Trimble は、高度な測位テクノロジーとモバイルソリューションのトッププロバイダーで、その製品は 141 を越える国々で使用されています。会社は 1978 年に設立され、グローバル測位ソフトウェア (GPS) や他のテクノロジーとサービスをまとめ、様々な業種のために提供しています。これには農業、工学と建設、輸送とワイヤレス通信インフラストラクチャが含まれます。カリフォルニア州のサニーヴェールを根拠としており、35 か国にオフィスを設け、世界中のパートナーやディーラーと協力しています。Trimble は 2013 会計年度に、23 億ドルの収入を報告しています。

2012 年に、Trimble は Google から SketchUp を買い取りました。農業、工学、および建設 (AEC) コミュニティに 3D モデルとツールを提供するためです。ユーザーは 3D Warehouse のウェブサイトで、または SketchUp のデスクトップアプリケーションを使用して、モデルを検索し、ダウンロードすることができます。Trimble では 3D Warehouse をその設計、構築、運用 (DBO) プラットフォームに追加することを計画しました。そうすれば、顧客は 3D モデルを Trimble の他のツールと組み合わせて、単一の ウェブベースのプラットフォーム上で、データの収集、設計、モデリング、およびコラボレーションを行うことができます。

購入後に、Trimble はウェブサイトとアプリケーションをその環境に移行する必要がありました。SketchUp には 250 万以上の 3D イメージが含まれており、Trimble ではそれらを、自社独自のソフトウェアやアプリケーションと互換性のあるフォーマットに変換しなければなりませんでした。Trimble のチームは、モデルを保管するためにどの程度のストレージが必要か、または Web サイトを運営するのにどのくらいのワークロードが求められるかについては、確信を持てないでいました。必要とされた柔軟性、スケーリング能力、そしてストレージ容量のため、Trimble はクラウドベースのソリューションを考慮するようになりました。

Trimble の DBO チームは、会社がホストしているアプリケーションを管理しており、移行の責任を負っていました。DBO チームのシステムエンジニアリングマネージャーである Clay Parker は、アマゾン ウェブ サービス (AWS) 上で実行すると決定したことについて、次のように説明しています。「クラウドに移行するというアイディアは、当社の開発者から出ました。わたしたちは、いくつかのクラウドホスティングオプションを検討し、Trimble 全体にとって、AWS が最適であると結論しました。そのサービス、スケーラビリティおよび市場シェアのためです。」

アプリケーションのポータビリティも、Trimble にとって重要でした。「ときにはアプリケーションをビジネス上の理由で移行しなければならないことがあります」と Parker は述べています。「規制により、データを物理的に国内に置くことが要求されることもあります。他のクラウドサービスプロバイダーの場合だと、アプリケーションをポーティングするため、相当な量のコードを書き直さなければならなかったことでしょう。アプリケーションを簡単に移行できる点が、AWS を選択した主な理由です」

Trimble は、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) インスタンス上の MySQL を使用して、3D Warehouse ウェブサイトを運営しています。32 ビットアプリケーションのための Microsoft Windows Server 2000 を使用するレンダリングサーバーを例外として、Parker は、ほとんどのインスタンスが Linux Amazon マシンイメージ (AMI) を使用しているものと見積もっています。

Trimble は、負荷をインスタンス全体にわたって分散するため、Elastic Load Balancing を使用しています。3D Warehouse は CPU の利用率が高いアプリケーションであり、毎分約 27,000 ビットを処理します。そのため、DBO チームは、ワークロードをチェックするため、アプリケーションを段階的に移行しました。

移行の第三ステージにおいて、Trimble は、負荷を処理するのに Amazon EC2 インスタンスでは小さすぎることに気づきました。Trimble は、必要に見合った最適なインスタンスを判断するため、AWS サポートと協力しました。「わたしたちは、インスタンスを一つずつシャットダウンし、ピックリストから別のものを選択するだけで、i2.4xlarge インスタンスから c3.xlarge インスタンスに移行することができました」と Parker は述べています。「AWS での切り替えの途中で、別のインスタンスタイプに 3 分未満で移行することができたというのは、驚くべきことです。」

「この点について、強調しすぎるということはありません」と彼は続けます。「物理環境で作業していたなら、負荷を処理するリソースを準備することはできなかったことでしょう。それでは数か月もの遅れが発生します。インスタンスのサイズを大きくすることにより、CPU の負荷率を 75 パーセントから 10 パーセントに抑えることができました。」

Trimble は、主要環境を米国西部 (オレゴン) リージョンでの単一のアベイラビリティーゾーンで運用しています。DBO チームは、ディザスタリカバリに対する備えとして、この環境を米国東部 (バージニア北部) リージョンに複製しています。Trimble では通常、2 台のアプリケーションサーバーと 2 台の Solr サーバーを動作させていますが、アプリケーションのトラブルシューティングの際には、最大 5 台のアプリケーションサーバーにスケーリングします。

Trimble は、世界中へのコンテンツデリバリーのため、Amazon CloudFront を使用しています。CloudFront は、負荷を処理する点で効果的な助けとなってきました」と Parker は述べています。「わたしたちはすべての CloudFront エッジロケーションを使用しており、そのため Trimble は単一のリージョンで運用を行うことができ、世界中の要求を満たすためにスケーリングすることができます。」 図 1 は、AWS 上での Trimble の環境を示しています。

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図 1.AWS 上での Trimble 環境

Trimble が AWS のコンピューティング能力について学ぶにつれ、チームはアプリケーションと Solr サーバーのインスタンスタイプを調整できるようになりました。「現在、わたしたちは必要とするサイズを理解できているので、リザーブドインスタンス上にそれぞれのサイズを 2 つずつ配置しています」と Parker は言います。「そのようなことはたびたびあります。AWS の継続的な価格引き下げと、Amazon EC2 リザーブドインスタンスのコスト節約機能のため、当社のコストは減少してきました」

Trimble は元々、必要とするコンピューティング能力のため、3D モデルイメージをオンプレミスのサーバーで標準フォーマットに変換するには約 36 か月必要だったであろうと見積もっていました。「イメージのレンダリングのためにスポットインスタンスを使用できることがわかり、費用をかなりの節約できたときには、本当に興奮しました。当社では、約 200 のスポットインスタンスで、250 万に上るイメージすべてを変換し、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) バケットに、1 か月未満で保存することができました。さらに、ストレージアプライアンスの代わりに Amazon S3 をストレージのためにしようすることにより、毎月約 20,000 USD を節約しています。」

「3D Warehouse アプリケーションは、AWS クラウドでは非常に高い柔軟性を発揮します」と Parker は述べています。「Amazon EC2 のスポットインスタンスを使用することにより、開発者はボタンを押すだけで、その日の作業を実行するのに必要な環境を構築できます。一日の終わりには、そのインスタンスを消すことができます。」

AWS への移行のもたらす利点の一つに、Trimble が、処理を合理化して、DevOps モデルに移行できたことも挙げられます。「会社内には古いモデルを使用している部門もまだありますが、そこでは開発者がコードを書き、デプロイのためにそれをインフラストラクチャチームに渡しています」と Parker は説明します。「わたしのチームの開発者は、AWS 上の実運用システムにデプロイしており、それは非常にうまくいっています。物理インフラストラクチャはなくなりました。」

AWS 上で実行することは、コードのアップデートに対する Trimble のアプローチも変えてきました。「現在は自動的に行えます」と Parker は言っています。「AWS のおかげで、わたしたちは継続的にコードのアップデートをリリースでき、コードのリリースに伴うダウンタイムを避けることができています。実際、コードリリースによるダウンタイムはこの数か月皆無です。」

3D Warehouse アプリケーションは、AWS に移行して以来、全くダウンタイムがありませんでした。それにより、Trimble の顧客に対し堅固な環境を提供しています。「望まれている拡大に対する支援が受けられるよう、複数のアベイラビリティーゾーンに移行することを計画しています」と Parker は語ります。

Trimble には複数の部門がありますが、その多くも AWS 上にインフラストラクチャを構築しています。「サービスとしての共有プラットフォームに取り組んでおり、これはすべての部門で利用できるようになるでしょう。わたしたちの組織の移行先とするべきなのは、AWS です」と Parker は言います。「AWS クラウドで実行すれば、会社全体でハードウェアサポートの契約やハードウェアの寿命といったものは必要なくなり、ハードウェアの価格を取り決めて PO と発注の承認を求めるといったこともなくなります。AWS は、必要なときにインフラストラクチャをサービスとして実行できるので (IaaS)、今では少なくなった IT リソースを、アプリケーションと顧客のサポートに振り向けることができます。」

Trimble にとって、AWS クラウドは、非常に大きな柔軟性と、目標を達成する会社に与えるものとなっています。Parker は、「AWS の柔軟性は、環境の Auto Scaling にとどまりません。AWS クラウドを使用することにより、わたしたちは、コストを削減し、安定した経済的な運用が可能だということを実証してきました」と Parker はコメントしています。

ウェブアプリケーションのニーズを満たすうえで AWS がどのように役立つかについては、ウェブ、モバイル、ソーシャルの詳細のページ、http://aws.amazon.com/web-mobile-social/ をご覧ください。