Bendigo は Amazon EC2 スポットインスタンスと Amazon EMR を使用してコンピューティングコストを 60% 削減
2022 年
金融サービスプロバイダーの Bendigo and Adelaide Bank (Bendigo) は、オーストラリアのオープンバンキング規制に準拠するために、Amazon Web Services (AWS) でのデジタルトランスフォーメーションの取り組みを開始しました。 2020 年 3 月、Bendigo は、ほぼあらゆるワークロードに対して安全でサイズ変更可能なコンピューティング性能を提供する Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) を活用して、30 の非マテリアルワークロードをクラウドに迅速に移行しました。
最初のクラウド移行を完了して以来、Bendigo は、コスト削減を促進し、デジタルサービスのパフォーマンスと可用性を向上させるために、アーキテクチャの最適化に注力してきました。 パフォーマンスとコスト削減とのバランスを取るために、Bendigo は非本番環境のワークロードを Amazon EC2 スポットインスタンスで運用し始めました。Amazon EC2 スポットインスタンスを使うと、顧客はクラウド内の使用されていない Amazon EC2 キャパシティを活用できます。同銀行はまた、耐障害性の高いワークロード向けに他の AWS 機能を実装することで、回復性とスケーラビリティを向上させました。この新しいインフラストラクチャにより、Bendigo はコンピューティングコストを約 60% 削減し、ワークロードの回復性を 30% 近く向上させ、銀行システムのパフォーマンスを約 20% 改善させました。
「Amazon EC2 スポットインスタンスは、弾力性のあるワークロードを維持しながらコンピューティングコストを節約する効果的な方法となっています」
Leandro Silva 氏
Bendigo and Adelaide Bank、オープンバンキングプロジェクトのデータリーダー
AWS でのクラウド移行によるオープンバンキング規制への対応
Bendigo のビジョンは、210 万人の顧客にデータの透明性とシンプルなバンキングソリューションを提供することで、オーストラリアで最も選ばれる銀行になることです。同同行の目的は、顧客や地域社会の繁栄に貢献することであり、それにあやかることではありません。Bendigo は 834 億ドル以上の預金を保有し、317 の支店で 7,000 人以上の従業員を雇用しながら 11 万人以上の株主にサービスを提供しています。
2018 年 5 月に、オーストラリア政府は消費者データ保護法を可決しました。これにより、すべての主要金融機関は 2020 年 7 月までにオープンバンキングの慣行を遵守することが義務付けられました。この法律では、金融機関は顧客に個人データへのアクセスと管理を提供しなければならないことも意味していました。このような業界の変化に直面して、Bendigo はオンプレミスインフラストラクチャにおける需要が高まると予想していました。 それに備えて、同行は AWS を活用してデジタルトランスフォーメーションを行うことにしました。
Bendigo は、サービスの成熟度を理由に AWS をクラウドサービスプロバイダーとして選択し、2020 年 3 月に AWS を使用したクラウド移行を開始しました。同行はまた、Amazon EMR を使用してワークロードの運用を始めました。Amazon EMR は、オープンソース分析フレームワークを使用して、大規模な分散データ処理ジョブ、インタラクティブ SQL クエリ、機械学習アプリケーションを実行するためのクラウドビッグデータソリューションです。オープンバンキングの要件を満たすために、同社は銀行システム全体で高い可用性を維持するのに役立つクラスターを構成しました。このプロジェクトを完了した後、Bendigo は Amazon EC2 インスタンスフリートを使用してクラスターを運用することで、クラウドアーキテクチャを改善し、コンピューティングコストを削減したいと考えました。「当初、コスト削減は考えていませんでした」と、Bendigo の開発インフラストラクチャエンジニアである Adam Hobbs 氏は述べています。「しかし、私たちはアーキテクチャのパフォーマンスを向上させたいと思うようになりました」。 2021 年に、Bendigo のチームはデジタルトランスフォーメーションの取り組みの第 2 段階に入り、同銀行のコンピューティングニーズを満たす新しいソリューションや機能の実験を開始しました。
Amazon EC2 スポットインスタンスを使用してコンピューティングコストを削減
Bendigo は AWS チームと連携して、コンピューティングコストを最適化しながら、高可用性を維持できる Amazon EC2 インスタンスをテストしました。この間、Bendigo チームは Amazon EC2 スポットインスタンスを試しました。このインスタンスは Amazon EC2 オンデマンドインスタンスよりも低い価格で Amazon EC2 インスタンスを提供します。Bendigo のデベロッパーは非本番環境を使用してデジタルサービスの機能を反復処理しているため、同行はこれをコンピューティングコストを削減できる分野として特定しました。現在、同銀行は非本番環境のワークロードをすべてスポットインスタンスで実行しています。「Amazon EC2 スポットインスタンスは、弾力性のあるワークロードを維持しながらコンピューティングコストを節約する効果的な方法でした」と、Bendigo のオープンバンキングプロジェクトのデータリーダーである Leandro Silva 氏は述べています。これらの変更を行うことで、Bendigo はコンピューティングコストを約 60% 削減しました。
同銀行はまた、Amazon EMR クラスターを実行するためにさまざまな Amazon EC2 インスタンスをテストし、CPU、メモリ、ストレージ、ネットワーク容量のさまざまな組み合わせを含む多様な Amazon EC2 インスタンスタイプを使用して最高のパフォーマンスを見つけました。インスタンスタイプを多様化することで、同銀行はサービスの中断やダウンタイムの可能性を減らし、ワークロードの耐障害性を高めました。「さまざまなインスタンスタイプを設定するためにいくつもの段階を経ました」と Hobbs 氏は述べます。「AWS チームとともに時間をかけて、どのインスタンスタイプが最も可用性が高いかを特定しました。これにより、はるかに優れたエクスペリエンスを実現しました」。 この新しいモデルにより、銀行はほぼリアルタイムのワークロードの回復性を約 30% 向上させました。
Bendigo の Amazon EMR クラスターは、クラスターのキャパシティプランニングに Amazon EC2 インスタンスを使用するさまざまなノードタイプで構成されています。「私たちは、コアノードをセットアップしてきました」と Hobbs 氏は述べます。「5 ノードのクラスターから 30 ノードのクラスターに移行しました」。 効果的なクラスターのスケーリングを促進するために、同銀行はタスクノードを実装しました。タスクノードは必要に応じてスピンアップまたはスピンダウンして容量を増やし、コンピューティングコストを節約できます。それ以来、同社は本番環境に 60 のコアノードを使用するまでに成長しました。複数のタスクノードを備えた Bendigo の Amazon EMR クラスターは、1 つに障害が発生しても利用可能な他のタスクノードを使用できるため、サービスの中断とダウンタイムを最小限に抑えることができます。インフラストラクチャの弾力性を高めることで、同銀行はコンピューティングコストを削減しながらシステムのパフォーマンスを約 20% 向上させました。
Bendigo は Amazon EMR マネージドスケーリングの使用も開始しました。このサービスは、可能な限り低いコストで最高のパフォーマンスが得られるようにクラスターのサイズを自動的に変更します。マネージドスケーリングを使用して、コンピューティング容量の上限と下限を設定することで、同社はコンピューティングコストをより効果的に管理できます。「ワークロードについてのより深い洞察が得られ、使用量と実際のコストを監視するのに役立っています」と、Bendigo のプラットフォームプラクティスリーダーである Ash Austin 氏は述べています。「クラウドで作業することにより、非常に安全かつ堅牢な制御された環境で、リスクと脆弱性の管理を強化できます」と Austin 氏は述べます。「AWS は、私たちの組織が仕事に適したツールを見つけ、規制状況をナビゲートできるよう大いに助けてくれました。AWS によって、デジタルトランスフォーメーションの取り組みを加速させるのに必要なグローバルな専門知識が得られます」。
Bendigo and Adelaide Bank について
Bendigo のビジョンは、210 万人の顧客にデータの透明性とシンプルなバンキングソリューションを提供することで、オーストラリアで最も選ばれる銀行になることです。同銀行は 317 の支店で 7,000 人以上の従業員を雇用し、11 万以上の株主にサービスを提供しています。
AWS の利点
- コンピューティングコストを約 60% 削減
- ほぼリアルタイムのワークロードの回復性を約 30% 向上
- バンキングシステムのパフォーマンスが約 20% 向上
- オープンバンキング規制への準拠を維持
- 中核となるバンキングシステムの最新化を加速
- サービスの中断とダウンタイムを最小限に抑える
- コンピューティングの使用状況とコストの可視性が向上
使用されている AWS のサービス
Amazon EC2 スポットインスタンス
Amazon EC2 スポットインスタンスを使うと、AWS クラウド内の使用されていない EC2 キャパシティを活用できます。スポットインスタンスは、オンデマンド料金に比べ最大 90% の割引価格でご利用いただけます。
Amazon EC2
Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) は、安全でサイズ変更可能なコンピューティング性能をクラウド内で提供するウェブサービスです。デベロッパーがウェブスケールのクラウドコンピューティングを簡単に利用できるように設計されています。
Amazon EMR
Amazon EMR はクラウドのビッグデータプラットフォームです。Apache Spark、Apache Hive、Presto などのオープンソース分析フレームワークを使用して、大規模な分散データ処理ジョブ、インタラクティブ SQL クエリ、機械学習 (ML) アプリケーションを実行します。
開始方法
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