WeTransfer 導入事例

WeTransfer のクラウドベースのプラットフォームで、世界中にファイルを簡単に送信できます。このサービスは、ユーザーのサインアップを必要とすることなく、大きなファイルを送信できる簡単なプラットフォームを作成するために、2009年に開始されました。現在、世界の 4,000 万人のアクティブユーザーが毎月 10 億個のファイルを転送しています。WeTransfer には、広告とプレミアムサブスクリプションに分かれたデュアル収益モデルがあります。無料サービスの WeTransfer では、ユーザーは最大 2 GB のサイズのファイルを転送できます。プレミアムサービスの WeTransfer Plus では、最大 20 GB のファイル送信、最大 100 GB の保存、カスタムブランドでのプロファイルのパーソナライズが可能です。同社はアムステルダムとロサンゼルスにオフィスを構え、従業員は約 100 名です。

WeTransfer が素晴らしいのは、そのシンプルさのためです。サービスを使用するために、ユーザーは登録やログインを行う必要はありません。WeTransfer のホームページにアクセスし、送信したいファイルを追加して、自分と受信者のメールアドレスの両方を入力します。「ユーザーが楽に実行」できることが WeTransfer の目標の一つであると、エンジニアリング担当副社長の Martijn Vermaat 氏は言います。

そのためには、高可用性と一貫したパフォーマンスを提供できる IT プラットフォームが必要です。そして、最小限の管理で拡張できる必要があります。Vermaat 氏によれば、「需要パターンは非常に明確です。基本的に、営業時間中は使用率が高く、夜間に低下します。」「これは、計算能力の増強が必要になる時期を簡単に予測できることを意味します。課題は、そこに 100％ の一貫性があることを確認することです。それができれば、ユーザーを失望させることはないのです。」

WeTransfer は、2011 年にアマゾン ウェブ サービス (AWS) に移行しました。既存のホスティングプロバイダーでは、ファイル転送サービスに必要な高速スケーラビリティを提供できないことが分かったからです。

データの保存と配信には、インフラストラクチャの中核となる Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) と Amazon CloudFront コンテンツ配信ネットワークを使用します。Auto Scaling (Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) を使用) は、管理上の大きな負担なくトラフィックレベルを処理することができます。WeTransfer ではベースラインコンピューティングの需要を事前に十分に把握しているため、Amazon EC2 リザーブドインスタンスを利用して、オンデマンドのインスタンス購入と比較してコストを削減できる点が重要です。さらに、WeTransfer が複数のリードレプリカを持つ複数のアベイラビリティーゾーン設定で実行する Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) を活用します。

環境という点においても、AWS エンタープライズサポートが重要でした。WeTransfer のチーフプロダクトオフィサーである Bastiaan Terhorst 氏は次のように説明します。「当社はスタートアップ企業かもしれませんが、エンタープライズ規模で運営しており、エンタープライズレベルの可用性が必要です。エンタープライズサポートは、当社のビジネスとワークロードのミッションクリティカルな性質を理解しています。過去 1 年半にわたって、AWS チームは当社と緊密に協力し、規模が拡大しても可用性を高く保ち続けました。しかしそれ以上に、AWS エンタープライズサポートは、当社のビジネスに関する深い知識があるおかげで、新しいサービスと機能のリリースやインフラストラクチャの微調整を計画するのに役立ちました。」

エンタープライズサポートとの定期的かつ一貫した取り組みは、WeTransfer のビジネス要件を満たす上で非常に貴重です。「毎月テクニカルアカウントマネージャー (TAM) とオンサイトミーティングがあり、現在取り組んでいるプロジェクトから特定のサービスをより効率的に使用する方法にいたるまでを話し合います」と Vermaat 氏は説明します。これらのミーティングの合間に、WeTransfer は AWS チームと定期的にメールや電話で連絡を取り合います。「問題を迅速に解決する必要がある場合、エンタープライズサポートはその価値を発揮します。TAM に専任の担当者がいることはとても貴重で、当社が必要とする専門家に的確に直接連絡することができるのです。」