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ISO 42001: 責任ある AI を推進する新たな基礎となる国際規格
本ブログは 2023 年 12 月 18 日に公開された「ISO 42001: A new foundational global standard to advance responsible AI」を翻訳したものとなります。
人工知能(AI)は私たちの世代で最も変革をもたらす技術の 1 つであり、善のための力となり経済成長を促進する機会を提供しています。数千億のパラメータを持つ大規模言語モデル(LLM)の成長により、顧客体験の向上や従業員の生産性の向上など、新しい生成 AI のユースケースが開拓されました。AWS では、お客様と協力して安全性、公平性、セキュリティを最優先に AI システムを開発・使用することで、AI を責任を持って活用することに引き続き取り組んでいます。
AI 業界は 2023 年 12 月、ISO 42001 の発行により重要な節目を迎えました。簡単に言えば、ISO 42001 は組織内で AI システムを管理するためのガイドラインを提供する国際的なマネジメントシステム規格です。これは、組織が AI の開発と展開に関連するリスクを体系的に対処し、コントロールするためのフレームワークを確立します。ISO 42001 は責任ある AI 実践への取り組みを強調し、組織が自社の AI システムに特化したコントロールを採用することを奨励し、グローバルな相互運用性を促進し、責任ある AI の開発と展開の基盤を築くものです。
AI に対する信頼は極めて重要であり、AI ガバナンスを推進する ISO 42001 のような規格を取り入れることは、責任ある使用のアプローチを支援し、公衆の信頼を得るための 1 つの方法です。
AWS は、幅広い国際的な専門家コミュニティの一員として、 2021 年から ISO 42001 の開発に積極的に協力してきました。そして、この規格の最終発行前から基盤作りを始めていました。
国際規格は、責任ある AI ソリューションの開発と実装における世界的な協力を促進します。おそらく他のどの技術よりも、これらの課題に対処するには、テクノロジー企業、政策立案者、コミュニティグループ、科学者、その他の人々の間での協力と真の学際的な取り組みが必要であり、国際規格はその中で貴重な役割を果たしています。
また国際規格は、国内の規制要件をコンプライアンスメカニズムに変換するのに役立つ重要なツールであり、これには主にグローバルに相互運用可能なエンジニアリングの実践が含まれます。効果的な規格は、AI とは何か、責任ある AI とは何かについての混乱を減らし、業界が潜在的な危害の軽減に焦点を当てるのに役立ちます。AWS は、多様な国際的なステークホルダーのコミュニティと協力して、リスク管理、データ品質、バイアス、透明性など、さまざまなトピックに関する新たな AI 規格の改善に取り組んでいます。
AI システムやアプリケーションを責任を持って開発・展開する上での卓越性へのコミットメントを示す方法の 1 つとして、新しい ISO 42001 規格への適合があります。私たちは ISO 42001 の採用を引き続き追求し、お客様と共にそれを実現することを楽しみにしています。
私たちは、責任ある AI の未来に投資し、お客様や私たち全員が生活し活動するコミュニティの利益のために、国際規格の形成に貢献することに尽力しています。
著者について
Swami Sivasubramanian は AWS のデータおよび機械学習部門の副社長です。この役職において、Swami は AWS のすべてのデータベース、分析、AI および機械学習サービスを統括しています。彼のチームの使命は、組織がデータを活用できるよう、保存、アクセス、分析、可視化、予測を行うための完全なエンドツーエンドのデータソリューションを提供することです。
翻訳はプロフェッショナルサービス本部の藤浦 雄大が担当しました。