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日常で楽しむクラウドテクノロジー

開発者と楽しむ見本市 ! - AWS Summit Japan Builders Fair の人気作品について聞いてみた

2025-09-04 | Author : 竹崎 雄紀

はじめに

みなさまこんにちは。AWS Japan フィールドデベロッパーマーケティングの竹崎です。

2025 年 6 月に開催された AWS Summit Japan では Builders Fair という、開発者の方へ向けて、ビジネスは日常に身近なテーマで楽しみながら AWS テクノロジーの活用方法を体感していただける展示を行いました。AWS Japan のソリューションアーキテクトやプロフェッショナルサービス、パートナーソリューションアーキテクトなどのメンバーのみなさんの協力により、2 日間入れ替わりで合計 30 種類の展示をご来場のお客様にお届けできました。当日はカウントできただけでも延べ 10,000 名以上のお客様が Builders Fair の各展示に立ち寄ってくださり、2日間ともに盛況に終えることができました。

Builders Fair の展示会場では、展示の人気投票を行っていたのをご存知の方もいらっしゃるかもしれません。今回は 2 日間の展示の中でも人気上位だった 3 つの展示担当の方に、展示のガジェット・アプリケーションの開発について、そして当日の様子などをインタビューしてみました。

それでは早速、担当者にお話を聞いてみましょう !
 


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まずはみなさんの自己紹介をお願いします !

清水 崇之です。

ソーシャルソリューション&サービス本部, ソリューションアーキテクト / 本部長として、社会インフラのお客様を主に担当するソリューションアーキテクトチームをリードしています。

最先端技術を追いながら世界を爆笑の渦に巻き込みたい、そんな AWS 芸人になりたいと思って入社して早 11 年が経ちました。まだまだ現役で頑張りたいと思います!

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坂上雅明です。

プロフェッショナルサービスでデリバリーコンサルタントとしてお客様を支援しています。主に金融業界を中心に、インフラ・アプリ両領域における設計・構築支援を行っております。また、クラウドを活用した人材育成まで幅広くサポートさせていただいております。技術的な側面からお客様のビジネスに貢献できるよう日々邁進しています。

今回の展示では、準備から当日の対応まで、同じプロフェッショナルサービスの以下のメンバーにも協力してもらいました。

若田 佳菜子、池澤 隆人、水田 彰、Abhi Sali

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梅田 旭太朗です。

プロフェッショナルサービス / Associate Delivery Consultant-Advisory として、Amazon / AWS の顧客起点の Working Backwards のナレッジトランスファーを行うこと、そして AWS プラットフォームを活用した実験と発明を加速することをミッションとして、お客様の新規事業創造 ~ PoC 検証までのご支援を担当しております。

今回は展示の準備から当日の対応まで、以下のメンバーにも協力してもらいました !

プロフェッショナルサービス本部 : 成瀬 大毅、大野 綾太、小林 知幾、飯塚 成都美
パートナーソリューションアーキテクト : 喜多 悠、本山 幸樹、鍵谷 成、穂高 正

 

 

 

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制作した展示作品について聞いてみた

自己紹介ありがとうございます !

今年の AWS Summit では、開発者の皆様向けに、AWS サービスを自由に活用しながら楽しんでいただけるガジェット・アプリケーションや、実効性の高いアプリケーションの制作をお願いしました。皆さんはどのような展示を制作したのですか ? 

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清水 : 譜面をみてピアノを弾く AI ロボットを制作しました。AI が卓上ピアノを演奏する可愛らしいデモンストレーションです。

マイコンで制御されたロボットアームが、不器用ながらも一生懸命にピアノを弾く姿は愛らしさを感じさせます。楽譜を読み取る AI 技術とロボティクスの融合が生み出す新しい音楽体験をご覧いただけます。

子供から大人まで、プログラミングや音楽に興味のある方々に気軽に楽しんでいただける展示です。 

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坂上 : メモや音声情報から仮想的な人格を作成し、その人格に対して営業練習を行うツール「RenSure」を開発しました。ユーザーは手書きのメモや録音した音声をもとに、特定の個人を模倣した仮想人格を作成できます。

このツールを使用することで、作成した仮想人格に対して音声による営業練習を繰り返し実施できます。これにより、特定の個人にどの商品をどのような観点で提案すべきかを理解し、提案内容が一定のルールを満たしているかを判断することが可能になります。

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梅田 : 要望に沿ったメイクを AI が施してくれるアプリケーションを作成しました。ユーザーが自身の顔画像を撮影し、例えば「ギャル風」や「V 系」などのメイク要望を伝えると、AI が要望に沿ったメイクを考えてアップロードした顔画像にメイクを施すというものです。この結果は 3D で確認できるため、横から見るとどのように周りから見えているのか知ることができます。

また、出力されたメイク後の画像に対して、追加要望も投げることができるため、納得いくまで微調整することができます。

 

制作でのこだわり

ありがとうございます ! 私も当日、思わずくすっとさせてもらったり、自分でも仕事にも使ってみたいな、と思いながら拝見させていただきました。

制作したものでどのようなところで工夫したり、こだわったのでしょうか ?

清水 : AI が譜面を認識してソフトウェア的にスピーカーから音を出すことは難しくありません。今回のデモでは、ハードウェアとしてのロボットアームがピアノキーボードを弾く、という点にこだわりました。そのため、ミスタッチも発生しますし、ロボットアームが所定の位置に移動するまでの遅延も発生します。こういった一見不要と思える要素こそが音楽を音楽たらしめていると思います。

また、ロボットがぎこちなく演奏する姿に、人は応援したくなるのだと思います。
 

坂上 : 工夫した点は 2 点あります。

1 つ目の工夫点は、標準的なアプリケーションライブラリのみでシステムを構築した点です。今回展示するシステムを参考にしたいお客様の導入ハードルを下げるため、自作の複雑な処理は最小限に抑え、OSS の基本機能と AWS サービスの組み合わせで構築しました。

2 つ目の工夫点は、技術に詳しくない方でも直感的に利用できる UI/UX を実現した点です。具体的には、無音区間を判定基準として Amazon Bedrock へのリクエストタイミングを制御し、マイクのみでの操作を可能にしました。また、Web ブラウザ標準の API を活用した音声入出力により、仮想人格からの応答時間を人間同士の自然な会話に近づけるよう工夫しました。


梅田
: 工夫した点は大きく 2 点です。

まず、要望に応じたメイクの生成です。GenAI でメイク画像を生成すると、生成された顔の細部が元の顔と微妙に異なってしまうという課題がありましたが、Makeup Transfer という機械学習モデルを活用することで、元の顔の特徴を保持したまま希望のメイクを反映させることができるようになり解決しました。

次に、3D の処理時間を早くすることです。最初は生成まで 6 分要してしまい、とても使えるアプリではありませんでした。これに対して、画像アップロード時の先行処理と色情報のみの追加学習を組み合わせることで、処理時間を 1/6 まで短縮することに成功しました。

展示で印象的だった出来事

なるほど。どの作品もご覧になるお客様の体験をとても意識した工夫をされていたのがよくわかります。

では、当日に展示をしていて、お客様との会話で印象的だったことがあれば教えていただけますか ?

清水 : 譜面をみてピアノを弾く AI ロボットを制作しました。AI が卓上ピアノを演奏する可愛らしいデモンストレーションです。

マイコンで制御されたロボットアームが、不器用ながらも一生懸命にピアノを弾く姿は愛らしさを感じさせます。楽譜を読み取る AI 技術とロボティクスの融合が生み出す新しい音楽体験をご覧いただけます。

子供から大人まで、プログラミングや音楽に興味のある方々に気軽に楽しんでいただける展示です。 

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坂上 : 多くのお客様から「AWS と標準的なライブラリでここまでできるのか」「生成 AI でこんなことも実現できるのか」といった驚きの声をいただきました。また、「自分たちの業務や新入社員の教育にも活用できそう」といった具体的な利用イメージについてもご意見をいただき、非常に嬉しく思いました。

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梅田 : 来場したお客様から『まさに求めていたアプリケーションです』という声をいただき、大変嬉しく思いました。1 回の利用に 5 分程度かかるにも関わらず、複数回利用される方や、グループ全員で体験いただくなど、多くの方に関心を持っていただきました。さらに、企業からの具体的な問い合わせもあり、市場ニーズを的確に捉えることができたと実感しています。

 

 

 

今後制作してみたいものは ?

最後の質問なのですが、今後お客様を支援するアプリやガジェットを作るとしたら、どのようなものを作ってみたいですか?

清水 : 人とモノの対話を大切にしたいと思います。どうしてもモノを扱う時には機能性や実現性に目が行きがちですが、特に AI においては「人間性とは何か」という問いかけが重要になると考えています。近い将来、人と AI が共存する世界がくるでしょう。そういった新しい世界を考えるきっかけになるモノを作りたいです。

坂上 : 身近なお客様に「これがないと生活ができない !」と言われるようなアプリやガジェットを作成してみたいと考えています。生成 AI とクラウドの発展により、誰もが「こんなサービスがあったらいいな」というアイデアを実際に開発できる時代が近づいていることを、日々の業務を通じて実感しています。このような技術革新の最中だからこそ、強烈な個性や独自性を持ち、長く愛され続けるアプリを作成したいと思います。

梅田 : 今回のような「いつか試してみたいけど、時間やお金の関係で試せていないもの」を試すことできるアプリケーションに取り組みたいです。私自身、冒険する勇気がなくいつも同じ髪型や服装に止まってしまいます。好みの服や髪型を実際に試してみたいけれど、時間や費用の制約で思うように試せないという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

AI を用いて、様々なファッションや髪型、メイクを手軽にシミュレーションできるアプリケーションを開発し、実際の購入や美容院に行く前に、自分に合うスタイルを見つけられる環境を提供したいです。


みなさん、ありがとうございました!

おわりに

いかがでしたでしょうか ? 私も当日は Builders Fair の会場を何度も回っていたのですが、ビジネスシーンにおいて、これは本当に便利 ! と思うものから、展示メンバーの個性あふれる Have Fun な展示まで本当にバリエーション豊かな展示だったのではないかと思いました。

AWS Summit Japan はまた来年も開催されますが、開発者の皆様のためのエリアはぜひ提供したいと考えています。(すでに私の来年のプランに入れましたw)

皆様も Builders Fair の展示からヒントを得て、面白いものを作ったらぜひハッシュタグ #AWSウェブマガジンをつけてお知らせください ! 

AWS Summit Japan 2025 - Builders Fair 人気作品の担当者紹介

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1 位 : ピアノボット

インタビューに回答してくれた方 :
清水 崇之
(しみず たかゆき) (@shimy_net)
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
ソーシャルソリューション&サービス本部, ソリューションアーキテクト / 本部長

制作・展示担当メンバー :
清水 崇之、柳 嘉起

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2 位 : 音声・画像から生み出した仮想人格に向けた営業練習ツール RenSure

インタビューに回答してくれた方 :
坂上 雅明
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
プロフェッショナルサービス本部 デリバリーコンサルタント

制作・展示担当メンバー :
坂上 雅明、若田 佳菜子、池澤 隆人、水田 彰、Abhi Sali
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 プロフェッショナルサービス本部

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3 位 : AI メイクさん

インタビューに回答してくれた方 :
梅田 旭太朗

アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
プロフェッショナルサービス / Associate Delivery Consultant-Advisory

制作・展示担当メンバー : 
プロフェッショナルサービス本部 : 梅田 旭太朗、成瀬 大毅、大野 綾太、小林 知幾、飯塚 成都美

パートナーソリューションアーキテクト : 喜多 悠、本山 幸樹、鍵谷 成、穂高 正

筆者プロフィール

竹崎 雄紀
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
シニアフィールドデベロッパーマーケティングマネージャー

国内の IT ベンチャーを渡り歩いた後、2012 年に AWS ジャパンに入社。"builders.flash" の編集長です。社内外問わず多くの方のサポートをいただきながら、開発者の皆様が AWS をより便利に活用できるトピックをお届けしています。
お猫様とおいしいものと音楽から人生の癒しをもらっています。

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