Kellogg’s は、ミシガン州バトルクリークに拠点を置くグローバルな食品製造企業であり、18 か国で製造された製品が 180 を超える国々で流通しています。同社は、シリアルに加えて、クッキー、クラッカー、冷凍ワッフルなどのインスタント食品で知られてます。
ヨーロッパの Kellogg’s に勤務している 3,000 人の従業員にとって、同社の SAP アプリケーションはビジネスの不可欠な部分です。毎日、多くの部門の従業員が SAP BW、SAP ECC、SAP SCM モジュールを使用してヨーロッパ全体のトランザクションを追跡しています。「SAP は、当社のあらゆるサプライチェーン、財務、ロジスティクス、製造トランザクションのバックボーンです」と、Kellogg’s Europe の IT ディレクター Ramesh Kollepara 氏は述べています。「ヨーロッパでのビジネスにとってきわめて重要です」。
しかし、同社の 2020 年の成長計画を後押しするため、Kellogg’s はオンプレミス SAP システムを以前のハードウェアからアップグレードする必要がありました。「成長イニシアチブの一環として、信頼性の高いモダンでスケーラブルなプラットフォームが必要です」と、Kollepara 氏は述べています。「以前のハードウェアではそれを実現できませんでした。そのため、当社の既存のインフラストラクチャはビジネスにリスクをもたらしていました」。 具体的には、同社の古いハードウェアによって SAP アプリケーションのパフォーマンスに問題が生じ、ロジスティクスおよび財務レポートは完了に時間がかかっていました。「パフォーマンスの問題を解決するのではなく、付加価値の高いテクノロジーに焦点を当てることにしました」。
Kellogg’s Europe は、同社の SAP モジュールをアマゾン ウェブ サービス (AWS) クラウドに移行してその課題を克服することを選択しました。「テクノロジーに関しては、クラウドを優先する方針を採用しています」と、Kellogg’s Europe の CIO 兼 IT バイスプレジデント Lesley Salmon 氏は述べています。「実装コスト、将来の戦略との適合性、成長のための柔軟性を考慮に入れて、社内ソリューションとクラウドソリューションを比較しました」。 Kollepara 氏は「信頼性、柔軟性、スケーラビリティが最も高いのは AWS であることがわかりました」と付け加えています。
同社の SAP 環境を短期間で AWS に移行するため、Kellogg’s は AWS パートナーネットワーク (APN) のプレミアコンサルティングパートナーであるグローバル IT サービスおよびコンサルティング企業 Wipro によるサポートを受けました。Wipro は Kellogg’s と密接に連携し、SAP BW、SAP ECC、SAP SCM モジュールを、割り当てられた 48 時間よりも短い 30 時間で AWS に移行しました。Kollepara 氏は「移行全体を 1 回の週末で終える必要がありましたが、それを楽に実現させたのです」と述べています。 事実、Kellogg’s はタイムリーで問題のない移行のために SAP Quality Award を獲得しました。
同社は現在、SAP 環境を Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) のメモリ最適化された X1 インスタンスで実行しています。このインスタンスは最新の Intel® Xeon® プロセッサで実行されており、SAP アプリケーションデータのバックアップとアーカイブに Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) バケットを使用しています。
SAP アプリケーションを AWS クラウドに移行してから、Kellogg’s Europe の全体的なシステムパフォーマンスに大幅な改善が見られました。「当社の SAP ロジスティクスおよび財務レポートの中には、AWS で最大 60% 高速に実行されているものがあります」と、Kollepara 氏は述べています。「これは、当社の SAP ユーザーが生産性をさらに高め、結果をすばやくビジネスに報告できることを意味します」。
同社のバッチ処理ジョブは大幅に改善され、以前より 90% 早く完了するジョブもあります。平均では、バッチジョブの実行が 45% 改善されました。「これらのタスクの多くは、オンプレミス環境ではハードウェアの制限のために完了するまで一晩かかっていました」と、Kollepara 氏は述べています。「アプリケーションの実行速度が遅いため、SAP ユーザーが朝オフィスに来てからタスクが完了するまで最大 2 時間待たなければならないこともあり、生産性に影響を与えていました。AWS に移行することでこの問題が解消されました」。
SAP のパフォーマンスが改善したため、Kellogg’s はシステムのダウンタイムを週 1 回から月 1 回に減らしました。この結果、アプリケーションの可用性が向上しています。ヨーロッパの IT チームは、ビジネスの要求についていくために必要なビジネスの俊敏性も手に入れています。「ビジネスを拡大する 1 つの方法は合併・買収ですが、インフラストラクチャによる制限がなくなったためにこの拡大が可能になっています」と、Kollepara 氏は述べています。「例として、当社は数年前にある会社を買収しましたが、その会社の機能を SAP に移行するためのハードウェアの調達にかなり時間がかかりました。現在では、AWS を使用しているため、新しい会社を数週間以内に SAP で稼働させることができます」。 Salmon 氏は「世界のどこでビジネスをしていても、AWS は当社の要件に合わせてスケーリングできると確信しています」と付け加えています。
俊敏性を高め、よりスケーラブルで信頼性の高い SAP 環境を手に入れたことで、Kellogg’s Europe は組織の計画に貢献できるようになりました。「移行の結果、当社の 2020 年の成長計画を十分に後押しすることができます」と、Salmon 氏は述べています。「当社の AWS インフラストラクチャと全面的なデジタル化により、情報にリアルタイムにアクセスし、行動を促す洞察をビジネスに提供することができます。また、コスト削減の点でも成長イニシアチブの点でも IT を本当に付加価値のあるものに変えることができます」。
AWS での SAP アプリケーションの実行に関する詳細をご覧ください。