Financial Times (FT) はビジネスニュース分野で世界をリードする企業の 1 つで、発行部数は印刷版とデジタル版合計で約 652,000 部に達しています。FT はビジネスリーダーが必要とする情報と分析を 125 年以上にわたって提供してきました。FT のオペレーションはその読者の事業と同様にスピード感あふれるものであり、発行する記事の内容から購読オプションに至るまで、できる限り速やかに正確かつ有意義な決定を下すことこそ高い顧客満足度を保つ秘訣であることを、同社は理解しています。FT ファミリーには、FT 紙と FT.com、Financial Publishing、FT Chinese、Medley Global Advisors (MGA)、および FT Labs が含まれています。FT の教育サービスは、世界のビジネススクールランキングのトップ 50 校のうち 37 校で採用されています。

Financial Times は AWS Redshift によってデータ分析のスピードとコスト効率を実現(日本語字幕) (3:26)

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FT では、これまでもずっと顧客データから得られる機会を重視しており、オペレーション全体にビジネスインテリジェンス (BI) を使用して、顧客のエンゲージメントを分析する独自のメソッドを構築しています。編集者やジャーナリストは BI を用いて記事として扱う内容を決定します。マーケティング部門はキャンペーンの成果を把握するために使用します。セールス部門では、適切な価格設定のために活用されます。

ここ 10 年近く、データは予想を上回るスピードで増加しており、データウェアハウスではほぼ 3 年ごとにプラットフォームのやり直しが求められていました。データウェアハウスのホスト、管理、およびサポートはサードパーティーによってなされていましたが、かなりの費用がかかっていました。スケールアップの手段は人数を増やす以外になく、管理方法の変更も難しく、時間がかかっていました。限られたキャパシティーのデータウェアハウスで高負荷の分析を実行するには、事前に作業スケジュールを決めておく必要がありました。これらの制約事項のために、アナリストは重要性がまだ明確でないビジネス面の問題について調査を実施できませんでした。

またもやプラットフォームの再編が必要になったとき、データ利用が今後も時とともに増え続けることを考えて、FT ではより安価かつスケーラブルなソリューションの調査に乗り出しました。「データの増加は予想をはるかに超えるもので、今後もそのレベルが低下することは考えられませんでした」と BI デリバリー部門を率いる John Kundert 氏は語ります。「ビジネスとともに成長する、スケーラブルなソリューションが必要だったのです」

同社はまた、意思決定スピード向上のため、リアルタイムに近いアクセスも必要としていました。提案依頼書 (RFP) を作成し、回答を評価してベンダーを選択するには数か月、またはそれ以上の時間がかかる場合があります。「私たちの働く環境はダイナミックかつ流動的なので、RFP プロセスが終わる頃には、得られた結論がもはや有効でないと感じたものです」と Kundert 氏は言います。

FT 社の BI チームでは、Amazon Redshift によって自社のニーズを満たせるかどうか、実験することにしました。同社では 2 年分の FT.com における行動データをアップロードし、それにレポートツールを追加しました。初期状態での負荷は、FT.com でなされたすべてのクリックを網羅した約 20 億件に達しました。続いて、アナリストがその結果を FT の従来のデータウェアハウスから得られた結果と比較しました。データウェアハウスは Microsoft サーバーテクノロジースタックを使用していたもので、その結果は一致しました。

Amazon Redshift の実行速度は、クエリ実行に一晩中かかるのに慣れていた一部のアナリストが誤動作を疑うほどのものでした。結果は正確であり、しかも非常に高速だったのです。「実行させたクエリの一部は 98 パーセントも速くなり、他のほとんどのクエリも 90 パーセント速くなりました」と FT の CTO である John O'Donovan 氏は言います。「多額の資本を投じる前に Redshift を試すことができたのは、実に幸運でした」FT では、Amazon Redshift をデータウェアハウスレイヤー専用として使用することを決定しました。

「Amazon Redshift は当社のユーザーデータの唯一のソースです」と O'Donovan 氏は言います。「顧客による使用方法、カスタマーサービス、および広告についてのデータが保存され、さまざまな観点からビジネスに活用できる形で返ってきます」

FT にとって、スピードの向上はビジネス面の意思決定の向上を意味しています。以前のデータウェアハウスを使用していたときには、購読数の新規獲得と流出についての週単位のレポートを利用していましたが、これは少なくとも数日前に存在していたデータに基づいて決定を下しているということでした。現在 FT のアナリストがアクセスやクエリを行えるクリックストリームデータは、以前のデータウェアハウスのような 1 時間単位のものではなく、秒単位や分単位のデータです。

実装プロセスにおいて、同社はデータのロードが高速で、かつカスタマイズもあまり必要ないことに気が付きました。クラウドへの移行によって、バックアップ計画を立てることやその他のデータベース管理タスクからも解放されました。アナリストは大量のトレーニングを受けなくてもビジネス面の問題を調査できるようになるため、新規ツール向けトレーニングのコストと時間の節約にもなりました。

FT では Amazon Redshift を利用することで、従来のビジネス機能はそのままに、コストを 80 パーセント引き下げることに成功しました。人数を増やすことなく、クエリの速度は大幅に向上しました。

さらに、スピードの向上により、ビジネスにおいてより全面的で洗練された分析を行うことや、収益や読者の増加につながるソリューションを展開することも可能になりました。例えば、FT が自社開発したウェブアプリケーションでは、自分の書いた記事の成績や、どのような読者に読まれているかを、ジャーナリストがリアルタイムで見ることが可能です。このツールでは、FT のコンテンツ作成を担当する従業員にデータが直接配信されます。

データの収集と分析機能により、FT では読者がただページをクリックした後すぐに別の場所へ移動しているのではなく、じっくりと記事を読んでいることを示すことができます。ビューアビリティーについての業界一般のスタンダードは 0.5 秒であるのに対し、FT では 5 秒を基準としています。「当社の基準は 10 倍も高いので、FT でビューアブルな広告は、確実に可視性の高いものなのです」と O'Donovan 氏は言います。このようなインサイトによって FT.com の広告の価値を広告業者にアピールできるため、収益増加につながっています。こうしたイノベーションはいずれも、キャパシティーに限界があり処理スピードも遅かった以前のデータウェアハウスでは実現が不可能でした。

FT では Amazon Redshift への移行によってキャパシティー面の制約を排除できたため、ビジネスについてどの問題を調査するか迷うことなく、すべての問題を調査できるようになっています。さらに、統計的な関連性を強化するためにアナリストがクエリに変数を追加することも可能です。ビジネスにおいて機会を目ざとく見つけて分析し、ソリューションを試し、結果を評価するという流れが、リアルタイムに近い形で実現されているのです。「ほぼリアルタイムでデータを調べられるようになって、当社の意思決定能力は大きく向上しました。3 日前や 4 日前に起きたことではなく、今起こっていることに基づいて決定できるのです」と O'Donovan 氏は言います。「Redshift は、当社の意思決定を進めるエンジンと言えるほど重要なのです」

データウェアハウスのニーズを満たすときに AWS がどのように役立つかについては、Amazon Redshift の詳細のページ http://aws.amazon.com/redshift/をご覧ください。