技術用語を比喩から学ぼう ! - 第 6 回「テンプレート」

比喩シリーズ 第 6 回の技術用語は「テンプレート」です。

• 設定を「テンプレート」として保存する
• 保存されている「テンプレート」を修正する
• 「テンプレート」からサーバーを構築する

といった例文などを目にすることもあるのではないでしょうか ?

では、現実世界の例をさらに深堀り、メリットを考えましょう。

皆さんがたい焼き屋さんで注文をしたときに、店員さんが毎回生地から鯛 (たい) の形を作り、ホットプレートで作っていたら、驚くと思います。職人技でできることもあるかもしれませんが、手作業により微妙に形が変わってしまったり、大きさが変わってしまうこともあるはずです。また、たい焼きを 12 個注文した場合、12 個を順番に作ると待ち時間も長くなってしまいます。そこで、たい焼き器です。たい焼き器を使うことで、同じ形のたい焼きを同時に何個も作ることができます。

たい焼きの餡は、あんこだけではなく、カスタードやサツマイモなどもあります。たい焼きの形や大きさは変わるのでしょうか ? 基本的には変わりません。理由は同じ型を使うからです。このようにたい焼き器を使いながらも、乗せる餡を変えることで、違うたい焼きを作ることができます。「テンプレート」であるたい焼き器には、使うときに自由度を持たせることができるという点も重要です。

本記事では、たい焼きを買う場面を比喩に「テンプレート」を紹介しました。実際のワークロードでは、AWS CloudFormation を使ってサービスを自動構築することができ、テンプレートとパラメータを組み合わせることで自由度を持たせることができます。他にも Amazon EC2 の起動テンプレート、AWS OpsWorks のクックブック (テンプレート) も、名前の通り「テンプレート」として使うことができます。

もしかしたら Amazon Machine Images (AMI) から同じ Amazon EC2 インスタンスを起動したり、Docker イメージから同じコンテナを起動することも「テンプレート」ではないか ? と感じるかもしれません。広義の意味では良いと思います。しかし、名前の通り「テンプレート」ではなく「イメージ」です。「イメージ」を日本語にすると「画像」や「印象」になりますが、技術的な文脈の場合は「ディスクをコピーする」など「写す」といった意味でも使われるため、「イメージ」は「テンプレート」ほど自由度をもたせることができず、完全にできあがった状態を想像すると良いと思います。比喩にするなら「金太郎飴」でしょうか。できあがった「金太郎飴」は何度切っても同じ顔になります。

3 月から連載を続けてきた比喩シリーズは今回で最後になります。ありがとうございました !