食品栄養サービスの導入事例

食品栄養サービス (FNS) は、米国農務省 (USDA) の栄養支援プログラムを運営しています。FNS の使命は、子供たちと貧困層の家族が食品支援プログラムと総合的な栄養教育を通して、食品および健康的な食事をより良く入手できるようにサポートすることです。Supplemental Nutrition Assistance Program すなわち SNAP (以前の Food Stamp Program) は、USDA の栄養支援における土台になります。

米国では現在、毎月 4,700 万人を超える人々 (そのうちの多くは子供) が、近年の経済的問題を理由に SNAP の援助を受け生活しています。このプログラムは多くの新しい受益者を抱えており、そのため、SNAP Retailer Locator と呼ばれる動的ウェブアプリケーションが、 2010 年 5 月に FNS により作成されました。リリースまで 3 週間しか与えられていなかったこのアプリケーションに関して、USDA FNS のプログラムマネージャーである Jonathan Benett 氏は、期限内に必要なハードウェアを利用できるようにするのは難しいだろうと考えていました。予算と時間が限られる中で、Benett 氏がアプリケーションのホスティングに選択したのが AWS クラウドでした。FNS によるサービスの購入は、ESRI と事前に交渉済みであった USDA 包括売買契約に基づくことで、迅速に行うことができました。

マッピングアプリケーションにより、SNAP 受信者は最寄りの SNAP 認可店を見つけることができます。これには、運転の方向も含まれており、ウェブサイトには 1 か月に 30,000 人の閲覧者が訪れます。USDA FNS の CIO、Jonathan Alboum 氏は、ウェブアプリケーションのアーキテクチャには Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) ラージ Windows オンデマンドインスタンスが組み込まれていると言います。

メモリ: 7.5 GB

仮想コア: 2

仮想コンピューティングユニット: 2

ストレージ: 0.5 TB

1 日あたりのマップリクエスト: 5 万

このソリューションの構築には、ArcGIS Server Enterprise Advanced 10 with FLEX API and HTML が使用されました。SNAP Retailer Locator アプリケーションの性能が大変優れていたため、FNS では Healthy Access Locator アプリケーションも同様に AWS で起動することに決定しました。

USDA FNS では、3 週間の期限を満たし、SNAP Retailer Locator がデプロイされてから 18 か月間、100% 常に利用可能な状態となっています。さらに、USDA FNS では、オンプレミスでのアプリケーションのホストと比較して 90% のコスト節約につながりました。

Alboum 氏は、FNS ではクラウド内で Locator をホストすることにより、新しいサーバーの購入や、これらのサーバー、電力、使用料などをサポートするために使用されていたコストとリソースの節約につながったと説明しています。「同じような環境を内部で構築、ホスト、および維持するには、推定 250,000 USD から 350,000 USD になるでしょう」と、Alboum 氏は言います。