明日の技術者を今日から育てる AWS のエデュケーションプログラム
Author : 澤 扶美
このような状況が進む中、AWSはすべての利用者に向けてクラウド技術を学ぶための無料のトレーニングリソース(オンライン・オフラインのセミナー、オンラインコース、資料)を数多く提供していますが、2015 年から学生向けにも特別なクラウド学習プログラムである AWS Educate を提供しています。
このプログラムは初期投資なしで、学生の方がクラウドを学ぶチャンスを得ることができるので、より多くの方がクラウドを使った仕事や研究にチャレンジできるようになると思います。クラウドを使って今までの環境ではできなかったこと、今までの方法とは違うことにぜひチャレンジしていただきたいです。
【参加資格】
なんらかの教育機関(高校、高専、大学、専門学校、プログラミングスクール、職業訓練機関など)の 14 歳以上の学生また教員であればどなたでも参加できます。
【参加方法】
Web ページから申し込むだけです。
通常の AWS アカウントを作成する場合、クレジットカードが必要となりますが、AWS Educate のスターターアカウント (後述します) はクレジットカードが不要です。学生メンバーになると以下のようなメリットを無料で受けることができます。
- 20 以上のオンラインセルフラーニングコース :
AWS のクラウドと関連技術を実習も含めて学部ことができます
- AWS を利用できるスターターアカウント :
クレジットカード登録不要の特別な AWS アカウントが提供されます
- ジョブボードへのアクセス :
AWS、Amazon、AWS のパートナーやカスタマー企業のクラウド関連職種の求人情報にアクセスできます。またご自身のプロフィールや学習ポートフォリオ (オンラインラーニングコースの進捗状況) をリクルーターメンバーに開示することができます
また教員メンバーになると、以下の機能が提供されます。
- 学生の招待機能
- クラスの作成とクラス専用クレジットのリクエストができます
- 授業で使用できる資料を検索し、入手することができます
教育機関として加盟をすると、以下のようにメンバーベネフィットである AWS 利用クレジットが増えるなどの特典も用意されています。
教育機関での加盟 | 身分 | AWS アカウント | クレジットコード (年間) |
---|---|---|---|
有り | 学生 | スターターアカウントのみ | 100 ドル |
教員 | 自身の AWS アカウント | 200 ドル | |
スターターアカウント | 150 ドル | ||
無し | 学生 | スターターアカウントのみ | 30 ドル |
教員 | 自身の AWS アカウント | 75 ドル | |
スターターアカウント | 50 ドル |
活用例としては次のようなものがあります。
・学生の自主的なスキル習得のため独自にあるいは教員に紹介され参加する
・授業の中で実習環境として利用する
・研究で AWS を使うための準備として利用する
実際の例として、岐阜高専の場合、AWS のクラウドの環境を使ってオープンソースの CAD の実習が行われています。環境を作るのが難しいオープンソースのソフトウエア環境をクラウドを使うことで学生が実習に入りやすくしています。
このようにAWS Educateはクラウドを学び、使い、仕事を得るというサイクルをプログラムの中で実現しています。現在 220 か国以上の国の 90 万人以上の学生が AWS Educate に参加してクラウドを学んでいます。
将来の就職へ向けたエンジニア教育でクラウドを学ぶ機会が必要な学生や教員の皆様であれば、すぐに始められます。ぜひクラウド学習を始める際にお役立てください。
筆者紹介
澤 扶美
2018 年よりアマゾンウェブサービスで、学生がクラウドを学ぶためのプログラムである AWS Educate とエドテック分野のスタートアップ企業支援プログラムの AWS EdStart を担当。大学・大学院ではデータベースの研究に従事。外資系ハイエンドコンピュータベンダーの技術者、国立の研究機関の技師・リサーチアドミニストレーターを経て、もっと若い人の役に立ちたいと思い現職に。大阪出身東京在住。
AWS を無料でお試しいただけます