Case Study: Infor

2016 年

Infor は、ユーザーのニーズに応える機能性と科学的分析力を持つビジネスアプリケーションを構築しており、クラウドを介して特定の業界向けて、安全にソリューションを提供しています。世界 200 以上の国と地域に 15,000 人の従業員と顧客を持つ Infor は、ヘルスケア、製造、ファッション、流通、ホスピタリティ、小売業、公共部門といった業界の重要な処理が自動化されます。

Python のチュートリアルを開始する
kr_quotemark

「Amazon EBS st1 ボリュームを使用することで、データベースバックアップのワークロードのパフォーマンスが格段に向上し、毎月のバックアップコストも 75% 削減されました。」

Randy Young 氏
Infor、クラウドオペレーションディレクター

課題

Infor がクラウドへの移行を決定し、業種向けのパッケージソリューションを提供することを決定したとき、同社は多くの顧客メリットを認識しました。「当社のビジネスはアジアやヨーロッパなどで成長しており、これらの地域の顧客のために、より迅速にアプリケーションを立ち上げられるようにしたいと考えていました。」Infor のクラウドオペレーションディレクターを務める Randy Young 氏は言います。「そのためにはより迅速な対応が必要でしたが、顧客やビジネスの状況から、データセンターを構築しても意味はありませんでした。当社は所有しているハードウェアの管理、調達、プロビジョニングから解放されたいと考えていました」

Infor では、Microsoft SQL サーバーベースのアプリケーションデータのバックアップ時間を短縮する方法も探していました。「当社には毎日バックアップする SQL サーバーのデータが約 2 ペタバイトありました」と Young 氏は言います。「フルバックアップには最大 12 時間かかりましたが、これは長すぎました」

Infor にとっては、顧客のアプリケーションの可用性を向上させることも重要でした。「お客様のアプリは企業のリソース計画、人事管理、医療アプリケーションなどのミッションクリティカルなソリューションです」と Young 氏は言います。「高可用性は不可欠です」

アマゾン ウェブ サービスが選ばれた理由

Infor は、顧客向けアプリケーションを AWS クラウドに移行し、Amazon Web Services (AWS) を全面的に採用することを選択しました。「当社では Amazon のクラウド技術のリーダーとしての地位を信頼していましたので、アプリケーションの AWS への移行については十分な自信を持っていました」と Young 氏は言います。Infor では複数の企業向けアプリケーションをデータセンターから AWS に移行しました。それぞれが Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) インスタンスで稼働しており、Elastic Load Balancing でトラフィックを分散しています。同社は Auto Scaling を使用して、需要に応じてアプリケーションのスケールアップやスケールダウンのプロセスを自動化しています。

Infor では Amazon EC2 I2 インスタンスを使用していますが、このインスタンスは、数万 IOPS もの低レイテンシーをアプリケーションに提供するように最適化されています。「多くの SQL サーバーのワークロードは継続して 15,000 IOPS の転送が可能ですが、長期間となるとサポートは困難になってきました」と Young 氏は言います。「Amazon EC2 I2 インスタンスで経験したパフォーマンスと価値は満足できるものでした」 同社は SQL サーバーデータベースのエフェメラルストレージに Amazon EC2 I2 インスタンスを使用しており、クラスターは複数のアベイラビリティーゾーンでサポートされています。「Amazon EC2 I2 インスタンスとエフェメラルストレージを併用すると、トランザクションのワークロードに強力なパフォーマンスを提供できます。クラスターが複数のアベイラビリティ―ゾーンにまたがっているため、アプリケーションの可用性がさらに向上します」

Infor では Amazon Elastic Block Store (Amazon EBS) の使用も開始しました。これは同社の Amazon EC2 インスタンスにブロックレベルのストレージボリュームを提供するサービスです。Amazon EBS ボリュームは可用性が高く、同じアベイラビリティーゾーン内にある任意の Amazon EC2 インスタンスにアタッチできます。同社の SQL サーバーデータベースのプライマリインスタンスとスタンバイインスタンスには Amazon EBS ボリュームがアタッチされ、Amazon EBS ボリュームのスナップショットを使用してデータベースを Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) にバックアップします。最近、Infor では Amazon のスループット最適化 HDD (st1) EBS ボリュームを使用してデータベースバックアップのワークロードをアップグレードすることを決定しました。これは高スループットのシーケンシャルワークロード用に設計された低価格のボリュームタイプです。

利点

Amazon EBS st1 ボリューム (コストは gp2 ボリュームの半分未満) に移行することで、Infor ではコストを削減すると同時にパフォーマンスの改善を実現しました。コストが大きく削減されたのはバックアップの必要量が少なくなったためでした。これによって、同社の Amazon EBS 階層化ボリュームとその Amazon S3 へのバックアップに使用される Amazon EBS の両方に対する容量の要求が減少しました。「当社では、Amazon EBS st1 ボリュームを使用してデータベースバックアップのワークロードパフォーマンスの大幅な向上を実現しており、月次バックアップのコストも 75 パーセント削減しています」と Young 氏は言います。「ライブデータのバックアップリカバリポイントも時間内に改善できました」

Amazon EBS st1 ボリュームによって SQL サーバーのストレージとバックアップに一定のスループットが提供されるため、Infor ではデータのバックアップ時間とトランザクションログのバックアップ時間が短縮されます。「SQL サーバーのバックアップは 30 パーセント速くなりました」と Young 氏は言います。「以前はフルデータベースバックアップに最大 12 時間かかっていたので、30 パーセント削減できるのは大きいです」 さらに、Infor では同社のアーキテクチャと Amazon EBS st1 ボリュームのおかげで、ディスクに格納するバックアップデータの量を削減できました。特に低価格の st1 ボリュームにより、Infor ではデータベースごとに別々の st1 ボリューム 3 つを特定の用途 (1 つはトランザクションログ、1 つは部分バックアップ、1 つはフルバックアップ) のために用意することができるようになりました。この構成によって、復元とスナップショットの両方が高速化されると同時にバックアップの容量が最適化されます。st1 ボリュームの高スループットパフォーマンスによって、データベースから st1 ボリュームへ、そしてスナップショットから長期バックアップ用 Amazon S3 への段階的バックアップの高速化も可能になります。また、Infor はいくつかのバックアップコピーを保持する必要がなくなりました。以前はバックアップ処理が相当長時間になるために発生する不確実性に対するヘッジとして保持していました。「当社には 1 週間に 1 度バックアップが必要な 3 テラバイトのデータベースがあり、そのデータベースのバックアップサイズの 5 分の 1 を削減できました。EBS st1 ボリュームのバックアップの容量が小さくなったため、継続的に 12 時間以上データベースのスナップショットをとる必要はなくなりました」と Young 氏は言います。

Infor は、AWS でエンタープライズアプリケーションを実⾏することでよりアジリティを高めています。「Auto Scaling のようなサービスを使⽤することで、データセンターでプロセスを管理することなくアプリケーションを自動的にスケールアップしたりスケールダウンしたりすることができます」と Young ⽒は⾔います。「こうした方法により、アジリティをさらに高めることができています。アジアやヨーロッパなどの新しい市場で顧客のアプリケーションが稼働するようになると、もっと迅速に行動できます。全体的に⾒ると、アジャイルな対応を行うことで、世界中のお客様のニーズに、より迅速に対応できるようになります」

同社は AWS を使用することにより顧客のアプリケーションの可用性も向上させました。「3 つのアベイラビリティーゾーン間の同期レプリケーションを利⽤することで、世界中の顧客に対してより高い可用性を確保することができます」と Young ⽒は⾔います。「AWS クラウドを利用することで、顧客のアップタイムのSLAを上回ることができました。このことは、グローバルにビジネスを成長させていく上で非常に重要になります」


Infor について

Infor は、ユーザーのニーズに応える機能性と科学的分析力を持つビジネスアプリケーションを構築しており、クラウドを介して特定の業界向けて、安全にソリューションを提供しています。


利用されている AWS のサービス

Amazon S3

Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) は、業界をリードするスケーラビリティ、データ可用性、セキュリティ、およびパフォーマンスを提供するオブジェクトストレージサービスです。 

詳細 »

Amazon EC2

Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) は、安全でサイズ変更可能なコンピューティング性能をクラウド内で提供するウェブサービスです。

詳細 >>

Elastic Load Balancing

Elastic Load Balancing は、アプリケーションへのトラフィックを複数のターゲット (Amazon EC2 インスタンス、コンテナ、IP アドレス、Lambda 関数など) に自動的に分散します。

詳細 >>

AWS Auto Scaling

AWS Auto Scaling は、安定した予測可能なパフォーマンスを可能な限り低コストで維持するためにアプリケーションをモニタリングし、容量を自動で調整します。

詳細 >>


開始方法

あらゆる業界のさまざまな規模の企業が、AWS を活用してビジネスを日々変革しています。AWS のエキスパートにお問い合わせのうえ、今すぐ AWS クラウドジャーニーを開始しましょう。