ラスベガスで開催されているアマゾン ウェブ サービス初のグローバルユーザーカンファレンス「AWS re: Invent」。Jeff Bezos(Founder&CEO, Amazon)、Andy Jassy(Sr. Vice President, Amazon Web Services), Werener Vogels(CTO, Amazon)をはじめ、NASA/JPL、SAP、Pinterest、NetflixなどといったAWS のお客様による講演も行われるカンファレン ス、そして日本からのre:Inventツアーの模様を現地からレポートいたします。


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2日目の28日は、Andy Jassyによる基調講演からスタート。まず、「re:Invent」というタイトルには、「クラウドを使うことでビジネスをAWS上に構築できるという ビジネスの始め方を再発明したということ」、そして「クラウドによりビジネスのスピードと俊敏さを再発明したい」という思いから名づけられたという話から 始まりました。

AWS のビジネス動向の話に移ると、現在190カ国数十万のユーザーが利用し、その中には300の政府機関と1,500の教育機関も含まれていると紹介。SI, ISVそしてAWS Marketplaceからなるパートナーエコシステムも成長を続けており、昨年5月に開始したAWS Marketplaceには毎週新しいプロダクトが追加され、Amazon S3に保存されるオブジェクトの数は1.3兆個にも逹し、Amazon EMRでは370万ものクラスタを起動してきた、といった話が伝えられました。

そして、増加し続ける利用事例の中でもNASAの事例はとても興味深い事例だとして、NASA IT CTOのTom Soderstrom氏とソフトウェアエンジニアのKhwaja Shams氏をゲストスピーカーとして招き、今年火星へ着陸したCuriosityプロジェクトにおけるAWS活用方法を当時のドキュメンタリーを交えて 講演していただきました。

 

クラウドコンピューティングが採用される理由

次になぜクラウドコンピューティングが採用されるのか、その理由として6つが語られました。

  1. 初期投資の必要はなし。
  2. 自分自身で行うよりもコスト削減につながる。
  3. キャパシティを見積る必要がなくなる。
  4. 劇的にスピードと俊敏性が上昇する。
  5. 差別化にならない作業にお金を消費しないで済む。
  6. 数分でグローバル展開ができる。

これらの理由の中でも2つ目のコスト削減については、SAUSUNG、Foursquare事例を交えつつ、IDCの調査では、クラウドの総所有コスト (TCO)は5年で70%も削減できるという発表を例としてあげました。そして、2006年のサービス開始から実に23回もの値下げを行ってきたAWS が、Amazon S3を12/1から24-27%値下げを実施するという発表を行い、会場からは拍手が湧きおこりました。また、コスト面の課題をAWS で解決したNetFlix 社がゲストとして登壇し、最大のメリットはという質問にスケーラブルであることと回答しました。

とどまることを知らないAWSのイノベーション

AWSのイノベーションのペースは年々加速しており、去年は82個、今年は158個の新サービス、新機能をリリースしています。Andy  Jassyはここで、AWSのフォーカスは、あらゆるアプリケーションをAWSクラウド上で実行できるようにすることだと語り、それには全ての新規ビジネ スに加え、新規アプリ、サイト、サービスを構築するエンタープライズ、既存のアプリをクラウドに移行するエンタープライズも含まれると述べました。 そうしたお客様へのAWSの対応として、データウェアハウスを提供する「Amazon Redshift」が この日から限定公開、2013年の正式リリースを発表。既存のデータウェアハウスは高価な上に複雑であるに対して、Amazon Redshiftは簡単にはじめられ、低価格で、スケーラブルでり、既存のBIツールがそのまま使えると紹介し、スペック面でも、16TBディスク、 128GBメモリ、あるいは2TB、16GBメモリのノードを選択可能で、大規模分散(MPP)アーキテクチャとカラム型データベースを採用しておりクエ リは非常に高速で、スタンダードなPostgreSQLドライバやJDBC/ODBCに対応するという内容でした。

エンタープライズにおけるAWSの利用事例

エンタープライズのお客様からはいくつかのクラウドに対する疑問が寄せられることがあります。Andy はこの講演で、その中でも最も多い2つについて説明を行いました。

一つ目は、「クラウドのセキュリティは大丈夫か?」という点、二つ目は、「既存のオンプレミスと一緒に使うにはどうしたらいいのか?」という点です。
「クラウドのセキュリティ」については、AWSのトッププライオリティであり、物理セキュリティ、ネットワークセキュリティ、プラットフォームセキュリ ティ、人と手順まで徹底している点、非常に多くの第三者認証も取得している点をまず強調。またAWSが非常に多くの国、業界で使われており、その実績をセ キュリティに反映することができるだけでなく、AWSコミュニティからのフィードバックを手に入れることができるのも強みであるとしたうえで、 NASDAQをゲストに迎え、AWS上で可動している金融機関向けのクラウドサービス「FinQloud」等を紹介しました。

二つ目の「既存のオンプレミスと一緒に使うにはどうしたらいいのか?」という質問には、AWSはハイブリッドな ITアーキテクチャをサポートするツールにフォーカスし、プライベートネットワーク接続や、ワークロードのマイグレーション、既存の認証システムとの統 合、既存の管理ツールとの統合などが行えることを紹介。また、エコシステムにより、多くの企業がAWSに対応することで既存の管理ツールが使えるように なっていること、エンタープライズアプリケーションも多くがAWSで可動するという実例として、SAPをゲストに迎えSAP Business SuiteやSAP HANA OneのAWS上の動作が認定されていることを紹介しました。

AWSがサービスをローンチした当初、「開発者のおもちゃである」「本当の会社は使わない。」「本当のアプリは動かせ ない。」「ミッションクリティカルなんてありえない。」と言われきたにもかかわらず、現在では、世界中の最大のイベントがAWSで皆様の元に届いており、 最近でもミッションクリティカルな事例としてオバマ大統領の選挙戦で利用されたことを紹介し、基調講演を終えました。

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基調講演終了後、日本からのツアーのお客様だけのために、re:Inventではジャパンセッションが2日間にわたり実施されました。基調講演でのゲストスピーカーとしても登壇したNASAのTomas Soderstorm(CTO)、Khawaja Shams(NASA)、PinterestのRyan Park、AWS からはJames Hamilton、Bobert Barne sが日本からのお客様だけのために同時通訳つきで、最新の活用事例、ベンチマークをはじめとした技術的なソリューションのセッションを実施いた しました。 NASAのセッションでは、プロトタイプ開発からミッションクリティカルなシステムの全ての稼働を扱うようになるまでが、どのような過程で行われていったかを紹介。

Robert Barns によるセッションでは、ベンチマークをするにはどう言ったことを意識するべきか、正確なベンチマークはどのようにとるべきかを説明。

そして、Pinterest のRyan Park のセッションでは、Ryan氏のたっての希望により、ジャパンセッションで唯一、急成長と遂げるサービスをどのように構築しているのか、そのアー キテクチャーを中心に日本語のプレゼンテーションで紹介されるなど、普段直接聞く機会をなかなか持つことがないスピーカーのセッションを受講できる一日と なりました。 さらに、re:Invent のセッションプログラムでは、この日初めて、日本独自で紹介されている「クラウドデザインパターン(CDP」を海外で紹介する セッションを実施。アマゾン データ サービス ジャパン株式会社のソリューションアーキテクトである玉川、片山が海外のお客様に対して、はじめて利用ストーリーを元にクラウドの構成デザインを提案するCDP を紹介しました。

› CDPセッションの資料はこちら

また、そのほかにも日本のソリューションアーキテクトは、ハンズオンをはじめとしたトレーニングセッションへの参加やサポートブース対応を行うなど、世界中からのAWS メンバーがお客様と直接交流する機会となりました。

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急遽、Andy Jassy(Sr. Vice President,Amazon Web Services)、Karmen Arielがジャパンセッションに登場!

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この日のすべてのセッション終了後、この日の基調講演を行ったAWS のSr.Vice PresidentであるAndy Jassy、そしてワールドワイドマーケティングのトップであるAriel Kelmanが、日本のお客様のためにジャパンセッションルームに急きょ登場。 短い時間ながら今回のre:Invent にご参加いただいた日本のお客様へのご来場と、日頃のご利用への感謝の気持ちを間近で伝えるというサプライズもありました。


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28日(水)の夜には、re:Inventへご来場のお客様とAWS スタッフがともに楽しむ場として、「re:Party」と題したパーティーが開催されました。 ターンテーブル(レコードプレーヤー)型の回る舞台の上にDJブースが設置され、大音量のダンスミュージックとたくさんの レーザー光線と照明が飛び交う中、re:Inventの参加者へ無料のアルコール、フードをはじめ、ノベルティのTシャツをプレゼントしました。会場の中央にはゲームブースを設け、お客様とAWS のメンバーがそれぞれコミュニケーションに華を咲かせるパーティーとなりました。

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