このガイダンスでは、サプライチェーンの運用データハブを構築するためのアーキテクチャオプションを紹介します。ハブは、計画と実行に関する内部ソースや輸送状況の追跡に関する外部ソースなど、何千もの異なるソースからデータを取り込みます。その後、ハブは単一の調和されたデータビューを生成します。さまざまな企業システムや実行システムからのデータを視覚化できることで、需要予測、在庫、調達に関するリアルタイムの計画を立てることができます。データハブは、サプライチェーン組織がデータドリブン型の意思決定を行い、納期を短縮し、顧客満足度を高めるのに役立ちます。
アーキテクチャ図
ステップ 1
サプライチェーンに関するデータは、エンタープライズリソースプランニング (ERP) や顧客関係管理 (CRM) の Software as a Service (SaaS) アプリケーション、製造現場のエッジデバイス、ログ、ストリーミングメディア、ソーシャルメディアなど、企業全体の複数のデータソースから収集されます。
ステップ 2
データソースのタイプに基づいて、AWS Database Migration Service (AWS DMS)、AWS DataSync、Amazon Kinesis、Amazon Managed Streaming for Apache Kafka (Amazon MSK)、AWS IoT Core、Amazon AppFlow は、AWS でホストされているサプライチェーンデータレイクにデータを取り込みます。
ステップ 3
AWS Data Exchange は、貨物の到着予定時刻の予測に役立つサードパーティーデータ (気象データなど) をサプライチェーンデータレイクに統合します。
ステップ 4
AWS Lake Formation は、スケーラブルなサプライチェーンデータレイクの構築に役立ちます。
ステップ 5
Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) は、サプライチェーンデータレイクストレージの基盤です。
ステップ 6
AWS Glue は、ERP、計画、輸送状況を可視化するシステムなどの複数のデータストアにわたって、データを抽出、変換、カタログ化し、取り込みます。
ステップ 7
Amazon Athena は、標準 SQL を使用して Amazon S3 のデータを分析するサーバーレスのインタラクティブクエリサービスです。
ステップ 8
Amazon QuickSight は、計画担当者がサプライチェーンの計画、実行、リアルタイムの輸送状況に関するデータを分析して、十分な情報に基づいたビジネス上の意思決定を行うのに役立つダッシュボードです。
ステップ 9
クラウドデータウェアハウスである Amazon Redshift は、構造化データと半構造化データを分析します。
ステップ 10
Amazon EMR は、オープンソースツールを使用して膨大な量のデータを処理するためのクラウドビッグデータプラットフォームです。
ステップ 11
Amazon SageMaker は ML モデルを構築、トレーニング、デプロイし、AWS AI サービスはサプライチェーンアプリケーションにインテリジェンスを追加します。
ステップ 12
Amazon Neptune のグラフデータベースはネットワーククエリを最適化して、クエリの速度と精度を高めます。
Well-Architected Pillars
AWS Well-Architected フレームワークは、クラウドでシステムを構築する際に行う決定の長所と短所を理解するのに役立ちます。フレームワークの 6 つの柱により、信頼性が高く、安全かつ効率的で、費用対効果が高く、持続可能なシステムを設計および運用するためのアーキテクチャのベストプラクティスを学ぶことができます。AWS マネジメントコンソールで無料で提供されている AWS Well-Architected Tool を使用し、各柱の一連の質問に回答することで、これらのベストプラクティスに照らしてワークロードを確認できます。
上記のアーキテクチャ図は、Well-Architected のベストプラクティスを念頭に置いて作成されたソリューションの例です。完全に Well-Architected であるためには、可能な限り多くの Well-Architected ベストプラクティスに従う必要があります。
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運用上の優秀性
このガイダンスは、反復可能で信頼性の高いプロセスを通じてインフラストラクチャを維持するのに役立つ DevOps 原則である Infrastructure as Code (IaC) を使用してデプロイされます。ビジネス、開発、運用チームを含むサプライチェーンのステークホルダーは、IaC 戦略に基づいて連携する必要があります。
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セキュリティ
DataSync は、クロスアカウントアクセスを使用して、異なる AWS アカウント間でデータとリソースへのアクセスを委任します。QuickSight は、きめ細かいアクセスコントロールを使用して、ダッシュボードへのアクセスを保護します。
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信頼性
Amazon S3、AWS Glue、DataSync、Athena、QuickSight などのサービスは可用性が高く、需要に基づいてワークロードをスケールすることができます。
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パフォーマンス効率
このアーキテクチャのサーバーレステクノロジーにより、まさに必要なリソースをいつでもプロビジョニングできます。
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コストの最適化
このアーキテクチャのサービスは需要に合わせて自動的にスケールできるため、プロビジョニング不足や、過剰なプロビジョニングを回避でき、お支払いいただくのは消費されたリソースの料金のみです。
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持続可能性
このアーキテクチャのサービスはサーバーレスかつスケーラブルで、バックエンドのリソース消費を最適化して環境への影響を軽減します。
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