概要

課題・ソリューション・導入効果
課題
35 万人* のエンジニアと企業とのマッチングを強化
レバレジーズは、IT や医療・介護の人材について育成や就職・転職、マッチングなどを総合的にサポートする人材企業です。正社員の採用やスタッフの派遣、就職や転職、フリーランサーとのマッチングなど、人材のライフサイクル全般に幅広くカバーし、人材と企業の双方に価値を提供するサービスが特長です。
なかでも IT に特化した「レバテック」は、約 35 万人ものユーザーが登録する日本最大級の IT 人材エージェントとして、エンジニアやクリエイターの転職やフリーランス活動、企業の求人をサポートしています。
「人材不足に悩む日本企業には、IT 活用による生産性向上が不可欠です。そのためには IT エンジニアの労働状況を改善し、心地よく働ける環境を提供しなければなりません。そこで私たちは、レバレジーズの創業から 18 年、IT 人材と企業をよりよく“つなぐ”支援を行ってきました。データを基にしたスムーズなオンラインマッチングなど、レバテックにしか実現できない“機能的価値”を提供したいと考えています」と、レバテック代表執行役社長の高橋悠人氏は語ります。また、「レバテックフリーランス」は、応募・契約管理、報告書・請求書管理、エージェントの提案など、エンジニアのフリーランス活動を継続的にサポートしてくれるサービスとして人気です。エンジニアを求める企業にとっても、自社にマッチした人材や技術力を探して募集し、契約管理まで対応できると高く評価されています。
ソリューション
最新の人材データを手軽に可視化
レバテックには多数の IT エンジニアが登録しており、長年にわたってサービスを提供しているため、エンジニアや企業にとって有用なデータが蓄積されています。従来からエージェントスタッフを通じてさまざまな情報を提供してきましたが、いっそうスピーディなマッチングを実現し、フリーランスエンジニアがよりよく活動でき、将来に向けて不安を解消するための可視化が求められていました。
「エンジニアや企業にとって、情報収集は課題の 1 つです。現代にはさまざまな技術が登場しており、プログラミング言語だけでも多種多様です。ある技術が SNS で注目されていても、企業が求める技術力と乖離していることも少なくありません。また SNS では、フリーランスエンジニアの悪いイメージにつながる情報ばかりが目立ち、将来に不安を覚えてしまう方も多いでしょう。レバテックにはフリーランス市場の正しい情報が集まりますので、これを簡単かつ効果的に活用してもらい、IT エンジニアの需給ギャップを解消する方法はないかと考えました」と、レバレジーズでデータ戦略を担当するマーケティング部の井上智貴氏は振り返ります。
そこでレバレジーズ/レバテックでは、同社の抱える膨大なデータを公開する方法として、BI (Business Intelligence)技術に思い当たりました。もともと両社では BIツールを業務に活用しており、同じような仕組みをレバテックフリーランスに取り込んで、『市場分析ページ』を作れないかと考えたのです。
当初は、既存のオンプレミス BI ツールと同じものをレバテックに組み込む方法を検討しました。しかし、開発には長期間かかることが予想され、オンプレミスのため導入後の運用コストも無視できません。データのビジュアライゼーションは良好ですが、使いこなすのに慣れが必要という点も、ユーザーに公開する機能としては不安がありました。
また当該の BI ツールは、ユーザー認証も問題の 1 つでした。レバテックフリーランスのユーザー(エンジニア・企業)は、ユーザーページであるレバテックプラットフォームにログインして、案件管理などを利用します。ここに BI 機能を盛り込みたいのですが、既存ツールでは再び認証が発生してしまうのです。BI を利用するために 2 回のログインを強いる UX は避けるべきだと考えました。またユーザーごとにアカウントを発行するライセンス体系も課題でした。
導入効果
2 日で市場分析ページを開発、カウンセリングへの応用も
そうした課題を解決する方法として、レバレジーズ/レバテックが選んだのは Amazon QuickSight でした。マネージドサービスですから、導入コストも運用コストも抑えられますし、既存の DB データソースとの連携も容易です。登録済みでないユーザーもログインなしで埋め込みダッシュボードにアクセスできる機能を利用すれば、レバテックプラットフォームにログインしてすぐにデータを検索することができます。セッション課金のライセンス体系のため、アカウント発行の手間もかかりません。
レバレジーズは、認証情報を AWS Secrets Manager に隠蔽することでプログラムが直接持たなくてよい点も、セキュリティ強化に効果的だったと評価しています。また、行レベルセキュリティにも対応しており、ユーザーに合わせて表示する情報を限定できるという点も、データセキュリティの観点で魅力的でした。
レバレジーズ レバテック開発部の古庄和也氏は、「BI を応用した市場分析ページの開発は、わずか 2 日で完了しました。既存のデータベースと容易に連携でき、ログインフォームを変更する必要もなく、ミニマムに始められました。既存の BI ツールを応用すると 4 人月はかかっていたでしょうし、オンプレミスシステムの運用負荷も馬鹿になりません。ドラッグ&ドロップのインタフェースでカスタムしたダッシュボードが簡単に作れますし、シンプルでユーザーが迷わず手軽に利用できるという点も、私たちのニーズにマッチしていました」と述べています。
エンジニアユーザーの満足度はたいへん高く、SNS などでも注目されています。企業ユーザーは、自社で取り扱う技術を選定しやすくなったなどと好評です。またユーザーが検索したワードは、市場のニーズを示す重要なデータとして、社内の営業・マーケティング活動に応用されています。フリーランス転向を検討する企業エンジニア向けに市場分析ページを基にしたカウンセリングを行うなど、多彩に活用されています。
AWS のサービス/サポートについても「親身で手厚く、知見も豊富である」と高く評価しています。継続的に強化されていくセキュリティ機能や、パフォーマンスが“勝手に向上”するアップデートなどにも注目しており、今では AWS のサービスを起点としてさまざまな企画や実装を検討しているとのことです。
レバレジーズでは、今後も QuickSight を使いこなしてレバテックユーザーへさまざまなデータ活用の場を提供し、IT 人材市場を活性化したいとしています。
活用の場を提供し、IT 人材市場を活性化したいとしています。「レバテックでは、今後も人材サービスを強化し、プログラミングスクールなどの教育・育成を含めた“エンジニア増強”事業にもいっそう注力していきたいと考えています。QuickSight は非常にすばやく導入し、私たちのニーズに応えてくれました。今後もデータアナリティクスの機能やサービスを拡充し、よりよくデータを活用する仕組みを提供してほしいと考えています」(髙橋氏)
* 2022 年 12 月時点

市場分析ページは、レバテックにしかできない価値を提供する新しい人材サービスです。それを Amazon QuickSight によって、わずか 2 日で、低コストに実現できたのです
高橋 悠人 氏
レバテック株式会社 代表執行役社長アーキテクチャ図

レバレジーズ株式会社
2005 年に設立、SES* 事業からスタートし、現在は IT・医療・介護分野で就職・転職、採用・派遣・育成など幅広い人材サービスを展開する。IT に特化したレバテック事業は 2017 年に分社化した。IT エンジニア・クリエイター向けの「レバテックフリーランス」は 2014 年にオープンし、案件探しから契約管理といったフリーランス活動や、フリーランス転向のカウンセリングなど、幅広いサポートが特長である。
* SES(システムエンジニアリングサービス)とはソフトウェアやシステムの開発・保守・運用における委託契約の一種であり、特定の業務に対して技術者の労働を提供すること。
取組みの成果
- 2 日
ユーザー向け BI ページを短期開発 - 手軽
追加ログインが不要で気軽に人材データを活用 - 多彩
フリー転向のカウンセリングや営業・マーケティングなどにも応用
本事例のご担当者
高橋 悠人 氏

井上 智貴 氏

古庄 和也 氏

PDF版
ご利用中の主なサービス
Amazon QuickSight
Amazon QuickSight を使用すれば、組織内のすべての人が自然言語で質問したり、インタラクティブなダッシュボードを探索したり、機械学習を利用したパターンや外れ値を自動的に探したりすることで、データを理解できます。