すべてを AWS に移行した Sumo Logic が、クラウド時代に向けた継続的インテリジェンスを提供

2020 年

2018 年の Forrester Total Economy Impact (TEI) 調査によると、企業の 85% がマルチクラウド戦略を採用している一方で、Sumo Logic は創業初期から Amazon Web Services (AWS) に賭けてすべてを移行し、ビジネスを成功に導いてきました。ほとんどの独立系ソフトウェアベンダーは、バランスよくリスクを取り、コストを最適化し、さまざまなクラウドプロバイダーが提供する最高のサービスを活用するため、マルチクラウド戦略が必要であると考えています。AWS にすべてを移行し、顧客の平均 171% の投資収益率を実現した Sumo Logic は、イノベーションに注力したり、コストを削減したりするだけでなく、開発を迅速化し、市場投入までの時間を短縮して、顧客にとって価値あるビジネスソリューションを提供できるようになっています。

Sumo Logic は、AWS 上でグローバルな Software-as-a-Service (SaaS) 分析プラットフォームを構築することに加えて、AWS パートナーネットワーク (APN) の AWS アドバンストテクノロジーパートナーとなりました。こうすることで、顧客へのアクセスを強化し、トップオブファネルのイニシアティブを推進する市場投入戦略の開発に役立つ、グローバルネットワークにリーチする機会となると考えたのです。

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それは当社にとって衝撃的でした。データセンターを抽象化して API に根本的に変えることで、AWS は開発コミュニティの中心部に膨大なアドレナリンを直接注ぎ込んでくれました”

Christian Beedgen 氏
Sumo Logic、Cofounder および CTO

ビルダーに力を与える分析

Sumo Logic は、ログ、メトリクス、トレースなどの機械が生成するビッグデータを継続的なインテリジェンスに変換するクラウドネイティブの SaaS 分析プラットフォームです。これを利用することで、従来の IT インフラストラクチャ、ミドルウェア、ソフトウェア、データの管理に悩まされることなく、リアルタイムのビジネス、セキュリティ、IT に関するインサイトを生み出すことが可能です。Sumo Logic は、企業が運用、セキュリティ、ビジネスに関する問題を検出し、調査して解決する時間を短縮するのに役立ちます。AWS 上で実行される専用クラウドネイティブサービスは、毎日 500 PB 超のデータを分析し、2,000 万件超の検索を実行して、10 万人超のユーザーに数千万のインサイトを提供しています。

Sumo Logic の共同創業者であり、Chief Technology Officer (CTO) でもある Christian Beedgen 氏は、同社の SaaS プラットフォームを AWS クラウド上のみで構築することに「何の疑いもありませんでした」と述べています。2008 年に Beedgen 氏が Amazon の Vice President 兼 CTO であるワーナー ヴォゲルスのプレゼンテーションに出席した直後、これを決定したのです。「深い感銘を受けました」と Beedgen 氏は述べています。「ワーナーは、手間のかかる作業を回避することで、付加価値の低い作業に取り組むよりも、実際に構築したいものを構築するためにより多くの時間、スペース、リソースをどのように確保できるのかについて語っていました。説得力がありました」。

Sumo Logic が AWS に最も魅力を感じたのは、データセンターの API への根本的な変更でしょう。これにより、デベロッパーはインフラストラクチャの管理に時間を費やすことなく、ソリューションの構築に注力することがより容易になりました。「それは当社にとって衝撃的でした。まったく矛盾がありませんでした」と Beedgen 氏は述べています。「データセンターを抽象化して API に根本的に変えることで、AWS は開発コミュニティの中心部に膨大なアドレナリンを直接注ぎ込んでくれました。当社はこれを活用し、AWS の経済的および運用上の利点を採り入れて、継続的に動作する分析サービスを作成しました。現在、私たちの共通のお客様は、Sumo Logic と AWS の緊密な統合によるメリットを享受することで、より迅速に行動し、より優れたカスタマーエクスペリエンスを生み出すことができます」。 Sumo Logic は SaaS として提供され、ソフトウェアやハードウェアのインストールおよびメンテナンスを回避できるため、これらの顧客は、通常は 1 か月未満で、ゼロから完全な本番モニタリングとトラブルシューティングのデプロイを開始できます。

Sumo Logic を立ち上げる前、Beedgen 氏はソフトウェアプロバイダーで働いていました。その際、同氏は、その企業が優れた製品を提供しているにもかかわらず、顧客が技術的な課題に頻繁に直面しており、オペレーティングシステム上でのそのソフトウェアの管理やスケールに苦労していることに気づきました。「エンタープライズデプロイモデルはあまりにも煩雑でした」と Beedgen 氏は述べています。「そして、多くの価値が感じられたのは、製品自体というよりも、メンテナンスについてでした」。 これらの苦労があったことで、BaaS (Backend as a Service) として実行するというアイデアを思い付いたのです。Sumo Logic は、各顧客のオペレーティングシステムに合わせて調整する必要があるソフトウェアをデプロイするのではなく、AWS で構築されたバックエンドを顧客向けに直接パッケージ化します。これにより、技術的な問題の多くが解消し、Sumo Logic は顧客に可能な限り最高のソフトウェアサービスを提供するという、より大きな目標に注力できるようになりました。これは、規模や支出にかかわらず、顧客の利益に直接つながるものです。Sumo Logic が AWS のメリットを享受しているように、同社の顧客もまた、無制限のスケールとクラウドの効率性、市場投入までの時間の短縮、問題解決といったメリットを享受しています。また、規模の大小を問わず、すべての顧客が中断することなく同じサービスにアクセスできます。Sumo Logic は AWS にすべてを移行したことで、即座に価値をもたらす創造的な統合を顧客に提供しています。多くの顧客は、Sumo Logic のすぐに利用できる AWS アプリケーションを利用して、自社がモニタリングしているテクノロジーの最大 80% をカバーしています。

共生関係の構築

2010 年、Sumo Logic は、今日も利用されているさまざまな AWS のコアサービスを利用して、まったく新しいクラウドネイティブのマルチテナント SaaS アーキテクチャを構築しました。これらの AWS のサービスには特に、業界をリードするスケーラビリティ、データ可用性、セキュリティ、パフォーマンスを提供するオブジェクトストレージサービスである Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)、クラウド上で安全かつサイズ変更可能なコンピューティングキャパシティを提供するウェブサービスである Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)、アプリケーションで利用するリレーショナルデータベースの設定、運用、スケーリングを簡素化するために設計されたクラウドベースの分散リレーショナルデータベースサービスである Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) が含まれています。Sumo Logic のアーキテクチャの多くは、Amazon S3 の非常にスケーラブルで耐久性のあるストレージに依拠しています。Amazon S3 は、アクセスコントロールを簡単に設定できるようにする管理機能も備えています。これらを簡単に実現できる Sumo Logic を利用して、プラットフォームにコンプライアンスコントロールを組み込むことで、企業は PCI、HIPAA、System and Organization Controls (SOC) 2、および一般データ保護規則 (GDPR) の要件を満たすことができるため、Sumo Logic の顧客の負担が軽減します。「これは、当社のすべてのニーズを満たしてくれます」と Beedgen 氏は述べています。「他の方法を使用したら大きな手間となったであろう作業を、Amazon S3 は基本的に取り除いてくれました」。 Sumo Logic は、競合製品をゼロから構築するのではなく、顧客のニーズを満たす追加機能を AWS 上で構築します。同時に、同社は、ソフトウェアの更新、インフラストラクチャの問題の解決、回復力のあるサービスの提供を AWS に頼っています。AWS はリージョンとアベイラビリティゾーンを設定し、回復のレイヤーを提供します。これらすべてにより、Sumo Logic は、回復力と可用性の高いサービスを設計するためのツールと、インフラストラクチャのメンテナンスではなくイノベーションに向けた研究開発 (R&D) に注力するための柔軟性を得ることができました。AWS クラウドで SaaS ソリューションを構築することで、同社は製品の市場投入までの時間も短縮しています。

すべてを移行するメリット

Sumo Logic の共同創業者であり、Strategy and Solutions 担当 Vice President でもある Bruno Kurtic 氏によれば、Sumo Logic と AWS のシナジーの一部は、ビジネス哲学が共有されていることによるものであると述べています。「当社は、お客様の成功のために必要なことを行い、それが将来の利益につながるという AWS の哲学に従っています」と同氏は述べています。同社は、AWS のソリューションを利用して、新しい地理的市場地域を開拓することを計画しています。「戦略的提携契約とマーケットプレイス関連の出来事から得た教訓は、新しい市場に取り組むのに役立っています」と Sumo Logic の CEO である Ramin Sayar 氏は述べています。「当社が学んだのは、デジタルビジネスのニーズが急速に変化するということです。AWS での実行は、迅速に適応できることを意味します。そのため、当社は、Continuous Intelligence Platform 上に豊富な機能を構築し、オペレーション、オブザーバビリティ、セキュリティ分析、コンプライアンス、監査、Cloud SIEM エンタープライズ、ビジネスニーズにわたる多数のユースケースに対応することができるようになりました。そして、AWS 上でより多くの市場に取り組むにつれて、こうした能力はさらに強化すると期待しています」。 AWS を利用することで、Sumo Logic は、地域での拡大に関心のある顧客だけでなく、新しい市場に迅速にデプロイする必要がある、世界的に事業展開する顧客もサポートできるようになりました。また、AWS により、Sumo Logic は最低レベルで共通するサービスではなく、より価値の高いサービスを利用できるようになりました。その結果、スタッフの数を減らしながら、ツールや機能のリリース速度を向上させることができました。

AWS のソリューションを自社のビジネスに利用することで、それらのソリューションに関する Sumo Logic が得た知識は、顧客にサービスを提供する上で役立っています。「当社は現在、AWS への移行の取り組みを進めているお客様をサポートできるようになりました。これを実現する方法の一例として、より高い回復力とスケーラビリティを備え、より速く、全体的に優れたエクスペリエンスを提供するマイクロサービスベースのアプリケーションの構築を挙げることができます」と Kurtic 氏は述べています。実際、多くのお客様が Sumo Logic を利用して、リフトアンドシフトまたはアプリケーションのリファクタリングのいずれかで、AWS への移行を加速させてきました。これは、同社が平均調査時間と平均解決時間を 80~94% 短縮するのに役立つインサイトを提供しているためです。同時に、顧客は Sumo Logic が利用する AWS のサービス以外も利用できます。Sumo Logic は、オンプレミス、クラウド、ハイブリッド環境で実行している、あらゆるテクノロジーに関するインサイトを提供するため、自社のビジネスに最適であると考えられるツールを、その提供者が AWS か否かにかかわらず柔軟に利用できます。

Sumo Logic のリリース以降、AWS のサービスは同社が必要とするサービスを提供し続けています。「うまくいっているのであれば、そのまま継続しましょう」と Beedgen 氏は述べています。同氏は、Sumo Logic が AWS のインフラストラクチャのみを利用し続けるもう 1 つの理由は API の側面にあると述べています。「API を介してシステムを操作するというこれらすべての側面により、おそらくシステムの 3 分の 1 または半分が、実際にはシステムのインスタンス化や運用に関連するロジックまたは設定となります」。

しかし、Sumo Logic がクラウドサービスプロバイダーとして AWS を選定した理由はソリューションだけではありません。APN の一部になることによるメリットが得られることも、その理由の 1 つです。Sumo Logic は、若い企業でありながら、APN を通じてグローバルにリーチする能力を備えているため、潜在的な顧客に広く知られるようになりました。「10 年前、Sumo Logic は小規模な企業で、大手企業と協力してパートナーにとって採用しやすい販売や市場投入に関する方法を開発していました」と Kurtic 氏は述べています。「これは当社の軌道を変えた初期の出来事の 1 つであり、おそらく他の多くの企業の軌道も変えたことでしょう」。 Sumo Logic は、APN のメンバーとしてサービスを提供することで、新しい地域や業種への参入をサポートする市場投入戦略を構築しました。また、AWS は、ソリューションの市場投入をサポートするために、Sumo Logic のビジネスプロポジションに合わせてトレーニングを受けたフィールドオートメーションエンジニアとソリューションアーキテクトを Sumo Logic に配属しました。Sumo Logic と AWS のコラボレーションは戦略的であり、新しいサービスのイノベーション、AWS のサービスのリリースパートナーとしての参加、AWS Marketplace を通じた新しい消費および販売モデルの探索、APN 経由で利用可能な市場投入プログラムでのコラボレーションなど、複数のレベルで実施されています。

APN を活用し、シングルソースのクラウドプロバイダーとして AWS を利用することで、Sumo Logic は小規模なスタートアップから世界的な SaaS 企業に成長し、低レベルの R&D の必要性を低減するとともに、売上を増大させ、製品の市場投入までの時間を短縮することができました。現在のところ、テクノロジー系スタートアップの多くは、クラウドプラットフォームの多様化が最善であると信じているかもしれません。しかし、Sumo Logic は AWS でのシングルクラウド戦略の準備を整えている最中で、しかも目に見える結果が出始めています。


Sumo Logic について

2010 年に設立された Sumo Logic は、機械が生成したビッグデータを処理して、リアルタイムのビジネス、セキュリティ、IT に関するインサイトを提供する、クラウドネイティブの SaaS マルチテナント分析プラットフォームを企業に提供しています。カリフォルニア州に拠点を構えるこの独立系ソフトウェアベンダーは、世界中で 2,000 社超の企業にサービスを提供しています。

AWS の利点

  • 顧客が 171% の投資収益率を実現
  • 企業の PCI、HIPAA、SOC 2、GDPR の遵守をサポート
  • 平均調査時間と平均解決時間を 80~94% 短縮
  • 製品の市場投入までの時間を短縮
  • スケーラブルで耐久性のあるクラウドストレージを実現
  • 回復力と可用性の高いサービスを設計
  • 低レベルの R&D の必要性を縮小

利用している AWS のサービス

Amazon EC2

Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) は、安全でサイズ変更可能なコンピューティング性能をクラウド内で提供するウェブサービスです。デベロッパーがウェブスケールのクラウドコンピューティングを簡単に利用できるように設計されています。

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Amazon S3

Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) は、業界をリードするスケーラビリティ、データ可用性、セキュリティ、およびパフォーマンスを提供するオブジェクトストレージサービスです。

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Amazon RDS

Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) は、クラウド上でリレーショナルデータベースの設定、運用、拡張を簡単に行うことができるサービスです。ハードウェアのプロビジョニング、データベースのセットアップ、パッチ適用、バックアップなどの時間がかかる管理タスクを自動化しながら、コスト効率とサイズ変更可能なキャパシティーを提供します。 

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開始方法

あらゆる業界のさまざまな規模のお客様が、AWS を活用してビジネスを日々変革しています。AWS のエキスパートにお問い合わせのうえ、今すぐ AWS クラウドジャーニーを開始しましょう。