワークス株式会社は、ソネットグループのインターネット広告事業会社として、DSP(*)、アフィリエイト、アドネット ワークを主なサービスとして取り扱っています。なかでも『Logicad』は、大規模な配信ログ、オーディエンスデータの処理を高速かつ安定的に行うこと ができる純国産DSPです。

近年のインターネット広告では、複数の広告会社が 1 ページビュー毎に 0.1 秒間のオークションに参加して広告を配信する RTB(*)といわれる取引が行われ、日本国内でも取引が 1 秒間に数万件以上に及びます。

今後も『Logicad』において、RTBで広告枠を落札し、自社アドネットワーク在庫への配信も含め、より広告主に関連性の高いユーザへのターゲティングを行い、広告効果の最適化を実現していきます。

  • RTB (Real Time Bidding) とは:
    ディスプレイ広告を1インプレッションごとに、媒体をまたいでリアルタイムに販売/買い付けをすることのできる取引の仕組みです。媒体社にとっては販売単 価が向上する点、広告主にとっては媒体をまたいだ広告配信の最適化・効果の最大化を図れることがメリットです。DSP と SSP という2つのプレイヤーが RTB によって取引をします。
  • DSP (Demand Side Platform) とは
    広告主や代理店から予算をあずかり、RTB で広告の買い付けを行うプラットフォーム/サービスです。リアルタイムに1インプレッションごとの入札を行うため、非常に高速な処理が要求されます。より 多くの取引を成立させるために、高度かつリアルタイムに広告のターゲティング・最適化が要求されます。

ソネットでは、2010 年よりAWSを広告配信ログの保存と解析用にAWSを活用しております。(詳細はこちら
こうした実績から、RTBを利用したDSP広告配信事業 『Logicad』のシステムをを立ち上げる際にも、AWSで構築することを決定しました。まず、2011年秋よりAWSでシステム構築を開始し、 2012年春にベータバージョンをリリース。2012年10月に正式バージョンをリリースしました。

AWSでは、Elastic Load Balancing, Amazon Route53(の重み付けラウンドロビン設定), Amazon RDS Multi-AZ 配備, Amazon S3, Amazon DynamoDB といったサービスを活用することで、簡単に単一障害点のないシステムを構築することができました。

 

 

「ソネット・メディア・ネットワークス株式会社様 システム構成図」

 

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こちらの構成では、RTB Buyer にて1秒間に数万回のRTB(リアルタイム・ビッディング) でオークションへの入札を行うため、Amazon Route53(Weighted Round Robin)を利用して負荷分散しています。 オークションで落札すると、ブラウザからAd Server へ広告がリクエスト・配信されます。そのログは、配信実績を次の入札に活用するため、メッセージングミドルウエア RabbitMQ を利用し、Dierct Connect の通信経路を経て1秒以内に SSD KVS に書き込まれます。

同時に広告配信ログは、Amazon S3へアップロードされます。Amazon S3の広告配信ログは定期的 Amazon Elastic MapReduce を利用して集計後、Amazon DynamoDB へ格納され、広告主様へ配信結果をレポーティングします。また、Amazon RDS Multi-AZ配備 に広告の配信設定の情報を格納し、RTB Buyerは定期的にその読み取りを行っています。WebアプリケーションはすべてElastic Load Balancing により負荷分散、複数ゾーンに冗長化されています。

システム構築からサービス開始時は、スピーディーに実装・テストを行い、サービス開始ができるよう、最初にAWSのみで構築しました。その 後、ビジネスに応じた処理量の増加、高速化のために 、ハウジングのデータセンタにSSD サーバーを用意し、KVSデータベースとそれにアクセスするアプリケーションサーバーを移動しました。これにより、2013年春の時点で、数億レコード、 数KBのデータの読み書きを、数万QPS(1秒間に処理できる問合せの数)で実現しています。

『Logicad』のシステムは試行錯誤しながらシステムアーキテクチャを決定したことから、最初からシステム構成を見積もることができなかったため、AWSの柔軟性が非常に役に立ちました。

また、『Logicad』のシステムがリリースされた後、処理量の増加と高速化を実現するためデータセンターとAWSを併用した構成へと拡 張したのですが、AWS DirectConnectを利用することにより、AWSとデータセンター間の通信遅延と通信コストも抑えることができ、満足しています。

さらに、AWS と RightScale を組み合わせて使うことで、APIを駆使した運用・監視が実現できています。サーバー台数が多いシステムにも関わらず全体の状態を一目で把握することが可 能になりました。少数の運用者で多くのサーバーを運用するためには、APIが整備されたシステム環境はなくてはならないものですが、その点もAWSを選択 したポイントとなりました。

今後は、Amazon Redshiftを活用し、分析基盤の強化も行っていきたいと考えています。

 

 

- ソネット・メディア・ネットワークス株式会社 技術・開発部 安田 崇浩様