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KIKO がすべてを AWS に移行してビジネスを改革

2021 年

KIKO Milano の拡大に対する備えは万全です。化粧品メーカーである同社は、近年の事業再編に続き、e コマースの二桁成長や、2022 年までに世界中で 300 店舗をオープンするなどの変革を、テクノロジーを活用して実現しました。

KIKO の CEO である Cristina Scocchia 氏は、企業戦略におけるテクノロジーの役割を強調しています。「テクノロジーとデジタル化は、ビジネスの継続的成長を支える最優先事項です」と同氏は言います。

1997 年に起業家である Antonio Percassi 氏と Stefano Percassi 氏によってイタリアで設立された同社は、27 の市場にある 900 の小売店と、30 の市場にある e コマースウェブサイトを通して、化粧品や美容グッズを販売しています。 

KIKO は 2017 年に始まった事業再編中、ミラノに拠点のあるオンプレミスデータセンターと外注パートナーに不満を感じるようになりました。常に変化する同社のコンピューティングニーズに柔軟な対応ができず、高いコストがかかるためです。 

KIKO は複数のクラウドプロバイダーを検討した結果、競合他社が提供できない魅力的な価格オプションと幅広いビルトインサービスを備えたアマゾン ウェブ サービス (AWS) を選択しました。AWS は、KIKO が事業展開している地域に複数の物理的なデータセンターを配置しているため、KIKO が以前のプロバイダーで経験したレイテンシー問題も解決しました。    

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「AWS は信頼できるパートナーであり、KIKO があらゆるビジネス目標を達成するための技術的ソリューションを確保してくれます」

Cristina Scocchia氏
KIKO Milano、CEO

ミッションクリティカルシステムを中断しない、迅速かつ簡単な移行

AWS への移行には化粧品のオンライン販売を可能にする KIKO の e コマースプラットフォームが含まれていました。同プラットフォームは小売店販売と並ぶ、同社の戦略の要です。KIKO は開発環境に加えて、SAP や VMware を実行するミッションクリティカルシステムの移行も必要としていました。これには、ERP システム、データウェアハウス、KIKO のすべての店舗取引を処理する SAP カスタマーアクティビティリポジトリが含まれます。 

新しいセットアップは、コストを削減し、基幹システムの可用性を高めながら、手頃な災害対策ソリューションも提供しました。Amazon Macie により、重要な企業データの整理、保護、アクセスも改善されました。Macie は機械学習と Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) のスケーラブルなストレージを活用した、フルマネージド型データセキュリティサービスです。 

4 か月の間に、KIKO はすべてのコアワークロードを Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) に移行しました。AWS Professional Services は KIKO チームと協力して、KIKO のミッションクリティカルシステムに中断が生じないよう、プロセスを迅速かつシームレスに実行しました。これにより、販売とオペレーションが通常どおりに行われました。  

VMware を実行する 300 台のサーバーを VMware Cloud on AWS に移行したことは、特に効果的でした。KIKO は、サーバーを以前のミラノのプロバイダーから、ダブリンの AWS ホスティングセンターに、わずか数週間で移行しました。

「これほど迅速かつ簡単に移行できたことに驚いています」と、KIKO の CTO である Fabio Bogoni 氏は言います。「過去の経験から、このようなプロジェクトには半年~1 年を要すると予想していました」。

AWS では VMware がクラウドで実行されるため、KIKO チームは新しいテストやアプリケーションの変更を行う必要がありませんでした。チームメンバーには既に VMware の使用経験があったため、新しいスキルのトレーニングも不要でした。 

「VMware の移行がきわめてシームレスだった理由の 1 つは、私たちが同じスキルを持っていたからです」と Bogoni 氏は言います。「当社の VMware リソースは現在クラウドにありますが、フレームワークとテクノロジーは以前と同じです」。

VMware Cloud on AWS の採用により、KIKO はサーバーをより効率的なインフラストラクチャにまとめ、コストを 20% 削減することができました。

e コマースの拡張と同時にパフォーマンスを改善

KIKO は成長に備えて AWS を採用しました。新しい市場に参入したことや、米国や欧州で多くの顧客がロックダウン中に化粧品をオンライン購入したことにより、2020 年、KIKO の e コマース事業は 50% 以上成長し、顧客からの注文は 25% 増加しました。 

Amazon EC2、Amazon S3、Amazon AuroraAmazon CloudFront を活用したソリューションにより、KIKO の e コマースウェブサイトは増加する需要に対応できたばかりか、10% のパフォーマンス向上も実現しました。

「私たちは成功への備えをしました」と Bogoni 氏は言います。「オンライン顧客ベースが持続的な成長を始めたとき、当社では既にその準備ができていました」。

AWS の柔軟なオンデマンドモデルにより、需要が急増しても e コマースサイトのスムーズな運用を維持して優れたカスタマーエクスペリエンスを提供できる、十分なリソースを常に確保できます。

KIKO へのアクセス量は、プロモーションや季節的需要に応じて増減します。パンデミック中のある時点では、アクセス量が通常の 3 倍に達しました。同社では、ブラックフライデーやサイバーマンデーなどの大規模なショッピングデーにも、e コマースサイトへのアクセス量が通常の 6~7 倍に急増します。 

Amazon EC2 により、KIKO では新しいサーバーをプロビジョンして需要増加に対応し、閑散期には数回のクリックでリソースを減らせるようになりました。従来のオンプレミスのプロバイダーは、このプロセスに数か月を要していました。この柔軟性により、KIKO はインフラストラクチャコストを 20% 削減できました。

AWS のオンデマンドモデルは、KIKO の一般大衆向け小売り事業の成長もサポートしています。新しい店舗がオープンすると、KIKO のインフラストラクチャは IT チームの関与をほとんど、またはまったく必要とせずに、シームレスに需要増加に対応します。KIKO は今年、パンデミックにもかかわらずギリシャとセルビアという 2 つの新しい市場に参入しました。 

KIKO が AWS でウェブサイトマルチメディアを強化

AWS による成功をきっかけとして、KIKO はさらなるワークロードのクラウド移行を進めています。すべてを AWS に移行することで、必要に応じて容易に新製品を追加できます。

直近では、e コマースチャネル用のコンテンツ配信ネットワーク (CDN) を Amazon CloudFront に移行しました。CDN により、KIKO のウェブサイト利用者に対するデータ、動画、アプリケーション、API の安全かつ効率的な配信を管理できます。CloudFront の採用により、画像、動画、フォントなどのマルチメディア要素のロード時間が短縮され、カスタマーエクスペリエンスが向上しました。これらのワークロードを CloudFront に移行することで、KIKO の CDN に要するランニングコストは 50% 削減されました。  

Bogoni 氏は、AWS へのスムーズな移行だけでなく、会社の成長に合わせて重要な支援を提供し続ける AWS Professional Services を高く評価しています。AWS は戦略と意思決定に関する助言をし、KIKO チームにベストプラクティスを伝え、問題のトラブルシューティングをサポートしています。 

「AWS は営業時間外でも常にユーザーに寄り添います」と Bogoni 氏は言います。 

これらのサポートは今後、KIKO が業務を拡大するにつれて、ますます重要になってきます。AWS は、KIKO の e コマース販売チャネルの継続的成長、多数の新店舗オープン、アジア太平洋地域などの新市場への参入をサポートしてきました。 

CEO の Scocchia 氏は、「AWS は信頼できるパートナーであり、移行段階の KIKO を終始サポートして、すべてのビジネス目標を達成するための技術的ソリューションを確保してくれました」と言います。


使用されている AWS のサービス

Amazon CloudFront

Amazon CloudFront は、データ、動画、アプリケーション、および API をすべてのデベロッパーにとって使いやすい環境で、低レイテンシーの高速転送により世界中の視聴者に安全に配信する高速コンテンツ配信ネットワーク (CDN) サービスです。

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クラウド内の安全でサイズ変更可能なコンピューティング性能。初期費用なしで必要なときにアプリケーションを起動。

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VMware Cloud on AWS

AWS は、vSphere ベースのワークロードすべてに対応した、VMware 推奨パブリッククラウドパートナーです。 VMware と AWS のパートナーシップは、迅速かつ簡単で高コスト効率のハイブリッドクラウド導入を支援します。同時に、お客様がアプリケーションを最新化し、市場投入までの時間を短縮し、イノベーションを促進できるようにします。

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Amazon Aurora

Amazon Aurora は、MySQL および PostgreSQL と互換性のあるクラウド向けのリレーショナルデータベースであり、従来のエンタープライズデータベースのパフォーマンスと可用性に加え、オープンソースデータベースのシンプルさとコスト効率性も兼ね備えています。

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