ポートセントルーシーが AWS でテクノロジーをモダナイズし、住民により良いサービスを提供

ポートセントルーシーは AWS を利用することで、ハードウェアコストを削減し、スケーラビリティを向上させ、俊敏性とイノベーションを改善しました。フロリダ州にあるこの中規模の都市は、Amazon RDS、Amazon Chime、その他の AWS のサービスを利用して、古くなったオンプレミステクノロジーをモダナイズする戦略を立てました。ポートセントルーシーは、4 日もかけず Amazon Chime をスピンアップし、新型コロナウイルス (COVID-19) のパンデミックの間には、リーダーシップが会議を開催して運用を継続できるようにしました。ポートセントルーシーは 195,000 人の住民に対してより優れたサービスを提供するため、AWS を利用してコスト効率の高い最適化とイノベーションを継続しています。

2018 年、フロリダ州の地方自治体であるポートセントルーシーは、Amazon Web Services (AWS) に移行することによって、オンプレミスの技術インフラストラクチャのモダナイゼーションに着手しました。これにより、この中規模の都市は、高コストのハードウェアを排除し、AWS の費用対効果の高い従量制料金モデルを活用することでコストを削減しました。同市はまた、より俊敏で革新的になったことで、新型コロナウイルス (COVID-19) のパンデミックの間も、シームレスに業務を継続できました。

フロリダ州で 7 番目に大きな都市であるポートセントルーシーは面積 120 平方マイルで、人口は 195,000 人を超えます。IT の総予算は、年間 600 万 USD 強です。地方自治体としては珍しいですが、同市には、特定のビジネスニーズに合わせて内部向けのソフトウェアを開発する、ある程度の規模があるアプリケーション開発部門があります。ポートセントルーシーは 2016 年に初めて AWS を利用し、オブジェクトストレージサービスである Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) を使用してバックアップを改善しました。同市は 2018 年に AWS でのモダナイゼーションの取り組みを開始しました。これは、この自治体のテクノロジースタックを更新して、費用対効果と効率を高めるように新しい市長が求めたためでした。

それまで、同市は、高コストのサイクルで 4 年ごとに置き換える必要があるハードウェアを利用していました。しかし、予算の削減により、ハードウェアの交換はしばしば後回しになり、この自治体は古いハードウェアに頼らざるを得なかっただけでなく、最終的にはハードウェアの大部分を一度に置き換えるために巨額の投資が必要になりました。「サーバーを置き換えるための費用として 700,000 USD を求めたが、それが拒否された場合、承認を得ることができるまでそれらのサーバーを稼働させ続けなければなりません」と、ポートセントルーシーの最高情報責任者である Bill Jones 氏は説明しています。この自治体はコストを削減する必要がありましたが、使いやすく直感的なテクノロジーも必要としていました。「ここで 20 年以上勤務している公務員を目にするのも珍しいことではありません。彼らが組織に関する知識を持っているのはすばらしいことです」と Jones 氏は述べています。「問題は、これらの職員のほとんどが、コンピュータを利用できるようになる前に働き始めたことであり、その一部は未だにコンピュータの使い方を知りません」。

ポートセントルーシーは、モダナイゼーションを進めるために、AWS での比類のないサポートを見つけました。「AWS のチームはとても魅力的でした」と Jones 氏は述べています。「このチームは、私たちが何をしていて、何をしようとしているのかに関心がありました。私たちが AWS を利用するために必要なサポートとリソースを提供してくれただけでなく、追加料金なしでエキスパートに問い合わせることもできました。多くのガイダンスを得ることができ、AWS のスケーラビリティは多くの機会を開いてくれました」

ポートセントルーシーのモダナイゼーションの取り組みは 2018 年の春に始まり、現在も進行中です。新型コロナウイルス (COVID-19) のパンデミックが始まった当初、幹部同士の毎週の会議や自治体の外部の人々とのミーティングをバーチャルで行うために、同市は Microsoft Teams を準備して行いました。しかし、技術的な経験が少ない人はシステムで苦労しました。さらに、犬の鳴き声など、家の大きな雑音によって会議が中断したこともありました。これに対応するために、IT 部門は 4 日もかけず Amazon Chime を立ち上げました。Amazon Chime は、組織の内外を問わず、単一のアプリケーションで、ミーティング、チャット、業務上の電話を可能にするコミュニケーションサービスです。現在、ポートセントルーシーの自治体のすべての部署がこのサービスを利用しています。これにより、リーダーシップはミーティングの開催を継続し、市の運営を維持することができています。IT チームは、発言しない参加者のマイクをミュートして周囲の雑音を排除し、これらのミーティングを簡単にモデレーションできます。「オフィスではテクノロジーをあまり使用しないが、在宅勤務中には活用している人々にとって、Amazon Chime は極めて直感的です」と Jones 氏は述べています。「それはいちかばちかでした。Amazon Chime は、自分で選んで使用するシンプルなサービスです」

新型コロナウイルス (COVID-19) のパンデミックによるロックダウン中、450 名の職員が在宅勤務していました。その際、同市は、マネージド型の安全な Desktop-as-a-Service ソリューションである Amazon WorkSpaces の価値を認識することになりました。この自治体はまだ Amazon WorkSpaces を利用していませんが、都市が再びロックダウンされた場合は利用する予定です。このサービスは仮想ワークステーションを数分でデプロイし、PC、Mac、iPad、Kindle Fire、Android タブレット、Chromebook のほか、Firefox や Chrome といったウェブブラウザなど、サポートされているさまざまなデバイスを使用してスタッフがリモートで作業できるようにします。Jones 氏は、将来 50～60 名の職員が Amazon WorkSpaces を利用する可能性があると予想しています。「Amazon WorkSpaces は、家に持ち帰ることができるデバイスを持っていない人々に最適だと考えました。これにより、すべてのサイバーセキュリティによって保護された安全な作業スペースをこれらの職員に提供できるようになり、
仮想プライベートクラウドを通じて内部サーバーに直接接続することができます」。

現在、ポートセントルーシーが主に重点的に取り組んでいることは、建築許可のためのオンプレミスの主力アプリケーションをモダナイズすることです。建築許可システムに障害が発生すると、この都市で繁栄している建築産業、ひいては経済に悪影響を与えることになります。システムが 3 日以上ダウンした場合、市は検査を実施したり、許可を発行したりできず、デベロッパーや建設チームが別の町に行ってしまう可能性があります。ポートセントルーシーは、AWS セレクトコンサルティングパートナーである DOMA Technologies からの移行サポートを利用して、建築許可アプリを Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) にリフトアンドシフトする可能性があります。これにより、スケーラビリティと負荷分散が改善され、高額なハードウェアコストが削減できます。「サーバーを管理する必要がないように、すべてを Amazon RDS に移行しようと考えています」と Jones 氏は述べています。「これは人員を配置する際に役立ちます。そのデータベースを管理するためにデータベース管理者を雇う必要はないからです」 最終的に、開発チームは、建築許可システムを含むサーバーレスの土地開発アプリケーションを構築する予定です。「それを AWS に移行し、サーバーレスアーキテクチャを可能な限り活用する予定です。これにより、管理しなければならないことが最小限に抑えられ、スケーラビリティが改善します」

ポートセントルーシーは AWS で、従量制料金モデルとスケーラブルなインフラストラクチャを活用することで、大幅なコスト削減を実現しています。「幹部から予算を削減しろとの命令が来たら、私はすぐに『これがリストです。利用をやめるものをお選びください』と返答できます」と Jones 氏は述べています。その柔軟性により、市はより革新的で俊敏になることができます。「私たちが試みたことがうまくいかなくても、それほど大きな影響が生じないため、より自由に革新できます。試すためだけにハードウェアを購入する必要はもうないのです」と Jones 氏は述べており、新しいハードウェアのデプロイにかかった時間が 6 か月から 1 年であったと付言しています。「試したものがうまく機能すれば、長期的に利用することで、AWS でコストを削減できます。うまく機能しない場合は、オフにすればよいのです」

市のモダナイゼーションの計画には、データベースに障害が発生した場合に備えて、オンプレミスの仮想サーバーを AWS にバックアップすることが含まれています。また、オンプレミスから AWS への専用ネットワーク接続を簡単に確立できるようにするクラウドサービスソリューションの AWS Direct Connect を利用して、大きなワークロードをより適切に移行できるようにしたいと考えています。

ポートセントルーシーは、AWS でテクノロジーをモダナイズし、前例のない時代に俊敏性を高め、コストを削減することができました。現在、5～6 名の公務員が AWS 認定の取得を目指しています。「AWS で社内ソフトウェアの次のバージョンを構築しようと、多くのサーバーレステクノロジーの利用を開始しています。また、AWS が私たちのプログラマーとデベロッパーに提供してくれた教育も活用しています」と Jones 氏は述べています。「私たちにとっては、クラウドを利用する方がはるかに簡単です」