Leadinfo が AWS を利用して IT コストを 30% 節約し、開発者の作業効率を 50% 改善

2022 年

Leadinfo は、オランダを拠点とするスケールアップ企業です。ウェブサイト訪問者情報を分析して、見込み客を絞り込めるサービスを B2B 企業に提供しており、その顧客は、スポーツ団体から、デジタルマーケティングエージェンシー、鉄鋼や包装分野の重工業企業まで多岐にわたります。新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) によって、訪問販売が行えない状況になった後に、同社のビジネスは急成長しました。その後、AWS で稼動する複数のデータベースから Amazon Aurora に顧客データを移行して、月あたりの IT コストを 30 パーセント削減すると同時に、開発者の作業効率を 50 パーセント向上させました。これにより、顧客向けの新機能を短期間で展開し、継続的なビジネス成長の基盤を構築できています。

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以前は、非常に多くの異なるシステムやデータプラットフォームが稼動していたため、開発者は、時間をかけなければ、そのうちの何が機能し、何が機能していないかを判断できませんでした。それが、1 つのシステム、つまり Amazon Aurora にまとまったのです。私たちは確信しました。「これが成功をもたらしてくれるぞ」と"

Quirijn Kleppe 氏
Leadinfo、Head of Product and Growth

Leadinfo が AWS を利用して IT コストを 30% 節約し、開発者の作業効率を 50% 改善

オランダに本拠を置く Leadinfo は、B2B 営業担当者向けに、独自の Software as a Service (SaaS) を構築し、提供しています。このサービスを利用すると、自社のウェブサイトを訪れたユーザーについてや、そのユーザーが詳しく知りたいサービスはどれかといった重要な情報がわかります。 同社の目標は、営業担当者が「匿名のウェブサイト訪問者を顧客にする」ための情報を発見できるようにすることです。

そうした情報を発見できる能力が、これまで以上に重要になりました。新型コロナウイルス感染症のパンデミックが生じたことにより、世界中の多くの地域で訪問販売のほとんどを行えなくなったからです。それがきっかけで、Leadinfo のビジネスは急成長しました。

2017 年に設立された Leadinfo は、当初から Amazon Web Services (AWS) 上に IT インフラストラクチャを構築していましたが、会社の成長がさらに加速するにつれて、目標達成に沿う技術を備えなければならなくなりました。そこで、同社は、AWS チームと連携して、どうすれば IT の効率性を維持できるかを明確にしました。同社が納得した戦略の 1 つは、データベースの統合です。これにより、急拡大する顧客ベース、急増する IT コスト、増大する自社開発者への要求などをより効果的に管理できます。

同社では、稼動中の 4 つのデータベースを 1 つの Amazon Aurora (クラウド向けに構築されたリレーショナルデータベース) に移行することで、月あたりの IT コストを 30 パーセント削減し、開発者の作業効率を 50 パーセント改善し、さらには、新しい開発者のオンボーディングに必要な時間を半分に削減しました。これにより、サービスの新機能の展開を加速して、顧客が以前よりも迅速かつ簡単にセールスリードを獲得できるようにしました。

移行によってコストが短期間で 30% 減少

設立からわずか 3 年ながら急成長した Leadinfo では、IT 環境の更新が必要になっていました。そのため、AWS データベースのスペシャリスト、ソリューションアーキテクトなどの専門家からなるチームに相談しながら、自社に導入する新しいデータアプローチを開発しました。

担当チームは、AWS Working Backwards プロセスを使用して、一連のワークショップ、演習、ディスカッションなどを行い、Leadinfo 内のニーズと目標を評価しました。同社で Head of Product & Growth を務める Quirijn Kleppe 氏はこう話します。「どのような状況が理想的かを検討しました。どの重要業績評価指標を自社に設定するか、どうすれば新機能をすぐに開発できるかに目を向けた後に、こう考えました。『そうなるために必要なものとは何か』と。 答えは明確でした。必要なのは、使いやすく習得が容易で、作業に適したシステムだったのです」。

チームでは次に、3 つの概念実証 (PoC) をテストしました。これによって、どのアプローチが最適かを判断したところ、Amazon Aurora を使用して構築したデータベースと分析システムに移行することが最も効果的であるという結論に達しました。その後、Amazon Athena (データ分析用クエリサービス) と、AWS Glue (サーバーレスのデータ統合サービス) も追加することになります。

新しいデータインフラストラクチャへの切り替えを決定した後に必要となった作業は、複数の既存データベースから Amazon Aurora に顧客データを移行することでした。Kleppe 氏は、こう振り返ります。「大量のデータがありました。重複や混乱が生じないように、すべてのデータをかなり効率的に移行しなければなりません。そこで、最初に 5 件の顧客プロファイルを移行し、20、50、100 と件数を増やしていきました。その中でも問題が発生しそうなデータや実際に問題が発生したデータをすべて抽出した後に、顧客ベース全体を移行しました」。

こうした反復型の手法は、功を奏しました。大規模データセットを移行する各段階でどのような複雑さが生じるかを特定することにより、そのプロセスの後続段階で作業を迅速化できたのです。

すべての顧客データを新しいシステムに移行するのに約 1 か月半かかり、Kleppe 氏によると、その後「作業効率が大幅に向上し、平均コストが 30 パーセント減少しました」。同氏は「さらに減少すると見込んでいます」とも話しており、 最終的には 60 パーセントのコスト削減になると予測されています。

お客様側で 1 秒もかからず結果をフィルタリング可能に

移行中にお客様への影響はなく、移行の完了後すぐに、システム改善について、お客様から良い反応が寄せられました。Kleppe 氏は、こう話しています。「お客様側から見ると、当社のソフトウェアは、以前よりもかなり安定し、必要なタイミングでデータを利用できるようになっていました。この点は非常に重要です。お客様は、当社のサービスを基盤にして販売モデル全体を構築しているからです」。

Leadinfo の開発者も、顧客向けの新機能の展開を迅速化するという利点を得られました。移行によって複数のデータベースのデータが 1 か所にまとまったことで、ソフトウェアの更新を効率化できたからです。

例えば、顧客データを 1 つのデータベースに統合したことで、さらに多くのフィルタリングオプションをソフトウェアに追加できるようになりました。これを使うと、自社のウェブサイトにアクセスしているユーザーの情報を細かく抽出できるため、見込み客を以前よりも正確に絞り込むことができます。フィルタリング結果の読み込みも速くなったため、1 秒もかからずに結果を画面に表示することが可能です。Kleppe 氏は、こう話しています。「移行前は通常、大規模な顧客の場合、読み込みに 1 分かかっていました。現在の待ち時間は、0.5 秒です」。

開発者の作業効率も向上しました。複数のデータベースに分散しているコードを隅々まで検索しなくても済むようになったからです。1 つのデータベースに全データが保存されているため、ソフトウェアの問題の特定や修正をより簡単に行えるようになりました。

また、データの保存場所を確認する方法について、トレーニングを実施する必要がないため、新しい開発者のオンボーディング期間を短縮できています。Kleppe 氏は、こう話します。「以前は、非常に多くの異なるシステムやデータプラットフォームが稼動していたため、開発者は、時間をかけなければ、そのうちの何が機能し、何が機能していないかを判断できませんでした。それが、1 つのシステム、つまり Amazon Aurora にまとまったのです。私たちは確信しました。『これが成功をもたらしてくれるぞ』と」。

「このプロジェクトのおかげで、かなり前進できました」。

Leadinfo は、拡大し続ける大規模な顧客ベースを効果的に管理できるようになり、そのビジネスも世界規模で拡大していくと見込んでいます。また、顧客関係管理システムとの統合や画面録画の処理機能といった、顧客が求めている機能をさらに追加する予定です。

また、特定の市場向けに、言語や通貨への対応といった機能を展開できるようにもなりました。こうした新しいオプションを使うと、特定のニーズに合わせて Leadinfo のソフトウェアの利用方法を顧客側で調整できます。

Leadinfo では、Amazon QuickSight を使用して顧客データを分析しています。これにより、利用パターンと傾向を特定してインサイトを獲得し、継続的な成長、効率性の維持、コスト管理に役立てています。「その日に獲得した顧客の数、オランダと英国のトライアルユーザー数や両国間の差、そうしたトライアルユーザーのコンバージョン率のほか、解約した顧客の数、サブスクリプションをキャンセルした顧客の数などがわかります」と Kleppe 氏は言います。「自社のさまざまな現状について、詳細なインサイトを得られるので、意思決定がこれまでよりもはるかに容易になります」。

Leadinfo は、こうしたインサイトを活用して、今後 1 年間の指針となるビジネスロードマップを作成しています。しかし、この移行プロジェクトは、早くも、同社にとって大きな進歩を示唆するものとなりました。「結果的に、このプロジェクトのおかげで、当社は、かなり前進できました」。Kleppe 氏はそう話しています。


Leadinfo について

オランダに本拠を置き、2017 年に設立された Leadinfo は、B2B 営業担当社向けに、自社のビジネスウェブサイトにアクセスしているユーザーや、ユーザーが属する企業や業界を把握できる Software as a Service (SaaS) を提供しています。営業担当者は、こうした情報の利用により、見込み客を獲得し、「匿名のウェブサイト訪問者を顧客にする」ことができます。

AWS の利点

  • 月あたりの IT コストを 30 パーセント削減
  • 開発者の作業効率が 50 パーセント改善
  • 新しい開発者のオンボード時間を半分に短縮
  • 顧客向けの新機能やサービスの展開を迅速化

利用している AWS のサービス

Amazon Aurora

Amazon Aurora は、組み込みのセキュリティ、ほぼ継続的なバックアップ、サーバーレスコンピューティング、最大 15 のリードレプリカ、自動化されたマルチリージョンレプリケーションに加え、他の AWS サービスとの統合を可能にします。

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Amazon QuickSight

Amazon QuickSight を利用すると、組織内のすべてのユーザーが、自然言語で質問したり、インタラクティブなダッシュボードを通じて調査したり、機械学習を利用してパターンや外れ値を自動検索したりすることで、データを理解できます。

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Amazon Athena

Amazon Athena はインタラクティブなクエリサービスで、Amazon S3 内のデータを標準 SQL を使用して簡単に分析できるようになります。Athena はサーバーレスなので、インフラストラクチャの管理は不要です。実行したクエリに対してのみ料金が発生します。

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AWS Glue

AWS Glue は、分析、機械学習、アプリケーション開発用のデータの検出、準備、結合を簡単に行える、サーバーレスデータ統合サービスです。 AWS Glue はデータ統合に必要なすべての機能を備えているため、数か月ではなく、数分でデータを分析し、使用可能にします。

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