AuthBridge が AWS でアイデンティティ検証の精度と速度を向上

AuthBridge は、人工知能 (AI) を利用して、雇用主による求職者の検証、オンラインゲーム企業による新規会員の検証、銀行によるローン申請者の検証など、さまざまな目的でリアルタイムのアイデンティティ検証を実行します。検証プロセスは、会社の設立以来大幅に進化しました。「15 年前は、今とはまったく違いました。物理的な記録の入力と検証には多くの人力が必要でした」と AuthBridge の創業者兼 Chief Executive Officer (CEO) である Ajay Trehan 氏は述べています。

2020 年は、COVID-19 のパンデミックにより、AuthBridge の AI を活用したアイデンティティ検証サービスの需要が急増しました。インドの多くの IT 企業は、顧客の加速するデジタル化をサポートするために、新入社員を迅速に採用したいと考えていました。また、物理的に家から出ることができないローン申請者の個人のアイデンティティを検証する必要がある銀行や金融サービス企業からのリクエストも大幅に増加しました。

AuthBridge は、2020 年に IT インフラストラクチャを自社のオンプレミスのデータセンターからクラウドに移行することを決定しました。「当社のオンプレミスサーバーは 1 日に 200～300 万件を超えるトランザクションを処理しており、インフラストラクチャ全体の管理が複雑になってきていました」と AuthBridge の Vice President of Engineering である Shyam Sunder Prawal 氏は述べています。このような状況に鑑みて、AuthBridge はクラウドを利用するという選択肢を評価することにしました。「数百 GB のデータを、当社のデータセンターからクラウドに問題なくシームレスに転送したいと考えていました」と Shyam Prawal 氏は振り返ります。

徹底的な検討プロセスを経て、AuthBridge は Amazon Web Services (AWS) クラウドに移行することを決定しました。「AWS はサービスの範囲において他のクラウドよりも先を行っていると感じていましたが、その考えは今でも変わりません」と Singh 氏は述べています。移行に伴う懸念に対処するために、AuthBridge は AWS Snowball を利用しました。このサービスは、大量のデータを Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) に転送するための堅牢なストレージデバイスをお客様に提供します。また、AWS の担当者がデータのアップロードプロセスを担当します。 

AuthBridge はリフトアンドシフト戦略を採用し、アプリケーションをオンプレミスサーバーから Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) に移行し、MySQL データベースを Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) for MySQL に移行しました。「Amazon RDS を利用することで、極めて高いレベルのセキュリティを実現しながら、トランザクションの拡大に合わせて簡単に業務をスケールできました。さらに、Amazon RDS が提供するマネージドサービスのおかげで、管理上の複雑さの多くを軽減することができました」と Shyam Prawal 氏は述べています。 

AWS への移行は、求職者によって提供された情報を検証するための革新的な方法の開発を促しました。当初、AuthBridge は、個人のアイデンティティ、住所、学歴、職歴、その他の情報を証明する文書のコピーとともに紙ベースのフォームを検証していました。その後、同社は、E メールに添付されたこれらの文書のデジタル版を調査することにしました。AWS の利用を開始した AuthBridge は、iBRIDGE を開発することで検証を次のレベルに引き上げました。iBRIDGE は独自のカスタムバックグラウンド検証プラットフォームであり、候補者はこれを利用してすべての申請関連の詳細情報を送信できます。「iBRIDGE on AWS を活用することで、信頼性、パフォーマンス、AI 対応の機能をクライアントに提供して、これらクライアントが採用プロセスを迅速化し、インド経済を牽引する次世代のワークフォースを構築するのをサポートできます」と Singh 氏は述べています。

iBRIDGE は現在、他の AuthBridge の製品と同様に、AI と機械学習を活用してプロセスを自動化し、運用を高速化しています。AuthBridge は、画像の検査と特定のデータの抽出に伴う手動での作業を大幅に削減するために、Amazon Rekognition と Amazon Textract をデプロイしました。「当社は Amazon Rekognition を利用して、個人が自ら撮影した写真とデジタル化された身分証明書の写真を比較しています」と Singh 氏は述べています。さらに、AuthBridge は Amazon Textract を利用して、生年月日や父親の名前などの詳細情報を抽出しています。両方の AWS サービスを統合することで、AuthBridge は複数のユースケースにおいて、処理精度をほぼ 100% まで高めることができました。

現在、AuthBridge は、Amazon Redshift をデータウェアハウスとして、Amazon QuickSight をビジネスインテリジェンスレイヤーとしてそれぞれ利用して、Amazon S3 に基づいたデータレイクを開発しています。「当社は、お客様にデータ全体についてのインサイトを提供するために、レポートとダッシュボードを作成しています。この情報には、部門ごとの採用者数や、候補者がバックグラウンドチェックで充足していない領域が含まれる場合があります。お客様はこのデータを利用して採用慣行を改善できます」と Shyam Prawal 氏は説明します。