AWS 有償トレーニングのメリットってなんだろう

2022-04-04
How to be a Developer

Author : 吉田 慶章

builders.flash 読者の皆さん ! こんにちは !

シニアテクニカルトレーナーの吉田慶章です。

私はトレーナー (AWS 認定インストラクターとも言います !) として、主に有償トレーニングを通して、お客様の学びを支援しています。本記事は「How to be a Developer」というカテゴリーに所属しています。AWS を学ぶために「まずは有償トレーニングに参加するぞ !」というお客様もいらっしゃるのではないでしょうか !

さて、私は有償トレーニングを担当するだけではなく、有償トレーニングの受講に悩んでいるお客様に対してコース提案をさせていただく機会もあるのですが、よく聞かれる共通的な質問があります。大きく分類すると以下の 3 つでしょうか !

それぞれの質問に対する回答を、私自身の個人的な見解も含めて、builders.flash の記事としてまとめます。前回の記事では「どのコースを受講すれば良いですか ?」という質問にフォーカスをしました。読んでいただけましたでしょうか。今回の記事では、2 番目の「有償トレーニングのメリットは何ですか ?」という質問にフォーカスします。

Here We Go ===┌(・_・)┘

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有償トレーニングのメリット

お客様に対してコース提案をさせていただくときに「有償トレーニングのメリットは何ですか ?」と聞かれることがあります。もしくは「独学でも AWS を学べると思うんですけど有償トレーニングならではの価値ってありますか ?」と聞かれることもあります。表現は違えど、同じ質問のように感じます。

まず、私自身も有償トレーニングが「銀の弾丸」だとは思っていません。向き不向きはあるでしょうし、適切なタイミングと不適切なタイミングもあると思います。また、コスト的に見合わないということもあるでしょう。しかし、今回紹介する有償トレーニングのメリットを知ってもらうと、必要性に気付いてもらえることがあります。

1. 追求されたわかりやすさ

まずは「追求されたわかりやすさ」です。「わかりやすさ」と言うと感覚的な側面もあるので評価しにくくもありますが「お客様が挫折することなく学べる」と言い換えることもできるでしょうか。

例えば、同じ技術を説明するとしても、お客様の理解度や経験によって、用語選びを変えています。また比喩や具体例も複数用意していて使い分けられます。場合によっては、デモをお見せしたり、トレーナー個人の体験談から話を広げて説明することもあります。また「発問」というテクニックを使って、お客様の体験談を聞かせていただきながら話を広げて説明することもあります。ただ一方的に話を聞くよりも、わかりやすく学び進められます。

独学では腹落ちできなかったり、もやもやが残ってしまったり、ウェブ記事や e-Learning ではわかりにくく感じられる方に有償トレーニングはおすすめです。お客様から「e-Learning を何度観ても理解しにくかったところをすぐ理解できました。」といったコメントをいただいたこともあります。

2. 親身になって伴走できる

どのトレーナーもお客様の学びを支援するために努力を惜しみません。お客様のためにわかりやすい説明を日々考えていますし、もし「今の説明はよくわかりませんでした・・・」と言ってもらえると、むしろ嬉しくなります ! 追加で説明をしますし、別の引き出しを使った説明も試みます。ラボ演習の時間ではトラブル対応も喜んでします。もし一部のお客様のみわかりにくく感じられている場合は個別にフォローもします。言い換えると、お客様のために親身になって伴走します。

トレーナーに質問したかったり、答えはないとしてもトレーナーのアドバイスが欲しいなど、対話的な学び方を希望する方に有償トレーニングはおすすめです。

3. ナビ付きで高速道路に乗れる

短期間で効率的に学べる点は実はあまり認識されていないメリットかもしれません。

運転を比喩に説明してみましょう。どこか目的地を目指すときに、一般道路を走ると信号で何度も止まってしまったり、渋滞に巻き込まれてしまったり、道が複雑で迷って遠回りになってしまうこともあるでしょう。

しかし、ナビ付きで高速道路に乗ると「同じ目的地により早く効率的に」たどり着けます。トレーナーは、お客様の学習の障壁になりやすいところをフォローしたり、新旧ある情報を整理し、優先して学ぶべきポイントをお伝えします。そして、有償トレーニングではラボで実際に AWS 環境を試せるため、自分自身の AWS 環境を使う準備時間も必要ありません。

実際に経験豊富なお客様も多く中上級コースを受講されています。そして「勉強をしようと思っていたけど時間もかかるし後回しにしていたのに 3 日間で完全に理解できました」といったコメントをいただいたこともあります。効率的かつ体系的に学びたい方に有償トレーニングはおすすめです。

4. 3 日間集中して刺激を受け続けられる

前回の記事にも書いた通り、有償トレーニングの期間は 1~4 日間です。その多くは 3 日間です。単純に 3 日間毎日学び続けるというのは短期集中という点で効果があります。また、独学をするならコツコツと毎日業務前後に 1 時間捻出をするかもしれませんが、どうしても続かなかったり、仕事の都合で諦めざるを得ない日もあったりするでしょう。有償トレーニングの 3 日間であれば諦めずに継続できるのではないでしょうか。もしかしたら「お金を払っているから」という理由でやる気が出るという方もいらっしゃるかもしれません。

なお、たまに有償トレーニングを希望せず受講される方もいらっしゃいます。全ての事情は把握できませんが「上司に受講してきてと言われた」「社内的に受講証明書が必要なので受講している」などの理由は実際にお聞きしたことがあります。賛否両論あるとは思いますが、私はそれでも良いと思っています。実はそういう理由のお客様にとっても有償トレーニングは効果があるからです。

私がトレーナーとして1番意識している言葉は「トリガー (trigger)」です。本当に好きな言葉で仕事でもよく使っています。どういうことかと言うと、学びに対する「きっかけ」を作ることが私の役割だと思っているからです。特に有償トレーニングに受講する気持ちがなければ、ただ聞き流しているだけでも OK です。トレーナーは発問を多くしますが、無理に反応しなくても OK です。特にオンライン開催になってから、距離を置くのも容易になっています。

しかしどうでしょう、3 日間もトレーニングを受講していると、だんだんとトレーナーの「情熱 (passion)」に刺激を受けます。その結果、お客様から「正直興味もなく受講したんですけど、刺激を受けて、背中を押されました。さっそく勉強してみたいと思います。」といったコメントを実際にいただいたこともあります。

決められた数日間の期間で短期集中で学びたい方に有償トレーニングはおすすめです。また、正直興味もなく受講したという後ろ向きな理由でもウェルカムです。きっと何かしら刺激を受けるでしょう ! トリガー ! (パワー !! みたいな)


有償トレーニングが適さないこともある

必ずしもというわけではありませんが、有償トレーニングが適さないこともあります。代表的な例を紹介します。

1. 有償トレーニングは認定試験対策ではない

通常の有償トレーニングコースは認定試験対策として作られていません。当然ながら、認定試験を受験するために学ぶことはできますし、現場や認定試験などどこでも使える知識を獲得できますが、認定試験の出題範囲に沿ってトレーニングを進めることはありません。

日本では認定試験対策の有償トレーニングは提供していませんが、認定試験対策を希望される場合は以下の選択肢があります。これらの検討をお願いします。

認定試験対策 : デジタルトレーニング

AWS Skill Builder で “Exam Readiness” と “日本語” のフィルタを付けると検索できます

模擬試験 : デジタルトレーニング

AWS Certification Official Practice Question Sets (Japanese) で無料の模擬試験を受けられます

認定試験準備ワークショップ

AWS トレーニングと認定イベントの詳細 で “AWS Certification: Exam Readiness” と “日本語” のフィルタを付けると開催日を探せます

2. 学びたいことがコースの範囲外になっている

前回の記事でも紹介した通り、有償トレーニングコース名だけではお客様の期待値と異なる可能性もあるため、コースの詳細情報まで確認してから申し込むのがおすすめです。できる限り、トレーナーはお客様の期待に応えたいと思っているため、コースの範囲外でもベストエフォートでサポートしますが、コースとしてコンテンツが用意されていない場合はどうしても薄くなってしまいます。

 

3. 案件で具体的なサービスの挙動で困ってる

有償トレーニングでは、どちらかと言うと汎用的な (一般的な) 内容を紹介します。言い換えると、お客様個別の案件などに寄り添うことは難しくなります。よって、案件で具体的なサービスの挙動などに困っているような場合や、実際に現場で書かれたコードにアドバイスが欲しいような場合に有償トレーニングを選ばれるのは適切ではありません。内容にもよりますが、例えば、以下のような選択肢でお客様を支援できるため、参考として載せておきます。

4. 仕事の時間調整ができない

有償トレーニングだからと言って、お客様の時間を完全に専有することが全てではないと思っています。本番障害対応が入ってしまうかもしれませんし、業務的な緊急会議に呼び出されることもあると思います。基本的にはお客様を尊重したいと思っています。

しかし、トレーニング中に何度も退席されてしまうようですと、トレーナーの講義やデモから学べませんし、学習ストーリーも崩れてしまいます。結果的に学習効果も下がってしまいます。

定例会議などは事前にキャンセルするなど調整をしたり、それが難しい場合は e-Learning を使ってスキマ時間で独学をするのが良いでしょう。


まとめ

今回は、トレーナーとしてよく聞かれる共通的な質問の「有償トレーニングのメリットは何ですか ?」に回答するべく記事にまとめてみました。有償トレーニングの良し悪しをより判断しやすくなればと思っています。

次回は最後の質問「コースを申し込んだけど学習効果を高めることはできますか ?」に回答する記事を公開予定です ! お楽しみに !

では、有償トレーニングでお会いしましょう !

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筆者プロフィール

吉田 慶章
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
AWS トレーニングサービス本部 シニアテクニカルトレーナー

ウェブエンジニア/プログラミング講師などの経験から AWS テクニカルトレーナーに。教えることを本職とし、効果的な学習メソッドを考え続けている。教えることは最高の学習である。Keep on Learning 👍

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