「基幹システムのクラウド化に不安はありましたが、他社の基幹システムでの豊富な稼働実績、
メガバンクでの採用実績、セキュリティレベルの高さを評価し、納得感を持って AWS を採用しました」
 
笠井 勝司 氏 ダイドードリンコ株式会社 取締役 執行役員 経営戦略部長

コーヒー飲料などの清涼飲料水販売を手がけるダイドードリンコ株式会社。基幹システムのインフラ基盤をオンプレミス環境で運用してきた同社は、SCM(Supply Chain Management)システムのインフラ保守期限の終了に伴うインフラの最新化に際し、インフラコストの低減や新たな価値創出などを目的にアマゾン ウェブ サービス(AWS)を採用。パートナーの NEC の支援を受け、インフラ移行とシステムのバージョンアップを完了しました。クラウド化により、試算通り 7 年間で 15% のインフラコスト削減を予定しています。


ダイドーホールディングスグループの一員として国内飲料事業を担うダイドードリンコ株式会社。自販機による売上比率は、業界全体が約 3 割程度であるのに対して同社は 8 割以上を占めており、全国に約 28 万台を展開する自販機網は業界有数のシェアを誇ります。

充実した自販機網を持つ一方、安定的かつ効率的に商品を供給するサプライチェーンの強化が同社の課題でした。「グループの販売会社と特約オペレーターによるオペレーション体制を整えているものの、人手不足によるトラックドライバーの確保は業界全体の課題であり、当社の課題でもありました。それらを解決する手段や顧客満足度向上、業務効率化のために、IT 活用を重要視しています。」と語るのは取締役 執行役員で経営戦略部長の笠井勝司氏です。

その内のひとつ、顧客満足度向上のための施策として、2016 年にスマートフォンと連動する IoT 自販機を AWS のサーバーレスアーキテクチャを用いて開発しました。現在は『Smile STAND』としてポイントサービスを提供しています。また、業務効率化の観点から RPA(Robotic Process Automation)についても定常業務の自動化に向けて、複数拠点でトライアルを実施しています。

こうした取り組みを進める中、新たな課題として浮上したのが開発、調達、生産、物流、需給を管理する SCM システムのリプレースです。10 年来利用してきた SCM のインフラ保守期限が 2019 年 2 月に迫ったことから、これを機にインフラ基盤を刷新し、業務アプリケーションをバージョンアップすることを決断しました。経営戦略部 システムグループ 課長の水野律氏は「中期 IT 計画を見据えたサーバー環境の全体最適化と、SCM 領域における将来の需要予測の取り組みに向けた機能の再配置、および業務全体のスリム化を目指してプロジェクトを立ち上げました。」と語ります。

インフラの選定では、オンプレミスとクラウドを比較し、最終的に AWS を採用しました。

「決め手はオンプレミスと比較してコスト軽減効果が大きいことです。加えて、オンプレミス環境で課題となっていた障害対応がクリアできる安定性と堅牢性を確保していたこと、さらに新たな経営価値を創出するプラットフォームとして将来性が高いことにありました。」(水野氏)

SCM システムのバージョンアップおよびインフラのクラウド化のプロジェクトは 2018 年 2 月にキックオフ。要件定義、設計、構築、テスト、移行リハーサルなどを経て 2019 年 2 月に本番移行を実施し、本稼働を迎えました。オンプレミス環境で稼働していた本番サーバーとテストサーバー合わせて 31 台と、ストレージ装置、バックアップ装置などをすべて AWS 上に移行し、Amazon EC2、Amazon EBS、Amazon S3 で構成した環境で稼働しています。経営戦略部 システムグループ アシスタントマネージャーの橋本橘平氏は「事前にサーバーを立ち上げ、可用性の確認や本番の出荷ピーク時を想定した性能テストが実施できたことは、クラウドならではメリットでした。」と話します。

プロジェクトは、既存の SCM システムのスクラッチ開発を手がけ、10 年来にわたって業務アプリケーションとインフラの運用を手がけてきた NEC が支援しました。

「NEC には合計 4 回の検討会を開いていただき、そこでオンプレミスとの比較や、移行時の重点項目を精査しました。おかげでメンバーの AWS への理解が深まり、不安を解消することができました。プロジェクト期間中も当社の業務や IT 環境を熟知する NEC の関西拠点の SE や営業部門の方の親身なサポートを受け、少ない自社要員でもスムーズに進めることができました。」(水野氏)

SCM システムのバージョンアップを終えて半年以上が経った現在、大きなトラブルなく安定稼働を続けています。インフラコストもオンプレミス環境と比較して大幅な削減が実現する見込みです。橋本氏は「提案時に NEC から初期コスト、運用コスト、データセンターコストの抑制によって 7 年間で 15% の削減を試算していただき、想定内で進んでいます。その結果、AWS の生み出すコストメリットを将来の IT 投資に活用することが可能になりました。複数年定額契約のリザーブドインスタンスを採用し、AWS のコストも見やすくなっています。」と語ります。

運用・保守面においても 5 年、6 年ごとに発生するハードウェアの保守切れ対応が不要となりました。データセンターでの運用時は、ハードウェアの障害発生や、保守部材の調達に悩まされてきましたが、現在は不安要素もなくなり、精神的な負担も軽減されています。

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SCM システムのバージョンアップで、基幹システムとして初めて AWS 上に移行したダイドードリンコでは、クラウドへの不安感もなくなり、システムグループ内での抵抗感も薄れてきました。新たなシステム計画の際も、オンプレミスから目線が拡がり、クラウドを念頭に検討する機会も増えてきたといいます。今後も必要に応じて基幹システムや業務システムのクラウド化を進めていく考えです。

「飲料事業部以外の事業部にも保守サポート切れが近づいているサーバーがあります。データセンターも複数箇所に存在し、各所にハードウェアの保守を委託しているのが現状です。今後、タイミング見計らいクラウド環境に寄せていきながら、ダイドードリンコ独自のクラウド基盤を確立して包括的に管理していくことを目指します。」(水野氏)

AWS の導入をきっかけに情報収集の機会も増え、社内での検討が活発化しています。現在は、データ分析の基盤や BI ツールに注目。各種システムに蓄積されたデータを分析し、レポートにまとめながら、需要予測を活用した配送網/在庫配置の最適化や自販機データを活用したコスト最適化など、オペレーション業務効率化の実現に貢献していくことを検討中です。

笠井氏は「自販機ビジネスを主流とする当社において、クラウドの柔軟性は生産性を高める武器になると考えています。地域密着で支援する NEC には今後もより良い提案をいただきながら、二人三脚で当社のシステムの進化に貢献していただけることを期待しています。」と話します。

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笠井 勝司 氏

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水野 律 氏

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橋本 橘平 氏


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