QsrSoft、AWS で開発した QsrSoft TV で、マクドナルドをはじめとする飲食店の従業員へのエンゲージメントを支援

ソフトウェアプロバイダーの QsrSoft は、同社の新製品である QsrSoft TV の開発を通じて、飲食業やホスピタリティ業における労働力不足や従業員の離職の問題に対応し、顧客をサポートしたいと考えていました。QsrSoft TVは、飲食店がほぼリアルタイムで従業員と関わり、スタッフとコミュニケーションを取り、共通の目標に向かって働くことを支援するインタラクティブなソリューションです。同社は製品の改善にあたり、より自由にカスタマイズ可能な機能を提供し、市場投入までの時間を短縮したいと考えました。

QsrSoft は、アマゾン ウェブ サービス (AWS) と連携し、AWS Amplify などのサービスを利用して、QsrSoft TV ソリューションの見直しを行いました。AWS Amplify は、フロントエンドのウェブ/モバイルデベロッパーが AWS でフルスタックのサーバーレスアプリケーションをすばやく簡単に構築できるようにする専用のツールと一連の機能です。3 か月で、2 名のエンジニアからなるチームが、新しい QsrSoft TV ソリューションを立ち上げました。新しいソリューションは、Amazon Fire TV Stick で利用可能なアプリケーションで、ゲーミフィケーション、自動アラート、インスタントメッセージングなどのコンポーネントが追加されました。この変更により、同社はマクドナルドをはじめとする複数の飲食企業やホスピタリティ企業で QsrSoft TVを導入することになりました。

QsrSoft は、ホスピタリティ業、飲食業、小売業の企業向けに、バックオフィスのサポート、オペレーショナルエクセレンスの促進、レポートと分析の簡素化を実現するソフトウェアとアプリケーションを設計しています。COVID-19 のパンデミックが始まったとき、同社は、顧客がワークフォースの維持とモチベーションの向上に課題を抱えていることに気づき、このギャップを埋めるのに役立つリソースを提供したいと考えました。同社のレガシーソリューションの 1 つであるレストランダッシュボードは、ほぼリアルタイムで最前線にロケーションや会社全体のメッセージを伝えることを容易にするデジタルソリューションでした。「私たちはこのツールをもっとすばらしいものに進化させたいと考えていました」と同社のプロダクトリードである John Witherspoon 氏は話します。「飲食店運営者との会話を通じて、高い関心があることが分かりました」 

QsrSoft は 2015 年に AWS の利用を開始し、時間の経過と共に AWS のサービスの利用に大きな信頼を寄せるようになり、同時に顧客基盤を大きく成長させました。「AWS を利用して非常に満足しています」と QsrSoft の最高経営責任者である Tim Burge 氏は語ります。「私たちは成長戦略の一環としてクラウドを全面的に取り入れ、その成果を実際に感じています。コンピューティングコストを削減し、市場投入を迅速化し、顧客の要望にすばやく対応できるようになりました」 そこで、同社は AWS を全面的に採用し、サーバーレスソリューションを使用して、新製品をすばやく投入することを決定しました。レストランダッシュボードを QsrSoft TV に刷新するにあたり、同社は「Working Backwards (目的から遡って考える)」という仕組みを採用しました。これは、顧客の課題を起点としてソリューションのアイデアを考えるよう企業に推奨する Amazon のプロセスです。企業は顧客のニーズを特定し、そこから遡って新しい製品やサービスを生み出します。

同社は「Working Backwards (目的から遡って考える)」の仕組みを取り入れながら、ハイビジョンテレビ対応のオールインワンリモコンである Amazon Fire TV Stick を使用する製品を新たに考えました。「Amazon Fire TV Stick の採用は、QsrSoft 製品の導入のしやすさとスムーズな体験に大きく貢献しています」と Witherspoon 氏は述べます。「Amazon Fire TV Stick はプラグアンドプレイで、手に入れやすい価格のデバイスです」 これにより、飲食店はわずか 3 分で QsrSoft TV を設定できるようになりました。 

QsrSoft は、俊敏性の向上とコスト削減のためにサーバーレスアプローチを採用することも決め、アプリケーションの開発に AWS Amplify を選択しました。同社は、サーバーレスアーキテクチャの構築に AWS Lambda を使用しました。AWS Lambda は、サーバーレスのイベント駆動型コンピューティングサービスです。デベロッパーはサーバーのプロビジョニングや管理をすることなく、あらゆる種類のアプリケーションやバックエンドサービスのコードを実行できます。また、同社は AWS AppSync も採用しました。AWS AppSync は、GraphQL API の開発を容易にする、フルマネージドサービスです。このサービスは、AWS Lambda やその他の AWS のサービスとの安全な接続に必要な、面倒な作業を自動的に処理します。QsrSoft TV アプリケーションの飲食店への提供には、AWS Amplify ホスティングを使用しています。AWS Amplify ホスティングは、AWS Amplify を利用した、最新のウェブアプリケーション向けの高速かつ安全で信頼性の高いホスティングを実現します。 

AWS でサーバーレス化を進めることで、QsrSoft の開発チームは、価値の高い仕事や、同社の製品やサービスに付加価値を与える新しい方法を考えることに集中できます。スケーラブルで完全なサーバーレスアプリケーションスタックにより、大規模な準備やインフラストラクチャの管理を行うことなく、QsrSoft TV を顧客に提供できます。QsrSoft は、新しいソリューションの提供を開始した最初の週に 100 拠点への導入を達成し、6 か月間で 1,000 を超える拠点に導入しました。「AWS を利用することで、より大規模に、創造的に考えることができるようになりました」と QsrSoft の開発ディレクターである Adam Pehas 氏は語ります。「イノベーションを起こせるようになり、より優れた製品が生まれました」 

同社は Amazon DynamoDB も使用しています。Amazon DynamoDB は、ハイパフォーマンスなアプリケーションを実質的にどのような規模でも実行できるように設計された、フルマネージドでサーバーレスの key-value NoSQL データベースです。AWS Amplify と Amazon DynamoDB を使用することで、継続的インテグレーションと継続的デプロイのパイプラインを構築し、ソフトウェア配信プロセスのステップを自動化しました。このパイプラインを使用して、デベロッパーがゲーミフィケーション、自動アラート、インスタントメッセージングなどの機能を追加しました。QsrSoft の新しいソリューションの核となるのは、ほぼリアルタイムのメッセージングであるため、QsrSoft の顧客は、重要な目標をすぐにチームメンバーに伝えることができます。さらに、サーバーレス化により、新しい更新を以前より速く顧客に配信できるようになりました。「私たちは、顧客から現場で使いたい機能について相談を受けます」と Pehas 氏は説明します。「多くの場合、その更新や機能を当日の営業時間終了までに提供してきました」 

新機能の提供により、QsrSoft は高い顧客満足度を得ています。多くの飲食店がこのソリューションを導入し、従業員の離職数が大幅に低下した例もあります。また、同社の顧客の中には、販売やサービス時間などの主要なパフォーマンス領域が 25% 改善された例もあります。例えば、あるマクドナルドのフランチャイジーでは、QsrSoft TV のゲーミフィケーション機能を活用したところ、ドナルド・マクドナルド・ハウスチャリティのための寄付額が 1,100% 超も増加しました。さらに、QsrSoft は QsrSoft TV ソリューションを完全にカスタマイズできるよう設計していて、企業はそれぞれのニーズに基づいて機能を調整できます。「QsrSoft TV を使用することで、顧客は組織全体でゲーミフィケーションやコミュニケーションを行うことができ、スループット、売上、収益性が向上します」と、同社の QsrSoft TV デプロイリードである Tammy Johnston 氏は説明します。「顧客が自分たちの成功について教えてくれるのです。顧客の成功は、私たちの成功でもあります」

現在 QsrSoftは、QsrSoft TV のチャネルやストリーミングコンテンツの拡大に取り組んでいます。また、AWS 環境を拡大し、QsrSoft TV の新しいバージョンや更新を継続的に提供していく予定です。「私たちは顧客からフィードバックを集め、すぐに機能の強化や提供を行うことに自信を持っています」と Witherspoon 氏は語ります。「AWS 上に構築したアーキテクチャのおかげで、迅速に行動し、多くの顧客のニーズを予測できます」