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Amazon Route 53 および AWS Shield を使用した DDoS リスクの軽減

2016 年 10 月後半に、著名な DNS プロバイダーが、複数のサービス妨害攻撃で構成された大規模なサイバー攻撃の標的となりました。数千万の IP アドレスからの大量の DNS 参照で構成された攻撃により、多くのインターネットサイトやサービスが北米および欧州のユーザーに対して利用できなくなりました。プリンター、カメラ、家庭用ネットワークゲートウェイ、さらにはベビーモニターといったさまざまなインターネッツ接続デバイスで構成されたボットネットを使用して、この分散サービス妨害 (DDoS) 攻撃が実行されたと考えられます。これらのデバイスは Mirai マルウェアに感染し、1 秒あたり数百ギガバイトのトラフィックを生成しました。多くの企業ネットワークや教育ネットワークは、このような規模のボリューメトリック攻撃を吸収するだけのキャパシティーを持っていません。この攻撃や、それ以前のその他の攻撃を受けて、さまざまなタイプの DDoS 攻撃に対してより弾力性の高いシステムを構築できるようにするための推奨事項やベストプラクティスについてお客様から当社に問い合わせがありました。簡単な回答としては、スケール、耐障害性、および緩和を組み合わせ (詳細については「AWS Best Practices for DDoS Resiliency」ホワイトペーパーを参照)、Amazon Route 53 および AWS Shield を利用することです (詳細については、「AWS Shield – Protect Your Applications from DDoS Attacks」を参照)。

スケール – Route 53 は数多くの AWS エッジロケーションでホストされ、大量の DNS トラフィックを吸収することができるグローバルな対象領域を作成します。Amazon CloudFront と AWS WAF を含むその他のエッジベースのサービスにもグローバルな対象領域があり、大量のトラフィックを処理することができます。

耐障害性 – 各エッジロケーションには、インターネットへの数多くの接続があります。これにより、多様なパスが可能になり、障害の分離と阻止に役立ちます。また、Route 53 はシャッフルシャーディングエニーキャストストライピングを使って可用性を高めます。シャッフルシャーディングでは、委託セットの各ネームサーバーがエッジロケーションの一意のセットに対応します。この配置によって耐障害性が向上し、AWS のお客様間の重複が最小化されます。委託セットの 1 つのネームサーバーが利用できない場合、クライアントシステムまたはアプリケーションは別のエッジロケーションのネームサーバーを再試行し、レスポンスを受け取ります。エニーキャストストライピングは、最適な場所に DNS リクエストをダイレクトするために使用されます。これは、負荷を分散して DNS レイテンシーを減らす効果があります。

緩和 – AWS Shield Standard は、現在の最も一般的な攻撃の 96% からお客様を保護します。これには、SYN/ACK フラッド、反射攻撃、および HTTP スローリードが含まれます。私の投稿で前に述べたように、この保護は自動的かつ透過的に Elastic Load Balancing、CloudFront ディストリビューション、および Route 53 リソースに無料で適用されます。保護 (決定的パケットフィルタリングと優先順位をベースとしたトラフィック形成を含む) はすべての AWS エッジロケーションにデプロイされ、わずか数秒のオーバーヘッドですべてのトラフィックを検査します。すべては完全に透過的な方法で実行されます。

AWS Shield Advanced には、追加の DDoS 緩和機能、DDoS Response Team への年中無休のアクセス、リアルタイムのメトリクスとレポート、および DDoS コスト保護が含まれます。詳細については、「DDoS Resiliency」ホワイトペーパーを参照し、Route 53 エニーキャストについてご覧ください。

Jeff;