Unilever(ユニリーバ)は 1930 年にオランダのマーガリン生産業者であるマーガリンユニとイギリスの石鹸メーカーであるリーバブラザーズが合併して設立されました。今日、消費財の最大手企業は 190 を超える国で食品、ホームケア、リフレッシュメント、およびパーソナルケア製品を販売しています。Unilever は英国のロンドンとオランダのロッテルダムに本社を置き、90 を超える国に子会社があります。同社では 170,000 人を超える従業員が働いています。2012 年、Unilever の収益は 510 億ユーロを上回りました。

ニュージャージー州イングルウッドクリフの Unilever North America では、Unilever のデジタルマーケティングアプローチをサポートするインフラストラクチャの再設計を必要としていました。Unilever はこれまでオンプレミス型のデータセンターを使用して Web プロパティをホストしてきましたが、そのすべてにさまざまなテクノロジーとプロセスが混在していました。「市場投入までの時間の加速化をサポートするために私たちは環境の標準化を必要としていました」とデジタルマーケティングサービス(DMS)のグローバルテクニカルマネージャーである Sreenivas Yalamanchili 氏は語っています。Unilever はパイロット国でマーケティングキャンペーンをテストすることによりビジネスモデルを最適化します。キャンペーンが成功した場合、同社はそれを他の国と地域にデプロイします。IT 組織はクラウドを使用して同じプロセスを実装することを希望していました。

16 社を超える企業が参加した包括的な RFP およびレビュープロセスの後、Unilever はアマゾン ウェブ サービス(AWS)を選択しました。デジタルマーケティングプラットフォームを選択する際に Unilever が優先したことは、柔軟性、グローバルインフラストラクチャ、テクノロジー、そしてメンバーの豊かなエコシステムなどです。「AWS を使用することで、私たちはすべての地域で同じホスティングプロバイダを利用することになりました。すなわち、地域ごとにソリューションをカスタマイズおよび調整する必要がなくなりました」と Yalamanchili 氏は語っています。さらに、「Unilever はすばらしいブランドをお客様に届けることに集中しています。それは IT ショップではありません私たちは、AWS と AWS パートナーネットワークのメンバーと協力して作業を進めることで、より短い時間でより多くのイノベーションを成し遂げることができます」と氏は続けています。

Unilever IT チームは AWS への移行のために 2 つの目標を掲げました。1 つはリージョンコンテンツ配信アーキテクチャによる Web サイトに共通のテクノロジープラットフォームを提供すること、もう 1 つは既存の Web プロパティをクラウドに移行することでした。

このようなプラットフォームを開発するために、Unilever はアーキテクチャを設計するための AWS ワークショップに参加しました。次に DMS チームは、パイロットプラットフォーム(マイアミでのサードパーティホスティングに対する災害対策サイト)を構築し、出資者によるレビューを受けました。事業承認を取得した後で、Unilever はシステムの統合とアプリケーションの開発のために Amazon パートナーネットワーク(APN)のアドバンストコンサルティングパートナーメンバーである CSS 社を選択しました。DMS チームは CSS と協力してグローバルコンテンツ管理システム(CMS)を開発しました。CMS プラットフォームにより、代理店はブランド Web サイトをグローバルに構築し、それをいくつかの AWS リージョンにわたって公開することができます。Unilever では HAProxy ロードバランサーを使用して Web サイトのパフォーマンスを向上させ、データベースを Microsoft SQL Server と MySQL で実行しています。

災害対策として、Unilever はバックアップデータ、スナップショット、製品、およびレシピメディアの各ファイルを Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)に格納し、 EBS Snapshot Copy を使用して Amazon Elastic Block Store(Amazon EBS)スナップショットを米国東部(バージニア北部)リージョンから米国西部(北カリフォルニア)リージョンにコピーしています。「私たちは、コンテンツ管理システム、コンテンツデプロイアーキテクチャ、および数多くの非常に重要なウェブプロパティを保護するため、さらに AWS クラウドに安心してビジネスを任せるために災害対策ソリューションを設計しました」と Yalamanchili 氏は語っています。図 1 に、AWS での Unilever のアーキテクチャを示します。

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Figure 1. Unilever Architecture on AWS

Unilever と CSS は、およそ 400 の Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)インスタンスで使用するための Windows および Linux を実行する Amazon マシンイメージ(AMI)を作成しましたAmazon Virtual Private Cloud(Amazon VPC)を導入すれば、デプロイとインターネットアクセスを柔軟に行うことができます。デジタルマーケティングのエンタープライズアーキテクトの Nick Morgan 氏は次のようにコメントしています「AWS を使用することについて何がすばらしいかというと、キャンペーンの評価の特性に基づいてインスタンスをいとも簡単に拡大縮小できることです。私たちは Recipedia.com や Axeapollo.com などのサイトに対して Auto Scaling と手動スケーリングを使用していました。私たちはさまざまな AWS リージョンおよびアベイラビリティーゾーンにわたってインスタンスをデプロイし、Amazon EBS スナップショットを使用することで、サービスを回復させることができます」。

Web サイトプロパティをクラウドに移行するために、Unilever はいくつかの既存の Web サイトに対応する本番前環境および本番環境を AWS で構築します。Unilever の広告および製作代理店が本番前環境で Web サイトを認定すると、Unilever は本番環境の DNS アドレスを切り替えて AWS での運用を開始していました。

パイロット立ち上げに成功した後、Unilever は 500 を超える Web プロパティをデータセンターから AWS に 5 カ月足らずで移行しました。以降、世界中で AWS で稼働する Unilever の Web プロパティは 1,700 を超えています。「グローバルに展開するビジネスを通して、私たちは繰り返し可能なモデルの作成に努めています。AWS ならば当社のホスティング環境を標準化することは簡単です」と Yalamanchili 氏は語っています。さらに、「たとえば、米国東部(バージニア北部)でデプロイしたマーケティングキャンペーンが成功した場合、私たちは APAC 諸国向けのアジアパシフィック(シンガポール)リージョンに容易にそれをレプリケートできます」と氏は続けています。

CSS は Unilever にさまざまなオペレーティングシステム、API、およびツールのマシンイメージを提供して、新しいプロジェクトを立ち上げるプロセスを自動化します。「CSS がインスタンスの起動を自動化した方法によりプロジェクトの立ち上げにかかる時間が約 75 パーセント短縮されました」と Morgan 氏は語っています。さらに、「4 日かかっていたことが今では 1 日で済みます。私たちはいつも Web サーバーやデータベースサーバーを基礎から再構築するわけではありません。私たちはイメージをクローン化し再利用することができます」と氏は続けています。

Unilever の場合は、AWS クラウドへの移行によりビジネスの俊敏性と運用効率が改善しました。「これまで、マーケティングキャンペーン用の Web サイトをリクエストすることは長期にわたるプロセスでした」と Yalamanchili 氏は語っています。「AWS を使用することにより、私たちはデジタルマーケティングキャンペーンの立ち上げに要する時間を 2 週間から平均 2 日に短縮できました。それは当社の従来の環境の 7 倍以上の速さです。ブランドマネージャーがアイディアを持っている場合、彼らはそれをコンテストの前に実装できます」。

「AWS を使用することで私たちは時間を節約できます」。彼は続けます。「AWS ウェブサイトに進み、数字を入力するだけでコストが計算されます。これにより、私はウェブサイトの標準的な請求モデルをセットアップするのが簡単になりました。そのモデルでは、私たちのパートナーである CSS はキャンペーン Web サイトの料金を 12 時間足らずで計算できます。私たちはやりたいと思ういかなることにも対応できる能力を持っていると、私はマーケティングの人々に気軽に言えます。私たちはインフラストラクチャではなくイノベーションに集中できます」。

「もう 1 つの利点は AWS クラウドの反応性です」と Yalamanchili 氏は語っています。「AWS を使用することにより、ブランドマネージャーの 1 人は 24 時間以内にキャンペーンを完全に変更できました。物理的インフラストラクチャの場合はそうはいきません」。

「AWS は私たちの話を聞き、有益なことを別の方法で行うアイディアを思いつくように手助けしてくれます」と Morgan 氏は語っています。さらに、「私は AWS によってもたらされる急速なイノベーションを存分に楽しんでいます」と氏は続けています。Yalamanchili 氏は次のように付け加えています「AWS の場合、それは常に顧客志向です。AWS は、私たちの話を聞き、製品とサービスに革新をもたらすことにより、顧客志向であることを私たちに証明しました」

Web サイトを運営するうえで AWS がどのように役に立つかについての詳細は、マーケティング Web サイトページ http://aws.amazon.com/websites/ をご覧ください。

CSS による AWS クラウド実行のサポートの詳細については、AWS パートナーディレクトリCSS 社の情報をご覧ください。