Halliburton が Amazon Aurora を使用してパフォーマンスを最大 30% 向上させる

2020 年

クラウドコンピューティングの出現により、レガシー製品が新しい市場標準に合わせて迅速に進化することが可能になりました。8 年前、石油およびガス会社に探索および生産 (E&P) ソフトウェアソリューションを提供する Halliburton Landmark は、クラウドに大きな可能性を見出しました。そのため、同社はデータ管理ソフトウェアをオンプレミスのリレーショナルデータベースから Amazon Web Services (AWS) データベースに移行し、同社の製品をクラウドフレンドリーな Software as a Service (SaaS) へと効果的に転換させました。これにより、顧客の現在のニーズにより良く対応することが可能となりました。

Halliburton Landmark は、クラウド用に構築されたフルマネージドのリレーショナルデータベースである Amazon Aurora を利用して、オンプレミスプラットフォームを変革しました。これにより、同社は、データベースのスケーラビリティ、可用性、および信頼性を同時に改善し、Halliburton Landmark チームがメンテナンスの責任を負わなくてもよくなりました。

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ユースケースとワークフローにもよりますが、Aurora でパフォーマンスが最大 30% 向上します” 

Amanda Smith 氏
情報管理およびプラットフォームテクノロジー研究開発責任者

AWS クラウド向けにオープンソース戦略を追求する

Halliburton Landmark は、E&P 業界向けのソリューションとソフトウェア駆動型のライフサイクルに関するインサイトを提供します。30 年以上前に、同社は OpenWorks® と呼ばれるソフトウェアであるプロジェクトデータ管理システムをリリースしました。これは事実上の標準となり、現在でも多くの企業が、上流の石油およびガスのペトロテクニカルアプリケーション向けの主なデータ管理ツールとして利用しています。しかし、Halliburton Landmark は、ソフトウェアの提供を離れて SaaS に移行したいと考えていました。これにより、独自の開発チームを持たない石油およびガス会社、またはデータベースの管理にリソースを費やしたくない会社は、システムの恩恵を受けることができるようになります。そこで同社は、Oracle を利用し、主にオンプレミスであった OpenWorks® ソフトウェアを、DecisionSpace® 365 データプラットフォームである Data Foundation と呼ばれるクラウドを利用した SaaS に変える取り組みに着手しました。このデータプラットフォームは SaaS として、クラウドネイティブのデータストアを利用してデータを大規模に取り込み、管理するだけでなく、多くの業界に合わせてカスタマイズできるフルマネージドモデルも提供します。

2012 年、Halliburton Landmark は、クラウドベースのソリューションを利用するより多くの機会を特定し、コストを削減するクラウドテクノロジーを全面的に採用する戦略を策定しました。その戦略の一環として、OpenWorks® が 30 年を超える期間にわたって実行してきた従来のソリューションに加えて、新しいフルマネージドクラウドデータベースサービスである Aurora 向けのオプションを含めることを決定しました。Halliburton は、コストを削減し、アップタイムとスケーリング機能を強化し、シームレスにアップグレードするソリューションだけでなく、SaaS プロバイダーとしての運用の負担を軽減するマネージドサービスも求めていました。そのため、同社は Aurora に注目しました。「過去 30 年を超える期間にわたって、当社は従来、お客様が実行および維持するソリューションを提供してきました」と Halliburton Landmark の情報管理およびプラットフォームテクノロジー研究開発責任者である Amanda Smith 氏は述べています。「当社がこれらの企業のクラウド SaaS ソリューションプロバイダーとなり、当該企業のデータベースを維持する責任を負うようになることは、これらのすべてのスキルセットを社内に備えておく必要があることを意味していました。Aurora を利用すれば、データベースを管理するためのスキルセットを社内で備えておく必要がなくなります。AWS が持つそれらの機能を活用できるのですから」。

Amazon Aurora を利用してパフォーマンスを向上させる

オンプレミスのソースデータベースと Aurora は異なるため、Halliburton Landmark は 2 段階の異種データベース移行を実行しました。まず、同社は、既存のスキーマとコードをオンプレミスの PostgreSQL データベースにリファクタリングしました。「これは、PostgreSQL データベースを必要とするいくつかのソリューションのために、オンプレミスにデプロイできることを意味していました」と Smith 氏は述べています。その後、Halliburton Landmark はクラウドに移行し、オンプレミスの PostgreSQL データベースを PostgreSQL 互換の Aurora に移行しました。

Aurora への移行により、顧客は従来のデータベースに関連するライセンス料を支払う必要がなくなったため、Halliburton Landmark は自社製品をより低い料金で販売できるようになりました。また、Data Foundation のパフォーマンスも向上しました。「Aurora でアプリケーションを実行するために、多くのテストを実施しました」と Smith 氏は述べています。「ワークフローやユースケースにもよりますが、Aurora でパフォーマンスが最大 30% 向上します」。 Aurora では、プラットフォームをスケールして、ユーザートラフィックと消費の需要を満たすことができます。Smith 氏は、特に Halliburton Landmark がそのインフラストラクチャとソリューションの両方について Service Organization Controls (SOC) 2 認定を取得するためのプロセスにあることを踏まえると、保管中および転送中の暗号化によってデータが常に安全であることがわかっていることで安心できると述べています。このプロセスでは、会社が適切なサービス組織を有しているか、顧客データを管理するための保護措置と手順を備えているかについて、独立公認会計士の確認を受けることになります。SOC 2 認定には、2 つの別個のレポートが含まれます。SOC 2 基準に基づいてシステムとコントロールの設計を測定する Type 1 レポートと、運用上の有効性を測定する Type 2 レポートです。Halliburton Landmark は、iEnergy® Hybrid Cloud ソリューションについて、Type 1 レポートを受け取っています。また、Type 2 レポートは進行中で、2021 年に完了する予定です。

Aurora はフルマネージドサービスであるため、AWS は、ソフトウェアの手動パッチ適用、セットアップ、設定、バックアップなどのデータベースオペレーションに責任を負います。さらに、Halliburton Landmark チームが元のデータベースを自己管理していたときよりもはるかに迅速に、これらのタスクを完了します。従来のデータベースでは数週間または数か月かかっていたソフトウェア更新が、Aurora では 1~2 時間で完了します。「これは継続的なアップグレードです」と Halliburton Landmark の情報管理担当デリバリーマネージャーである Srini Kethireddipalli 氏は述べています。「お客様はほぼ毎週、お望みのものを入手できるのです」。 しかし、移行の全体的な主たるメリットは、Halliburton Landmark がプラットフォームの実行に用いるテクノロジーのエキスパートになることなく、SaaS プロバイダーとして事業活動を遂行できることです。代わりに、同社はこれらのテクノロジーを利用する革新的な E&P ソリューションに集中できます。「当社はこれらのツールの提供を AWS に頼っており、それらを基盤として、ソリューションを提供するために E&P 分野における専門知識を活用しています」と Smith 氏は述べています。「AWS を利用することで、基盤についてのエキスパートである必要がなくなり、最終段階の作業により迅速に取り組むことができます」。

AWS ツールを通じてオペレーションを継続的に最適化する

Halliburton Landmark は、自社の事業活動に AWS ソリューションを利用する方法を引き続き模索していきます。「AWS マネージドサービスを利用することが当社の最初のステップでした。これは、本当に良い最初のステップでした」と Smith 氏は述べています。「これからも、より多くのサービスを利用し、それらの利用を最適化していきます」。

Halliburton Landmark は、クラウドがイノベーションを起こし、顧客により良いサービスを提供する機会であると考えました。Aurora を利用することで、同社は業界標準の製品をソフトウェアから SaaS に変革できました。これは、顧客に信頼されるスケール、パフォーマンス、およびサポートを提供するために、クラウドで再び生まれ変わろうとしています。


Halliburton について

1919 年に創立された Halliburton は、エネルギー業界向けの製品およびサービスを提供する世界最大規模の企業です。80 を超える国々に約 40,000 名の従業員 (国籍は 140 に及びます) を擁する同社は、炭化水素の位置特定と地質データの管理、掘削と地層の評価、坑井の建設と完成、資産の寿命全体にわたる生産の最適化など、顧客が油層のライフサイクル全体で価値を最大化できるようサポートします。

AWS の利点

  • ユースケースとワークフローに応じて、パフォーマンスを最大 30% 改善
  • 数週間または数か月ではなく、1~2 時間でアップグレード
  • データベース管理の責任を排除することで、職員の時間を節約
  • 転送中および保管中のデータの安全な暗号化を実現

使用されている AWS のサービス

Amazon Aurora

Amazon Aurora は、MySQL および PostgreSQL と互換性のあるクラウド向けのリレーショナルデータベースであり、従来のエンタープライズデータベースのパフォーマンスと可用性に加え、オープンソースデータベースのシンプルさとコスト効率性も兼ね備えています。

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