株式会社東急ハンズは、「ここは、ヒント・マーケット。」をブランドスローガンに、2013年5月現在、フランチャイズ店、小型専門店を含め国内外に50店舗を展開する総合小売業です。

クラウドの導入を検討しはじめたきっかけは、2011年3月11日の震災を受けて、「業務を止めないシステム」の実現が必要になったこ とでした。外部データセンターでは、柔軟性、対応のスピード、コストの面で事業継続性を確保するのは現実的に難しいです。また、小売業の特性として、出 店、海外展開、M&A、新規事業など、未来の事業展開が読めないこともありました。

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東急ハンズ様における AWS クラウド活用

既存のインフラでの実現方法に悩むよりも、基盤自体を変える検討を行った方が前向きであると 判断しました。クラウドのインフラ基盤であれば、機能 数、規模、成長性など、どの面から見ても、アマゾン ウェブ サービス(AWS)を選択するのは私たちにとっては自明でした。元々、アプリは自社開発により業界最高水準のスピード開発を実現していましたが、アプリを 支えるインフラ構築もAWS導入により自社化して、「スピード最速化」を目指しました。

クラウド導入の際は通常であれば、影響が少ない新規システムや情報参照系システムなどから「お試し」で使いはじめるのでしょうが、重要なの は「業務を止めないシステム」をスピーディーに実現することでした。このため東急ハンズでは、ECサイト、POSサーバという重要なシステムから順次 AWSへの移行を真剣に取り組みました。さらに、「新規もの」としてクラウドそのものの検証をしてもスピード感をもった導入を実現することはできないと考 え、基幹システムが移行できるのかどうかを最初に検証しました。

その上で、AWSを使うとデータセンター冗長や障害の初期復旧(Amazon EC2インスタンスの再作成など)が容易にできること、コスト面もオンプレミスと比較して問題ないことを確認して、全社システム全てをAWS上で稼働する最終判断を行いました。

運用面では、POSの起動の際に、POSサーバーから店舗にあるPOSまでWake on LANを使う必要があるため、オンプレミス環境にWake on LAN用サーバを構築して、そこからPOSの起動を行うようにしました。また、Amazon EC2インスタンスの再起動やAmazonマシンイメージ(AMI)の作成など、運用上必要な操作を安全に行えるよう、各業務オペレーション用にバッチ ファイルを作成して、AWSのAPIを呼び出すようにしました。


 

 

 

「株式会社東急ハンズ様 システム構成図」

 

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オンプレミス環境を利用していた当時は、出店のたびにサーバーの購入やサーバー増強が必要で、時間、労力、コストがかかっていたのに対し、AWSで あれば、Amazon EC2を即座に起動してPOSサーバを構築することができるため、こうした初期投資(コスト、時間)がゼロになったのは、非常に大きなメリットです。

また、AWSであれば、最初に投資してしまった物理サーバーのように、夜間に無理してリソースを活用する必要がないため、夜間バッチ処理を するのではなく、逆に夜間はPOSシステムなどのサーバーを停止することにより、運用時に発生していた無駄なコスト削減(AWSの費用削減、夜間監視の運 用コスト削減)もできると考えています。

性能面についても、Amazon EC2のインスタンスやリソースの追加が柔軟に行えるため、処理を分散することでユーザーへのレスポンス速度を高めることができます。また、単にリソース を追加するだけではなく、AWSから提供されるAmazon CloudFrontなどのサービスを使うことで、トータルでユーザー体験を向上できると思います。

今後は、AWS Storage Gatewayへのファイルサーバの移行、会計システム(SuperStream)の移行、給与、人事システム(OBIC)の移行、基幹システムの移行にも、継続的に取り組んでいきます。

 

 

- 株式会社東急ハンズ 執行役員 ITコマース部 長谷川 秀樹 様