お客様の導入事例 / 金融サービス / インド

2023 年
Protium

Protium がデジタル融資プラットフォームでの信用リスク評価を加速

インドを拠点とする融資企業が、信用リスク評価を合理化しながら、中小企業 (MSME) に対する融資の柔軟なスケーリングとカスタマイズを提供する高度なデジタル融資ソリューションを構築するのを、AWS がどのようにサポートしたのかをご覧ください。 

100%

融資プロセスの自動化 (融資の承認から実行まで)

市場投入までの時間を 30% 短縮

融資プラットフォームにおける新機能の市場投入までの時間を短縮

25% 超

最適化、予約、スポットインスタンスを使用したコンピューティング、データベース、および他のサービスによって実現されたコスト削減

概要

中小企業 (MSME) はインド経済において重要な役割を果たしています。これらの企業は国内総生産の 3 分の 1 に寄与しており、同国の輸出のほぼ半分がこれらの企業によるものです。しかし、多くの MSME は、担保が不足していたり、財務状況があまり良くなかったりすることで融資を受ける際に課題に直面し、リスクが高い借り手として分類されています。これにより、従来の融資制度を利用するのが困難となり、事業への重要な投資を諦めざるをえなくなります。

インドに拠点を置くノンバンク金融企業 (NBFC) である Protium は、そのギャップを埋めるのを支援しています。エンジニアリング駆動型の融資業者は、有担保、無担保、およびデジタルでの現金による融資を個人および MSME に提供しています。Protium は 2019 年の設立以来、2,500 万件を超える取引を処理し、6 億 4,600 万 USD を超える融資を実行してきました。

Protium は、スケーラビリティと可用性に優れたサーバーレスのリレーショナルデータベースエンジンである Amazon Aurora と独自のテクノロジーを利用して、同社のビジネスの中核となる融資およびリスク管理のための社内スタックである Turiya を開発しました。Amazon Web Services (AWS) を利用したプラットフォームのおかげで、Protium は Turiya を利用して、信用サービスをより大規模なユーザーベースに拡張したり、カスタマイズしたりできます。ワークフローベースのモデルを使用することで、同社はプラットフォーム上での製品のリリースやサービスの提供を迅速に行うことができます。さらに、Protium は、コスト効率の高い方法で、高可用性、パフォーマンス、コンプライアンスを維持しながら、チャネル間で統合およびスケールできるようになりました。

Protium の導入事例

機会 | AWS を利用した融資プラットフォームのモダナイズを通じて成功に向けてスケールする

キャッシュフロー、銀行情報、税務申告などの代替信用スコアは、特に限定的な信用履歴しかない個人や MSME にとって、信用度を評価し、融資の承認を促進する上で極めて重要な役割を果たす可能性があります。これにより、金融包摂が促進され、銀行口座を持たない顧客や「まだ完全にデジタル化されていない」顧客が、ティア 2 以降の地域全体で信用サービスを利用できるようになります。

Turiya は、マルチ商品のオムニチャネル融資組成システムとして、代替データソースを活用して個人や MSME の信用リスクを評価します。また、Turiya のワークフローベースのモデルは、200 を超えるアプリケーションプログラミングインターフェイス (API) ともシームレスに統合し、融資申請プロセスの手動タスクを自動化します。これにより、より合理化された効率的なエクスペリエンスが借り手に提供されます。

信頼性、スケーラビリティ、準拠性、コスト効率の高い Turiya のクラウド環境を通じて、Protium はインド全土の個人や MSME の金融における公平性を推進するというビジョンを実現できます。

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MSME はインド経済を支えています。しかし、従来の信用履歴がなければ、多くの人は依然としてローンや融資制度を利用することができません。AWS の最先端のテクノロジーとスケーラビリティにより、当社は全国的に信用サービスへのアクセスを促進し、企業の成長を促進できる革新的で高度な融資プラットフォームを生み出すことができました” 

Padmanabhan Balasubramanian 氏
Protium、Partner

ソリューション | 顧客のオンボーディングと融資エクスペリエンスを強化する

Turiya を AWS にデプロイすることで、Protium はインド全土の MSME に、安全なデジタル融資を即時に提供できるようになりました。融資の承認と実行にかかる時間は 2 時間未満となり、手動処理の 12 倍の速度を実現できました。この時間短縮により、個人や MSME は、ビジネスにとって重要な融資を迅速に利用できます。

また、Protium は AWS を利用して Turiya 用の柔軟なモデルを作成し、複雑なデプロイ前テストを必要とせずに新しい API を簡単に統合できるようにします。その結果、同社はアップデートや新機能をより迅速にロールアウトできるようになり、市場投入までの時間を 30% 短縮することができました。

融資プラットフォームが円滑かつ効率的に実行されるようにするために、Protium は Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS)、Amazon Aurora、および AWS Lambda をデプロイしました。Amazon EKS は、コンテナ化されたアプリケーションを含む Turiya のさまざまな部分がすべて確実にシームレスに連携するよう機能するマネージド Kubernetes サービスです。これに加えて、Amazon Aurora は組み込みのセキュリティ、継続的なバックアップ、サーバーレスコンピューティングを提供し、Amazon Lambda はサーバーレスのイベント駆動型コンピューティングサービスとして機能して、Turiya でのワークフローを促進します。これらの AWS サービスが連携して機能することで、Protium の融資プラットフォームは事実上中断のない可用性を維持できます。また、Turiya は、プラットフォームが遅延や中断なく確実に自動で増加したワークロードを管理し、信用リスク評価を実行できるようにするために、Kubernetes コントロールプレーンノードを自動スケールすることもできます。

また、Protium では Amazon SageMaker と基盤モデルを使用して、はるかに迅速に信用モデルを開発できるため、データサイエンティストはインフラストラクチャの設定に費やす時間を削減し、モデルの再イテレーションにより多くの時間を当てることができます。これは、より正確なモデルを使用して、多様な顧客にサービスを提供できることを意味します。

セキュリティの面では、Protium は、ドメインネームシステム (DNS) サービスである Amazon Route 53 と、一般的なウェブエクスプロイトやボットからウェブアプリケーションを保護する AWS WAF をデプロイしました。これらの 2 つの AWS サービスを組み合わせることで、高可用性を維持し、ウェブリクエストをフィルタリングするとともに、ユーザーアカウントに対する不正アクセスのリスクを最小限に抑えることができます。Protium は、Amazon GuardDutyAWS Security HubAWS Config、および Amazon Detective を利用して、セキュリティイベントを特定し、解決します。さらに、Protium は、クラウドでのワークロードの設計および実行に関する重要な概念、設計原則、アーキテクチャのベストプラクティスを説明する AWS Well-Architected フレームワークに厳格に準拠しています。このフレームワークを使用することで、Protium は異なる AWS アカウント間でデータを安全に分離して維持でき、それによってコストを削減するとともに、データセキュリティ関連のルールや規制を満たすことができました。

AWS チームは、Protium のコスト削減と融資プラットフォームの最適化において重要な役割を果たしました。AWS チームは、インテルベースのプロセッサから AWS Graviton2 ベースの Amazon EC2 インスタンスへの移行において Protium にガイダンスを提供しました。これにより、その料金パフォーマンスが最大 40% 向上しました。また、AWS はクラウド内の未使用および予約済みの Amazon EC2 キャパシティを活用するために、Amazon Elastic Compute Cloud スポットインスタンス (Amazon EC2 スポットインスタンス) と Amazon Elastic Compute Cloud リザーブドインスタンス (Amazon EC2 リザーブドインスタンス) の組み合わせを推奨しました。Amazon EC2 スポットインスタンスだけでも、同社が 25% 超のコスト削減を実現するのに役立ちました。

成果 | 機械学習を利用してさらなるインサイトを得る

Protium は現在、サーバーレス分析サービスとして Amazon Athena を利用し、機械学習 (ML) トレーニング用に Amazon SageMaker と基盤モデルを使用しています。また、同社は今後、クラウドデータウェアハウスの目的で Amazon Redshift を、データガバナンスのために AWS Lake Formation を利用する予定です。これらの 4 つのサービスを利用することで、Protium は顧客データを包括的に分析し、より正確なリスク評価のための ML モデルを開発することを目指しています。生成されたインサイトを利用することで、より関連性が高く、カスタマイズされた金融サービスとスキームを開発することが可能となり、顧客のために価値をさらに高めることができます。

また、Protium の技術チームは、安全なコード開発の速度と効率を高めるために、生成 AI を活用した コードジェネレーターである Amazon CodeWhisperer を試用しています。Protium は、継続的インテグレーションと継続的デプロイのプロセスを統合することにより、新機能を迅速かつ大規模にデプロイすることを計画しています。

最後に、Protium は AWS と緊密に連携し、トレーニングプログラム、ワークショップ、認定インストラクターが主催する AWS Tech Days など、さまざまなイニシアティブを通じて技術チームのリスキリングやスキルアップに取り組んでいます。

他にも、Protium は他の企業が採用できる製品として Turiya を提供することで、その影響力を拡大しています。現在、同社はインドを拠点とする e コマースのマーケットプレイスおよび日本を拠点とする銀行と連携して、Turiya をそのテクノロジースタックに組み込んでいます。これにより、最終的には Protium にとっての新たな収益機会が開かれると同時に、多様なビジネス環境におけるプラットフォームの関連性およびスケーラビリティが実証されることになるでしょう。

「MSME はインド経済を支えています。しかし、従来の信用履歴がなければ、多くの人は依然として重要なローンや融資制度を利用することができません。AWS の最先端のテクノロジーとスケーラビリティにより、当社は全国的に信用サービスへのアクセスを促進し、企業の成長を促進できる革新的で高度な融資プラットフォームを生み出すことができました」と Protium のパートナーである Padmanabhan Balasubramanian 氏は述べています。

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詳細については、aws.amazon.com/financial-services をご覧ください。


Protium について

Protium はインドを拠点とするフルスタック融資プラットフォームであり、代替データソースを使用して、有担保、無担保、およびデジタルでの現金による融資を個人および MSME に提供しています。2019 年の設立以来、Protium は 2,500 万件を超える取引を処理し、インド全土の 50 万を超える顧客に 6 億 4,600 万 USD を超える融資を実行してきました。

利用している AWS のサービス

Amazon Elastic Kubernetes Service

Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS) は、AWS クラウドおよびオンプレミスデータセンターで Kubernetes を実行するためのマネージド Kubernetes サービスです。

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Amazon Aurora

Amazon Aurora は、MySQL と PostgreSQL の完全な互換性を持つ、クラウド用に構築されたリレーショナルデータベース管理システム (RDBMS) です。

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AWS Lambda

AWS Lambda は、サーバーレスでイベント駆動型のコンピューティングサービスであり、サーバーのプロビジョニングや管理をすることなく、事実上あらゆるタイプのアプリケーションやバックエンドサービスのコードを実行することを可能にします。

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Amazon Textract

Amazon Textract は、スキャンしたドキュメントからテキスト、手書き文字、レイアウト要素、データを自動的に抽出する機械学習 (ML) サービスです。

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金融サービスのお客様のその他の導入事例

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    Salesforce on AWS

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    2022
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    Clever Case Study

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    2016
  • Japan

    Japan’s Ministry of Economy, Trade and Industry Powers gBizINFO Corporate Information Search Database with AWS

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