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Eko が AWS 上で分析パイプラインを使用してデータ駆動型の意思決定をサポート

2020 年

銀行を民主化し、収益をデジタル化する

インドの多くのギグエコノミーの労働者は、銀行口座を使用していません。これらの労働者は通常、現金で給料をもらい、勤務時間は不定期で、信用履歴はわずかであるか、またはまったくありません。Eko は、低中所得の労働者が収入をデジタル化できるようサポートすることで、銀行や金融サービスを民主化しています。

Eko は 13 年間の事業活動を通じて、7,000 万人を超える顧客にサービスを提供してきました。また、150 万の中小規模の加盟店ネットワークを備えており、これは現金の回収および預金のためのセンターとして機能しています。従来は、同社は主に支払いや送金を容易にする金融サービスとソリューションを提供していました。しかし 2018 年までに、Eko の創業者たちは、顧客データを活用してより優れたパーソナライゼーションを提供することを含め、融資や保険などの新しい分野でイノベーションを起こすというビジョンを持つようになりました。

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当社のプラットフォームを AWS で運用することで、常に大量の取引を行っている顧客セグメントを特定し、それに応じてマーケティング活動を集中的に実施できます”

Sheekha Verma 氏
Eko、データサイエンスマネージャー

複雑なデータセットを統合する

2019 年、同社は 3 か月以内にデータパイプラインの構築を担当するデータおよび分析チームの構築に着手しました。チームが直面した最大の課題は、Eko のデータセットの複雑さでした。1 つのデータベースだけで 800 を超えるテーブルが含まれる可能性がありました。生成から 2 か月を超える期間が経過しているデータを取得するには 10 分以上かかる可能性がありました。さらに、プロジェクトチームが 1 年以上前の情報を必要とするたびに、IT チームにリクエストを送信し、回答を得るまでに何時間も、あるいは何日も待たなければなりませんでした。

データおよび分析チームの最優先事項は、時間の経過とともに急速に蓄積され、複数のレガシーデータベースに分散していた Eko のデータを統合することでした。同社は、別のプロバイダーを利用してすべてのワークロードをクラウド上で実行していましたが、分析プラットフォームでは新しいベンダーの採用も視野に入れていました。

チーム一丸となってデータレイクを構築する

チームは提案依頼書 (RFP) を発行し、Amazon Web Services (AWS) のセレクトコンサルティングパートナーである Oneture Technologies と連携することにしました。「当社が受け取った提案のほとんどすべてが AWS を基盤としており、RFP プロセス中に AWS から受けたサポートが決定的な要因となりました」と Eko のデータサイエンスマネージャーである Sheekha Verma 氏は説明します。「さらに、Oneture が当社のアイデアに耳を傾けてくれたことにも感謝しています。Oneture のチームは当社のチームの一部となって、その能力を拡張してくれました。また、この過程を通じて、当社のエンジニアとともにチームをトレーニングしてくれました」。

Eko は Oneture と協力して、さまざまなデータソースを一元的に把握できるようにするデータレイクを AWS クラウド上に構築しました。同社は現在、Amazon EMR をビッグデータの処理に使用し、分析用のデータの準備とロードに AWS Glue を使用しています。Amazon Athena は分析パイプラインの中核となっており、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) に保存されているデータからサーバーレスクエリを実行するために使用されます。

重要なレポートの作成にかかる時間を短縮する

現在、Eko は分析プラットフォームを AWS で実行することで、かつてないほど迅速にデータを取得しています。例えば、同社は定期的に最終顧客の四半期ごとのリテンション率に関するクエリを実行しています。このクエリは、以前は処理に 20 分かかっていましたが、新しいデータパイプラインを使用すると、わずか 3.8 秒で完了します。

Eko では、会社全体の従業員がほぼリアルタイムでデータにアクセスできるようになったため、日々のキャッシュフローをより良く把握できるようになりました。「資金がどこでどのように動いているか、そして、さまざまな時点におけるその動きの速さについてのより深い理解は、当社が見逃していたインサイトでしたが、今ではいつでも確認できるようになりました」と Verma 氏は述べています。

カスタムダッシュボードを使用してチームを強化する

以前は、Eko の各部門がデータへのアクセスを必要とする場合、IT 部門に対して正式に依頼する必要がありました。現在では、各部門用にカスタマイズされたダッシュボードが作成されて利用できるようになりました。「情報収集プロセスを分散させることができたので、エンジニアリング以外のチームも任意の形式でデータにアクセスして操作できるようになりました」と Verma 氏は述べています。

これにより、その能力が強化されたチームの意思決定が改善され、生産性も向上しました。今でもさまざまな部門から、データチームの保有情報の提供依頼が提出されていますが、多くの場合、エンジニアは依頼元の部門のダッシュボードフィルターを調整して、将来そのような依頼が独立して処理されるようにすることができます。

詳細な顧客セグメンテーションを実現する

Eko は顧客をより良く理解するために、自社のサービスの消費パターンに基づいて顧客をグループに分けました。取引の量や頻度、その他の人口統計学的要因や地理的要因に基づいてセグメンテーションすることで、Eko は各グループの特定のニーズにより良く応えることができるようになりました。

2019 年 12 月に分析パイプラインを実装して以来、Eko は包括的なレベルの顧客セグメンテーションを達成しました。「当社のプラットフォームを AWS で運用することで、常に大量の取引を行っている顧客セグメントを特定し、それに応じてマーケティング活動を集中的に実施できます」と Verma 氏は述べています。

リアルタイムのインサイトを活用してカスタマーエクスペリエンスを改善

分析プロジェクトを開始する前から、Eko は既に顧客を引き付けて維持するための他の方法を検討していました。新しいインサイトに基づいて、Eko のサービスを初めて使用した新規顧客に個人的に連絡するロイヤルティプログラムを運用しています。

プロジェクトと基盤となる解約予測モデルはまだ初期段階ですが、成功は間近に迫っているように見えます。「最も高いロイヤルティを示している顧客セグメントでは、売上コンバージョンが少なくとも 10% 増加すると予測しています。これは当社の収益の 70% を占めています」と Verma 氏は述べています。

また、顧客活動の変動を俊敏に把握してそれに対処できるようになったことで、Eko は市場の変化や需要に迅速に対応できるようになりました。例えば、2020 年の初め、あるデータアナリストが非コア製品の 1 つに対する需要の急増を検出したとき、同社はマーケティング活動の一部をリダイレクトし、その製品の需要をサポートするために追加のリソースを迅速に割り当てることができました。「AWS と Oneture を使用して、Eko は分析を通じて顧客により良いサービスを提供する方法を革新し続けています」と Verma は締めくくります。


Eko について

Eko はインドの金融サービス企業で、2006 年の創業以来、7,000 万人を超える低中所得の労働者にサービスを提供してきました。Eko のミッションは、ギグエコノミーの労働者が収入をデジタル化し、バンキング商品や金融商品に幅広くアクセスできるようにすることです。

メリット

  • クエリ処理時間を 20 分から 3.8 秒に短縮
  • 顧客活動に関するリアルタイムおよび過去のインサイトを取得
  • キャッシュフローの可視性を改善 
  • 融資などの新しい業種での商品のリリースを促進
  • 顧客のコンバージョン率が 10% 以上増加する見込み

使用されている AWS のサービス

Amazon Simple Storage Service

Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) は、業界をリードするスケーラビリティ、データ可用性、セキュリティ、およびパフォーマンスを提供するオブジェクトストレージサービスです。

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Amazon EMR

Amazon EMR は、業界をリードするビッグデータのクラウドプラットフォームで、Apache Spark、Apache Hive、Apache HBase、Apache Flink、Apache Hudi、Presto などのオープンソースツールを活用して膨大な量のデータを処理できます。

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Amazon Athena

Amazon Athena はインタラクティブなクエリサービスで、Amazon S3 内のデータを標準 SQL を使用して簡単に分析できるようになります。Athena はサーバーレスなので、インフラストラクチャの管理は不要です。実行したクエリに対してのみ料金が発生します。

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AWS Glue

AWS Glue は、分析のためのデータの準備とロードを容易にする、フルマネージド型の新しい抽出、変換、ロード (ETL) サービスです。

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開始方法

あらゆる業界のさまざまな規模のお客様が、AWS を活用してビジネスを日々変革しています。AWS のエキスパートにお問い合わせのうえ、今すぐ AWS クラウドジャーニーを開始しましょう。