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【アップデート】AWS DeepLens が国内で予約注文できるようになりました
2017 年の AWS re:Invent で、私たちは世界初の機械学習 (ML) 対応ビデオカメラ、AWS DeepLens を発表しました。開発者はプログラム可能なビデオカメラ、チュートリアル、コード、および ML スキルを拡張させるよう設計された事前トレーニング済みのモデルを使って ML を利用できます。AWS DeepLens を使用すると、コンピュータサイエンスや数学の博士号がなくても効果の高い ML プロジェクトを作成できます。ある程度の開発経験がある人なら誰でも使い始めることができます。
次のウェブサイトで、カナダ、欧州、日本の開発者が AWS DeepLens (2019 年版) を予約注文できるようになりました。
- Amazon.ca
- Amazon.de
- Amazon.es
- Amazon.fr
- Amazon.it
- Amazon.co.jp
- Amazon.co.uk
お客様の体験をさらに向上させるために、一世代前のデバイスから次の点を強化します。
- すぐに ML を始められるようオンボーディングプロセスを最適化
- Intel RealSense 深度センサーのサポートし、より高精度で高度な ML モデルを構築可能
- 2-D 画像入力に加えて深度データを使用可能
- 外部の Intel アクセラレータを使用して追加の AI パフォーマンスを達成したい人向けの Intel Movidius Neural Compute Stick をサポート
2019 年版は、Amazon SageMaker Neo と統合されています。これにより、お客様は一度モデルをトレーニングして、パフォーマンスを最大 2 倍向上させてから実行することができます。
デバイスの向上に加えて、私たちはコンテンツ開発にもかなりの投資をしました。作業者の安全性、感情分析、コーヒーを最も多く飲む人など、興味に合わせたアプリケーション向けの ML を構築するためのガイド付き説明書が含まれています。楽しいアプリケーションを構築しながら、スキルを学んで発展させたいすべての人が ML を利用できるように作りました。
昨年、私たちはカナダ、欧州、そして日本のお客様から、それぞれのリージョンでの AWS DeepLens リリース予定についてたくさんのリクエストを受けました。
「日本市場で AWS DeepLens を手に入れられるようになれば、さらに開発者が興味を持つきっかけとなり、開発者コミュニティも活発になることで深層学習の技術導入を促すことになるでしょう。」と、 AWS ユーザーグループの AI 支部 (JAWS-UG AI) の共同リーダーである長尾太介さんと中丸良さんからコメントをいただきました。
誰もが使えるようになる ML
Amazon および AWS は、世界中の機械学習のツールにおいて長い歴史を紡いできました。欧州では、2013 年にベルリンで ML 開発センターを開設しました。開発者とエンジニアが、Amazon SageMaker などのグローバルな ML サービスをサポートしています。これは、スタートアップから企業、公共部門、そして各リージョンに至るまで、私たちの ML を使用している多くのお客様にも当てはまります。
ML は、過去 20 年間にわたり私たちの伝統の大部分を占めてきました。そして私たちは世界中に向けて、テクノロジーを民主化し、誰もが利用しやすくする作業に取り組んでいます。
昨年 6 月に米国で AWS DeepLens の一般提供を発表した後、何千ものデバイスが出荷されました。 その結果、興味深く、感動的なアプリケーションをたくさん目にすることができました。私たちは、DeepLens Educating Entertainer (略して「Dee」) と SafeHaven の 2 つを強調したいと思います。
Dee—DeepLens Educating Entertainer
マンチェスターの Matthew Clark 氏によって作成された Dee は、画像認識を使用して、幼いお子様や製品の使用が難しいお子様向けに、楽しくインタラクティブで教育的なゲームを作成する方法の例を示しています。
AWS DeepLens デバイスは、デバイスに回答の写真を表示することで、お子様が質問に答えられるようにします。たとえば、デバイスが「車輪があるものは何ですか?」と尋ねると、子供たちが自転車やバスなどの適切な写真を選びます。答えが正しいと拍手され、間違った場合はヒントを与えて正解を選べるようにします。このような経験を積みながら、子供たちが相互作用を行い、前向きな強化を通して学べるようになります。
幼いお子様、そして特別な教育を必要とするお子様にとっては、電子機器との相互作用が難しい場合があります。タブレット画面を読み込み、コンピュータのキーボードを使用し、音声認識に十分なほどはっきりと話せない可能性があります。ビデオ認識では、このような問題を補うことができます。テクノロジーを利用して、子供の世界をよりよく理解し、物を持ち上げ行動を起こすなどの動作を観察できるようになりました。これは多くの新しい相互作用方法につながります。
AWS DeepLens は、深層学習 (DL) モデルをオフラインで実行できるため、子供の相互作用において特に効果を発揮します。これは、追加費用なしで、どこでもデバイスの動作を行えることを意味します。
Dee を構築するまで、Matthew 氏は ML テクノロジーを使用したことがありませんでした。しかし、AWS re:Invent で AWS DeepLens デバイスを受け取ってから、彼はすぐに DL の概念に慣れました。 詳細については、2 位の入賞者: Dee—DeepLens Educating Entertainer を参照してください。
SafeHaven
SafeHaven は、re:Invent で開発者が AWS DeepLens デバイスを手に入れたおかげで生まれたもう 1 つの AWS DeepLens アプリケーションです。
イギリスのイプスウィッチに住む Nathan Stone 氏と Paul Miller 氏が構築した SafeHaven は、Alexa Skill を使って「ドアにいるのは誰か?」を特定することで、セキュリティに不安のある人々を保護するように設計されています。AWS DeepLens は玄関先の見張りとして機能し、すべての訪問者の顔を保存します。訪問者が「認識」されると、その名前が DynamoDB テーブルに保存され、Alexa Skill で検索できるようになります。未知の訪問者については、SNS 購読を通じて親戚や介護者に SMS または E メールアラートを送信します。
これは個人宅、病院、介護施設向けのアプリケーションとして大きな可能性を秘めています。認識された訪問者に対してのみドアを開くことができます。詳細については、3 位の入賞者: SafeHaven: リアルタイムで安心を参照してください。
その他のアプリケーション
カナダでは、カナダの大手ディスカウント小売店が LATAM 運用のための複雑な損失防止テストパイロットの一環として AWS DeepLens を使用しました。カルガリーに拠点を置く石油会社が、倉庫施設でのサインインプロセスの増強を試したところ、顔認識の機能を高めました。
カナダに本社を置く世界最大の自動車メーカーは、その工場の 1 つで予知保全と画像分類に AWS DeepLens を使用するというユースケースを構築しています。さらに、AWS DeepLens を使用して、誰がいつショップからツールを持ち帰ったのかを追跡する方法を示すために、製造用の内部 PoC を構築しました。
ノースウェスタン大学専門学校研究科は、Amazon が提供する AWS DeepLens を使用して、データサイエンス大学院生向けのコンピュータビジョンコースを開発しています。他の大学では、人工知能、情報システム、および医療分析など、カリキュラムで AWS DeepLens を使用するコースの開発に関心を示しています。
まとめ
これらの例はほんの一部に過ぎません。世界中でデバイスを出荷し始めるときには、さらに多くの事例が生まれると期待しています。素晴らしい AWS DeepLens プロジェクトに関わっており、それらを AWS に共有したい場合は、AWS DeepLens プロジェクトの概要(英語で記入)を知らせてください。
さらに多くのクリエイティブなアプリケーションが欧州でのリリースを楽しみにしています。AWS DeepLensコミュニティプロジェクトページをご覧ください。