Sainsbury’s Cloud Training Academy、AWS Skills Guild を使用してインクルーシブなクラウド学習の機会を提供

Sainsbury's は、従業員からの関心を引き寄せるために、アダプティブかつスケーラブルで魅力的なプログラムを必要としていました。最も重要なのは、Sainsbury’s の価値観と文化を反映することでした。その選択肢として、技術的かつ文化的な要素を含み、カスタマイズ可能なスキル支援プログラムである AWS Skills Guild が最適であることは明らかでした。AWS Skills Guild のトレーニングフレームワークは、クラウドトランスフォーメーションに必要な人材や組織文化に焦点を当てています。両社の連携により、Sainsbury's Cloud Training Academy が設立されました。

2021 年 7 月にローンチされたこのプログラムは、従業員が自分の興味に基づいてトレーニングを選択するよう促すボトムアップのフレームワークを使用しています。そのサービスは、AWS Learning Needs Analysis (LNA) の結果に基づき、ビジネスニーズと従業員の関心にマッチするように構築されました。このツールにより、Sainsbury’s の従業員に対して、クラウドスキルのギャップを特定し、関連する AWS のコースを推奨することができました。チームがニーズに合ったカリキュラムを作成したことにより、従業員は仮想クラスルームトレーニングコースからハッカソンのような非公式の学習イベントに至るまで、さまざまな学習機会にアクセスできるようになりました。このようにさまざまな学習モジュールを組み合わせたことで、クラウド学習への熱意が高まりました。さらに、従業員に勤務時間の 10% を新たなスキルの開発に費やすよう促したことで、Sainsbury's Cloud Training Academy はすぐにトレーニングの拠点となりました。

Sainsbury's では、7 人のクラウドチャンピオンによるコミュニティも開設しています。クラウドチャンピオンは、クラウドの知識を共有することに熱心な従業員たちです。チャンピオンはプログラムセッションを促進し、コミュニティリーダーとしての役割を果たし、セッションへの参加とクラウドプラクティスを奨励します。最初の 12 か月間で、440 人の参加者が 30 の正式なクラスルームトレーニングに参加しました。トレーニングには、安全でスケーラブルなクラウドアプリケーションの開発方法を学習する Development on AWS や、優れたクラウドアーキテクチャを設計する方法を学習する Architecting on AWS が含まれていました。また、Sainsbury's では、ワークショップのコンテンツやツールにアクセスできる AWS パートナーネットワーク (APN) Immersion Days、実際の AWS のユースケースをエミュレートする一連のチャレンジである AWS Jam、デベロッパーがクラウドベースの 3D レーシングシミュレーターを体験できる AWS DeepRacer など、11 の非公式学習イベントも開催され、704 人が参加しました。

Sainsbury's は、従業員がプロフェッショナルとしての好奇心と責任をもって、独自の学習パスを作成することを奨励しています。Sainsbury's の主任エンジニアである Graeme Forbes 氏は、「Sainsbury's Cloud Training Academy では、個々の能力開発の管理を従業員に委ねています」と述べています。「Cloud Training Academy では、イベントの開催に経営幹部の承認は必要ありません。必要なのは、アイデアに共感した従業員を数人集めることだけです。そうすれば、10% のトレーニング時間に探求したいことを実行し、それを他の人たちと共有することができます」。

例えば、シニアソリューションアーキテクトの James Goodhand 氏は、現在進行中のデータの課題を解決するイベントを開催しました。彼は、サイロ化されたチームがさまざまな分析ツールを使用しており、それがコミュニケーションと効率に影響を与えていることに気付いていました。Goodhand 氏は Machine Learning Day ワークショップを開催し、130 人の従業員が参加しました。データサイエンス、エンジニアリング、分析の各チームを一堂に集めたのです。このイベントでは例題が出され、それを解決するにはチームが協力してさまざまなツールについて教え合い、学ぶ必要がありました。「人は、ただ答えを与えられるときよりも、自分で問題を解決するときに最も多くのことを学びます」と Goodhand 氏は言います。さまざまなデータチームが協力して問題に取り組んだのは今回が初めてでしたが、参加者のフィードバックによって、ハンズオン型のチーム間トレーニングの価値が証明されました。同氏は、Sainsbury’s のデータと分析戦略を改善し、非効率性を軽減するためのフレームワークと反復可能なプロセスを作成しました。

また、Sainsbury's Cloud Training Academy では、ダイバーシティとインクルージョンの価値も強化しています。例えば、従業員のアクセシビリティを社内で継続的に改善するために、社内アプリケーションが高い基準を満たしている必要がありました。同社は新たな技術標準を作成し、ベースラインのアクセシビリティに関するガイドライン、ツール、ドキュメントを一元化しました。認知度を高めるため、Sainsbury's は非公式の学習セッションを主催し、AWS エキスパートを招いて従業員の意欲を高めました。製品およびエンジニアリングに携わる 230 人以上の従業員が、アクセシブルな設計に対する Amazon の手法について学びました。Sainsbury's の Senior Accessibility Specialist である Bryn Anderson 氏は次のように述べています。「このセッションの参加者は、Amazon 側から披露された内容に触発され、この新たな技術基準を満たす方法を検討するようになりました。このイベントにより、技術系の従業員は新たな標準を製品設計のプロセスに取り入れるようになり、その採用率は 50% 増加しました。

Sainsbury's Cloud Training Academy は、多くの従業員に、経歴に関係のない新たなキャリア志向をもたらしました。このイニシアティブを他のキャリア開発プログラムと組み合わせることで、倉庫チームやその他の社外の従業員を含むすべての従業員に、クラウドテクノロジーについて学ぶ機会を平等に提供しています。例えば、財務マネージャーは、Sainsbury's Cloud Training Academy を受講後、データプロダクトマネージャーに転向しました。これまで機械学習の経験がなかった従業員はこのプログラムを利用してスキルを向上させ、AWS DeepRacer イベントで優勝し、機械学習に焦点を当てた職務に転向しました。

クラウドチャンピオンの中には、教育への情熱に目覚めた人もいます。初年度の参加者の約 20% は従来の技術職に就いておらず、技術職の従業員は情熱を注ぐことができる新たな分野を見つけています。参加者の 93% が、このプログラムから新たな知識やスキルを身に付けたことに同意、または強く同意しました。Sainsbury's の Talent Development Consultant である Catherine Townsend-James 氏は次のように述べています。「AWS Skills Guild には、Sainsbury's Cloud Training Academy を最高のトレーニングの場にする真の推進力がありました。「現在では、技術的なコンピテンシーフレームワークがあり、従業員のキャリアアップを推進するのに役立っています」

「Sainsbury's Cloud Training Academy に参加した従業員はより多くのスキルを身に付けており、当社は従業員の成長を支援するというコミットメントを果たしています」と、Sainsbury's の Chief Product and Analytics Officer である Helen Hunter 氏は言います。「このプログラムは、当社の組織全体に多大な利益をもたらしました」。 Sainsbury's は、600 人以上の従業員にクラウドテクノロジーの探求を促し、プロアクティブで自発的な学習文化を広めています。Sainsbury's はこの成功を活かし、デジタルトランスフォーメーションを推進するための人材投資を継続しながら、引き続きこのプログラムを提供していく予定です。