6sense Insights Inc.Amazon EKS に移行することでスケーラビリティが向上し、市場投入までの時間が短縮
2022 年
6sense Insights Inc.(6sense) では、成長をより適切にサポートできるように、データパイプラインを効果的にスケーリングおよび管理する必要がありました。6sense Revenue AI は、予測可能な収益成長を実現する優れたプラットフォームであり、企業間販売およびマーケティングチームのための実用的なインサイトを生成しています。このサービスは人工知能、機械学習、ビッグデータ処理に依存しているため、6sense が複雑なワークロードを実行し、1 日に何テラバイトものデータを処理する必要があります。オープンソースのパイプラインオーケストレーションソリューションがこうしたワークロードをサポートできなくなり、6sense は代替ソリューションを模索した結果、Amazon Web Services (AWS) のフルマネージドサービスの実装を選択しました。
同社は Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS) に移行しました。これは、クラウドまたはオンプレミスで、Kubernetes アプリケーションを実行およびスケールするマネージドコンテナサービスです。Amazon EKS を使用することで、ワークロードを大幅に高速化すると同時に、管理の必要性が軽減し、配信速度が向上して、デベロッパーは革新的なソリューションに集中できるようになりました。
Amazon EKS のクラスターをほぼ無限にスケーリングして、できるだけ多くのことを並行して実行できます」。
Premal Shah 氏
6sense Insights Inc.、エンジニアリングおよびインフラストラクチャ、シニアバイスプレジデント
スケーラブルなパイプラインオーケストレーションを求めて
カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置く 6sense は、企業間収益チームがバイヤーや顧客をより深く理解できるように、データ分析、セールスインサイト、その他の予測を提供しています。2014 年、同社はデータパイプラインフレームワークをオーケストレーションするため、コンピューティングクラスターを管理するオープンソースソリューションである Apache Mesos の使用を開始しました。「会社の規模が大きくなるにつれ、Apache Mesos の制約にいくつか直面しました」と、6sense のインフラストラクチャエンジニアリング部門ディレクター、George Liaw 氏は言います。「一度に 1 つのフレームワークにしかコンピューティングリソースを提供できず、プロセスを遅らせました。また、スケーリングの問題も発生しました」。
よりスケーラブルなソリューションを探していた 6sense は、データパイプラインを改善するため、オープンソースのコンテナオーケストレーションシステムである Kubernetes を検討するようになりました。2018 年に、同社はアプリケーションと API サービスを 2 つの Kubernetes クラスターに移行し、クラウドで Kubernetes クラスターをインストール、運用、削除する一連のツールである kOps の使用を開始しました。コンテナ化されたアーキテクチャによって 6sense の俊敏性は向上しましたが、kOps はフルマネージド型ではなかったため、チームは重要な運用や管理を毎日行う必要がありました。「kOps を使用すると、メンテナンスのオーバーヘッドが過剰となることがありました」と Liaw 氏は言います。「これらの手動タスクを減らすことができれば、チームは Kubernetes の管理ではなく顧客へのサービス提供に集中できることに気付きました」。
2019 年、6sense は AWS エンタープライズサポートへの投資を決定しました。これは、企業がクラウドで成果を上げて成功を収めるのをサポートする、コンシェルジュのようなサービスを提供します。AWS エンタープライズサポートチームの支援により、フルマネージド型の Amazon EKS に移行することで、直面していた問題を軽減できることに気づいたのです。「6sense にとって、Amazon EKS はほぼ完全に互換性のある代替手段で、魔法のようにうまく機能しました」と Liaw 氏は言います。
Amazon EKS で、スピード、俊敏性、イノベーションを向上
2021 年 9 月、6sense は残りのワークロードを、Apache Meso と kOps で実行しているレガシーソリューションから Amazon EKS に移行し始めました。同社は、最初の 1 週間でアプリケーションと API サービスのワークロードの大部分を Amazon EKS に移行し、2021 年末までには、安定し、かつ使用可能なパイプラインオーケストレーションソリューションを開発しました。「Amazon EKS クラスターの実行を開始すると、価値の高い機能を利用できるようになりました」と Liaw 氏は言います。「安定性を気にすることなく、より柔軟な設定でクラスターをテストできました」。 2021 年 12 月までに、同社は Amazon EKS で 7~8 個のクラスターを実行し、移行の 80% を完了しました。
Amazon EKS を使用することで、ワークロードのスループットが 400% 向上し、1 日あたり 1~2 TB のデータ処理が可能となり、その数は増え続けています。このスピードのおかげで、非常に複雑なワークロードをサポートし、価値の高いインサイトを顧客に 65% 早く提供できるようになりました。
AWS を利用した 6sense のソリューションは、非常に高速であるだけでなく、高いスケーラビリティを備えています。「Amazon EKS のクラスターをほぼ無限にスケーリングして、できるだけ多くを並行して実行できます」と、6sense のエンジニアリングおよびインフラストラクチャ部門シニアバイスプレジデントである Premal Shah 氏は言います。「1 時間あたりどれだけ実行できるかを、もう心配する必要はありません」。 同社はまた、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) スポットインスタンスも利用しています。これは、大幅なコスト削減で大規模なワークロードを実行したり、並行タスクを実行することでワークロードを高速化したりするために使用されています。Amazon EC2 スポットインスタンスを使用することで、6sense はコストを最適化しながら、将来の拡張をサポートするために必要な容量をプロビジョニングできます。
また、6sense は AWS に移行することで開発スピードを大幅に速めました。Apache Mesos ではコンテナのスループットに制限があるため、同社は新しいデータパイプラインを構築、テスト、デプロイする能力が限られていました。Amazon EKS では、6sense は 1 時間あたり最大 300% 多くのコンテナを実行することができます。また、以前のソリューションでかかっていた時間の約 50% で、同じ数の Docker コンテナを Amazon EKS で実行できます。このレベルのスピードとスケーラビリティを実現することで、デベロッパーの生産性を向上し、新しいアプリケーションや機能の市場投入までの時間を短縮しました。
Amazon EKS はフルマネージド型の Kubernetes サービスのため、Kubernetes クラスターの管理や運用に集中する必要がなくなりました。この時間の節約により、チームはカスタマーエクスペリエンスの向上に時間を割くことができます。「AWS では、デベロッパーの作業速度を上げ、不必要な形式的手続きを減らし、お客様にできる限りの最高のサービスを提供できます」と Liaw 氏は言います。「新しい機能、インサイト、製品をできるだけ早く提供できます。お客様にサービスをお届けするためのイノベーションが早ければ早いほど、チームを含む全員にとってより良いエクスペリエンスが得られます」。
AWS のスケーラビリティを継続的に強化
フルマネージド型の Amazon EKS クラスターに移行することで、6sense はデータパイプラインを効果的にスケーリングおよび管理できるようになり、顧客にインサイトを提供するまでの時間が短縮されました。同社は、AWS と共同で構築したオープンソースの Kubernetes クラスター自動スケーラーである Karpenter を使用して、スケーリング機能をさらに高めようとしています。
AWS により 6sense の従業員はイノベーションに集中できるようになりました。同社は引き続き AWS のサービスを利用して、価値を生み出す新しいソリューションを開発していく予定です。「AWS のおかげで妨げられることなく迅速に動き、イノベーションを起こすことができます」と Liaw 氏は言います。
6sense Insights Inc. について
6sense Insights Inc. の収益 AI は、匿名の購入シグナルを取得し、適切なアカウントをターゲティングし、パフォーマンスを向上するためのチャネルやメッセージを推奨することで、企業がパイプラインを作成、管理、収益に変換する方法を実現します。
AWS の利点
- ワークロードスループットが 400% 向上
- 1 日あたり 1~2 TB のデータを処理
- 顧客へのインサイトを 65% 早く提供
- デベロッパーの生産性を向上
- 新しいアプリケーションや機能の市場投入までの時間の短縮
- 従業員は価値の高いタスクやイノベーションにさらに集中できる
- フルマネージド型ソリューションの促進
使用されている AWS のサービス
Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS)
Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS) は、クラウドまたはオンプレミスで Kubernetes アプリケーションを実行、スケールするマネージドコンテナサービスです。
Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)
Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) は、500 以上のインスタンスと、最新のプロセッサ、ストレージ、ネットワーク、オペレーティングシステム、購入モデルを選択でき、ワークロードのニーズに最適に対応できる、最も幅広く、最も深いコンピューティングプラットフォームを提供しています。
Amazon EC2 スポットインスタンス
Amazon EC2 スポットインスタンスを使うと、AWS クラウド内の使用されていない EC2 キャパシティーを活用できます。スポットインスタンスは、オンデマンド料金に比べ最大 90% の割引価格でご利用いただけます。
AWS エンタープライズサポート
エンタープライズサポートでは、24 時間年中無休の技術サポートを受けられます。環境を自動的に管理し、アプリケーションとユースケースのコンテキストが提供するアーキテクチャのコンサルティングを含んだガイダンス、さらに、積極的かつ予防的なプログラムや AWS が主導するエキスパートを繋げる指定のテクニカルアカウントマネージャー (TAM) をご利用いただけます。
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