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スタートアップ支援プログラム AWS Activate に、日本初の協業パートナーが参画【記者説明会レポート】

アマゾン ウェブ サービス ジャパン は2021年10月27日、スタートアップ企業の支援プログラム AWS Activate の支援策拡張についてオンラインで記者説明会を開催しました。日本初の AWS Activate 協業パートナーとして、オーティファイHandiiマネーフォワードUPSIDERウォンテッドリーの5社が新たに参画します。

説明会の前半では、当社スタートアップ事業開発部本部長の畑浩史が、アマゾン ウェブ サービス(AWS) がスタートアップ支援をする理由や AWS Activate のプログラム詳細を解説。そして後半では今回国内企業として初めてのActivate協業パートナーとなった5社より意気込みや AWS Activate ユーザーへ提供するサービス内容についてお話しいただきました。

なぜ AWS がスタートアップを支援するのか

畑からはまず「なぜ AWS がスタートアップを支援するのか」というテーマについて話しました。理由は大きく3つ。

1つ目は「Amazon カルチャー」です。AWS は Amazon からスピンアウトした企業であり、その文化を色濃く受け継いでいます。Amazon は社是として「Still Day1(まだ始まったばかり)」を掲げており、AWS の社員も常にベンチャーマインドを持って働いています。

2つ目は私たちが「スタートアップとともに成長してきた」ためです。世界中の数多くのスタートアップがインフラ環境として AWS を採用しています。スタートアップ各社の成長に伴い、私たち AWS も成長してきました。だからこそ、スタートアップエコシステムに貢献したいと考えています。

3つ目が「スタートアップが重要なカスタマーであること」です。前述の理由からスタートアップは AWS にとって大切なカスタマーであるため、重点的に支援をしています。スタートアップ支援プログラムとして、AWS Activate を含む10の支援プログラムをご用意しています。

AWS Activate の概要

AWS Activate とは、スタートアップが AWS をすぐに開始できるように必要なツールやリソースを無料提供するスタートアップ支援プログラムです。

2013年10月からプログラムを開始し、現在は全世界で数十万のスタートアップが利用しています。2020年には、世界中のスタートアップに年間1,000億円以上のクレジットを提供しました。国内外の幅広いベンチャーキャピタルやアクセラレータに採択されています。

AWS Activate には、AWS テクニカルサポートや Activate ユーザー用の専用ポータルサイトである Activate コンソール、各種のサービスやプロダクトを利用する際にディスカウントや特別クレジットなどを受けられる Activate 限定オファーなどの特典があります。

Activate 限定オファーには、Slack や Datadog、Zendesk、HubSpot、Notion など、世界中で100を超える Activate 協業パートナーが参画しています。そして今回、日本初の協業パートナーとしてオーティファイ、Handii、マネーフォワード、UPSIDER、ウォンテッドリーの5社が新たに参画することが決定しました。

AWS はお客さまからのフィードバックをもとにサービスを改善する姿勢を大切にしており、スタートアップ支援策も継続的に改善をしています。Activate 協業パートナーとして新たな企業に参画いただいたことは、その一環です。今後も、AWS をご利用いただくお客さまと AWS Activate 協業パートナー、そして AWS の共栄を目指しています。

AWS Activate 協業パートナー企業のご紹介

ここからは、オーティファイ、 Handii、マネーフォワード、UPSIDER、ウォンテッドリーの各代表者が登壇。各社の事業概要や協業パートナーになった意気込み、ディスカウントや特別クレジットの内容などを解説しました。

まず登壇したのは、オーティファイ 代表取締役の近澤良氏。同社は AI を用いた Web・モバイルアプリの E2E テスト自動化サービス「Autify」を提供しています。

「Autify」はノーコードで誰でも簡単にソフトウェアのテストを自動化できます。また、AI がテストのシナリオをメンテナンスすることによって、アプリの仕様や UI に変更があっても現実的なコストでメンテナンスできるのが特徴です。ローンチから2年間で約100万回以上のテストが実行され、削減できたテスト時間はトータルで1万日以上になります。

近澤氏は「AWS Activate に参画することで、より多くのスタートアップを支援したい」と解説。さらに「開発の初期フェーズから『Autify』を導入することで、テストを自動化して技術負債を最小限に抑えてほしい」と述べました。AWS Activate の利用企業は限定オファーとして「Autify」を通常の60%ほどの料金で使用可能です。

次に登壇したのは Handii 代表取締役兼 CEO の柳志明氏。同社は Visa 加盟店で使える法人カードを無料で何枚でもすぐに発行できる法人向けウォレットサービス「paild」を提供しています。「paild」は「『決済のための業務』から、『業務のための決済』へ。」というコンセプトを掲げており、カードの審査や発行、利用に関する各種の課題を解決します。

AWS Activate の利用企業は限定オファーとして、「paild」新規登録の場合に初回決済後、5万円分が特典としてチャージされます。柳氏は「Handii 自身もこれまで AWS を活用してシステムの開発・運用をしてきました。だからこそ、この協業の取り組みは非常に嬉しい。AWS と一緒に、社会に貢献するためのチャレンジをしたいです」と述べました。

次に登壇したのはマネーフォワードのクラウド ERP 本部 本部長の峰島侑也氏。マネーフォワードは2012年に設立し、今年で10年目を迎えました。現在では東証一部に上場しており、企業としての成長を続けています。

マネーフォワードは法人向けに幅広いラインナップのサービスを提供しています。会計・請求書・経費といった経営財務だけではなく、給与計算・勤怠管理など人事・労務関連のサービスも提供。企業の各種業務を支える多くのサービスを有しているのです。

「マネーフォワードグループは、バックオフィス業務をビジネスの基礎であると捉えています。AWS との協業により、より効果的にその業務を支援できると考えております」と峰島氏は述べました。AWS Activate の利用企業は限定オファーとして、「マネーフォワードクラウド」の支払いに使える10万円分のクレジットを受け取ることができます。

次に登壇したのは UPSIDER COO の水野智規氏。同社は成長著しい企業の課題を解決するための法人カードサービスを提供しています。これまで成長投資に見合う利用限度額を得られなかった企業に対し、後払い・前払いで柔軟な限度額を提供しています。

さらに、一定以上の規模の企業にとって、支出管理の厳格化、タイムリーな月次決算などのガバナンス強化は重要な課題です。UPSIDER の法人カードを利用することで、こうした会計処理や支払い管理などの財務や業務の課題を包括的に解決できるようになります。また、決済あたり1.5%のポイント還元など、国内最大級の還元率を提供しています。AWS Activate の利用企業は限定オファーとして、1万5千円分のポイントが付与されます。

「UPSIDER は成長企業の決済を支えるための会社ですから、AWS Activate に参画することでより多くの方々のお役に立てると考えています。畑さんをはじめとした AWS の方々のスタートアップエコシステムを盛り上げていくという熱い思いに感化されています」と水野氏は述べました。

最後に登壇したのはウォンテッドリー執行役員の川口かおり氏。「シゴトでココロオドルひとをふやす」というミッションを掲げる同社は、運命のチームや仕事に出会え、人脈を広げ、ビジネスの情報収集に使えるビジネス SNS「Wantedly」を運営しています。

川口氏は AWS Activate 協業パートナーに参画した理由として大きく2つを挙げました。ひとつは、ウォンテッドリー自身がスタートアップ各社とともに事業成長してきたからこそ、今後もスタートアップという市場を盛り上げていきたいということ。もうひとつは、スタートアップの人材採用が大変な時代に突入しているからこそ、ウォンテッドリーがその支援を行うことに意義があると考えていることです。

AWS Activate の利用企業は限定オファーとして、採用ブランディングに活用できる35万円分のオプションを無償で利用できます。

パートナーとともに、スタートアップのビジネス成長に貢献

AWS は今後も、協業パートナー各社とともにスタートアップコミュニティの拡大と成長に向けた支援を続けます。お客さまからのフィードバックをもとに、スタートアップ支援プログラムを強化・拡大していきます。今回発表した5社を皮切りに、AWS Activate 協業パートナーも拡大予定。スタートアップのビジネス成長のお役に立てれば幸いです。